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勇者になってみませんか?  作者: 七瀬 優
第二章 ヒロイン登場  りん「これから私のターンだ!」  ????「ターン終了」  りん「誰だ終了させたの!」
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作戦開始!

皆で逃げ出します!




PS.毎日更新もきつくなってきました。

 最低でも今月中はがんばろう。

 筒状の火災救助袋を3階から1階まで一気に滑り降りる。

 避難用の装置なので当然かもしれないが、殆ど衝撃もない。

 すぐに立ち上がり、周りを見回す。

 幸い近くに居るのは獣型のモンスターが一匹。

 一応『調べる』スキルを使ってみる。


 軍団ウルフ

 HP85/85

 MP0/0


 軍団ウルフか、ウルフというんだから狼なんだろう。

 HPを見るに桁違いに強いとも思えない。

 それに加えてMPは0だ魔法とかも使ってこないだろう。

 皆が降りている間にこの場所に近づけないように牽制しながら戦えばいいだろう。


 『銅の剣』を構え、ゆっくりと敵に向かっていく。

 ふと、耳に遠くの方から狼の遠吠えが聞こえる。

 こいつの仲間が遠くで吠えているんだろうとさらっと流しそうになった時、嫌な予感がよぎった。

 改めてモンスターの名前を見る。

 ”軍団”ウルフ、狼、群れで狩る動物、遠吠え……。

 幾つかのイメージが一気に駆け抜けていく。


 まずい!

 おれは一気に駆け出していた。

「一撃必殺!」の掛け声で『強攻撃』のスキルを発動する。

 このスキルダメージは大きくなるが、その分攻撃後に隙が出来やすく、無防備に反撃をくらいやすい。

 一気にHPを削って止めを刺す以外には普段はあんまり使っていなかったのだが、今は敵の反撃は考えない。

 強烈な一撃で軍団ウルフのHPを一気に30以上削る。


 スキル発動後の隙に左腕に噛み付かれる。

 激痛が走るが今は気にしている暇はない。

 連続でスキルを使う。

「一撃必殺!」

 軍団ウルフのHPは残り20を切った。

 反撃の体当たりのダメージも無理やり忘れて止めの一撃を放つ。

「一撃必殺!」

  軍団ウルフは他のモンスターと同じく光となって消えていった。

 

「ぐぅ……」

 倒したとたん、無理やり忘れていた痛みで膝をつく。

「あおちゃん、大丈夫!?」

 降りてきたりんが慌てて駆け寄ってくる。

 俺は『やくそう』を取り出し口にする、独特の苦味があるが無理やり飲み下す。

 痛みは動くのに支障がない程度に小さくなった。


 ダメージを回復し終わりすぐに周りを見回す。

 今の所さっきの一体以外はまだ近づいてきていない。

 『魔除けの聖水』を取り出し周りに振りまくと、一息つく。

「ふぅ……」

「あおちゃん、だい「来栖川さん大丈夫ですか!?」」

 りんの言葉をぶった切って真っ青な顔をした柏木さんが走りよってくる。

「大丈夫だ、あのモンスターは無茶してでも速攻で倒さないとまずい気がしたんだ」

 そう笑いかけようとして、ほんの少し痛みに顔をしかめる。

「これを使ってください!」

 柏木さんは有無を言わせず自分の分の『やくそう』を押し付けてくる。

 俺は断りきれずにそれを口にする。

 ほんの少し残っていた痛みは全て消えていた。



 一人、また一人と滑り降りてくるのを横目に周りの警戒を続けていた。

 幸運にもあれ以降、近くにモンスターが来ていない。

「来栖川さん、さっきは何であんな無茶をしたんですか?」

 柏木さんが、少し非難の色が混じった声で問いかけてきた。

「そうだよ、あおちゃんなんであんなにやられたの!?」

 りんも追随してくる。

 一応注意を促す意味で説明しておくか。

「ああ、軍団ウルフの”軍団”って名前とか、ウルフ=狼の群れで狩りをするとかのイメージで……」

 などと説明をはじめようとしてたところ、人と人がぶつかる鈍い音が聞こえた。

「痛いじゃないか!」

「お前が遅すぎるんだ!」

 二人の怒鳴りあう声が響く。

 気がせいていたのだろう。

 前の人がどく前に滑り降りてきてぶつかったようだった。

 特に二人に怪我はなさそうで安心はしたが、問題はモンスターがその声に気がついてこちらに向かってきていたことだった。


 後は最後の博士が降りてくるだけだ。

「みんな逃げる準備を!」

 俺の言葉に、「さっきみたいに倒せばいいだろう」「そこまであせらなくても」なんて声が聞こえてくる。

 降りてきてからモンスターに襲われなかったせいで気が緩んでるのかもしれない。

 

「皆さん急いだ方がよさそうです!」

 降りてきた博士もせかす。

 俺が何を危惧しているか気がついたようだ。


 みんなで走り出そうとした瞬間、

「アオォォォォォーーン」

 近寄ってきた軍団ウルフの遠吠えがグラウンドに響き渡った。


「逃げるぞ!」

 俺は大声を張り上げて急がせる。

 グラウンドのいたるところから、狼型のモンスターが集まってきていたのが見えたからだ。

りん「『一撃必殺!』なのに一撃じゃないよ!」


あお「言うな、りん」


りん「修行不足だね! おあちゃん」


あお「それでいいや……もう」

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 狼さん一匹家で飼えないかな? りん』

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