奪われたネックレス1
だれもが思う…どこにも魔界、天界などないと…しかしここにはあった。
ここには天使達がたくさん豊かに暮らしている。一方魔界ではたくさんの魔人が荒れた世界で暮らしていた。そして魔人達は場所がなくなり天界をうばおうと考えた…否、天使を全滅させようとしていた。当たり前のこと、天使達は抵抗するにきまっている。結果的に知力の差なのか勢力は、魔人達が勝っていたのに天使達が見事に勝ちをとった。天界には大天使がいた…大天使は魔界の見張り否、まとめてやろうと考えた。大天使いざ魔界へ…。
「では、いってくる」
「はい、天界の方は我々神天四におまかせください!!」
「ああ…頼んだぞ」
安心して大天使ミストラは、異界の扉へといった…。
魔人達はせっせと働く。
「大魔王様まで働かされてるぜぇ…ちっ」
舌打ちをする魔人一員。
「ああ…この先魔界はどうなるのやら」
この魔人一員は苦笑しながら言う。
大魔王ルジックは、大天使一番の部下という位置にいるのであった。
「大魔王様は、一番の部下だから仕事は楽だろうなぁ…」
やたら長い腕をつかってポリポリと頭をいじる。
「まぁな…一番の部下といっても…あの状況だしな…大変だな、ありゃぁ」
魔人一員は指をさす。そこにはミストラとルジックがいた…こんな感じで
「おいマジック…んじゃなくてルジック!!こんな食べ物食えるか!!魚の骨って…オイ!!」
「名前間違えんなよ!!ていうかあんたの好物きいてねぇぞ俺は!!」
怒りに満ちた声が魔界城の中で響く。当然、魔人達はすっぽぬけた顔をつくっている。
「互いを知らなすぎでしょ…」
その顔をつくった魔人リミナが言う。彼女は大魔王の幹部にあたる存在であった。
「私の好物は、チョコだよ!」
あ!そうそう言うの忘れてました…ミストラは女です。
「…っ!!!チョコぉぉぉぉォォォォォォ」
人は口をあけるのに限界がある…ルジックはその2倍の口で、叫びを上げた。という感じで魔界に住む天使の物語の始まりである。
「・・・・・・・」
深夜の魔界城2階格納庫誰もいないはずの空間に静かな靴の音を響かせる影があった。その影はあるダイヤのついたネックレスをとり、ポケットにそっと入れた。
その次の日・・・・
「ないないなーーーい・・・・ちっ・・・どこいった?!!!」
朝っぱらから大きな声が城のなかに響き渡る。
「どうしたんですかぁ?」
眠たそうな声で魔人幹部リミナが頭をかきながら寝床からでてくる。
「どうもこうも私のネックレスが奪われたんだよーー!!!」
あまりの悲しみに膝をつく。
あまりの騒ぎにルジックもでてくる。どうやら少し聞いてたらしく、口を開けた。
「たぶん魔物の仕業かなぁ・・・?」
「本当か!!!・・・?魔物・・・そんなのもいるのか?てっきり魔人しかいないと・・・」
「魔界なら魔物はいるでしょー普通に考えて・・・」
「まーそうなのか・・・」
「しかし、そんなにネックレスはいるのか?」
確かに・・・そんなに必要かとリミナも思った。否、周りの魔人も首肯する。
「当たり前だ!!言ってなかったが、私は一ヶ月に一回かえらないと死んでしまうんだよ!!もともと私は、魔界に来ることなんかできない・・・・とにかく、あのネックレスは異界移動することに必要なんだよ!!」
なるほどなるほどと、魔人達が納得する。
「そうなのか・・・でどうやって魔界へきてるんだ?」
無論そこに疑問を持つのは誰もがそうだろう。
「私達天使は、異界にいくことを禁止されているんだ。そこで精霊水ってものを飲むと、ガードされなくなり、異界へいくことが可能になる・・・ということだ。でその精霊水は1ヶ月できれてしまうわけっ!
しかしルジック魔人達にしては好都合であった。ミストラがいなくなれば自由になるじゃないかと、どの魔人も考えた。
「ッフフフフふふ・・・」
「・・・っ!!!?」
「俺はあんたを助けはしねぇ・・・あんたさえ消えれば魔界は元どうりになる!!せいぜい一人で頑張りな」
「あぁー・・・お前達・・・」
顔を真っ赤に染めはじめたミストラに、それを見て魔人達は怖そうな顔をつくった。
「ひぃぃぃ・・・手伝います!!!」
ルジックが真っ先に口をあけたという予想外な大魔王であった。
「そうか・・・なら頼む。場所だけ教えてくれ」
魔人達はちょっと安心した。無論、いつものミストラなら魔人達を扱使っているいるであろう・・・。魔人リミナが聞く。
「何故、私達をつかわないんですか?」
「ん・・・そんなに使ってほしいか?私は自分の手でそいつをこらしめるつもりだが・・・」
魔人皆そろって首を振る。
「なるほど・・・教えてやる。魔物達の中にものをよく奪うという脳みそをもったバカたれがいる。以前、俺達の核兵器をもっていかれ魔界城に撃たれたことがある。もちろん、城は壊滅状態に追い込まれた。ということでとても危険な魔物なんだが・・・聞くか?」
「当たり前だ!!」
「ッフ・・・」
少し鼻で笑ってから口をあけた。
「魔界城西出口から火山が見える・・・道があるだろ?そこから火山へ着くようになっている。火山に近くなるほど、魔物は強くなるからな、ま・・・お前が求めている魔物は中間地点にいる」
手を使ってうまく説明するルジックにミストラはそれにしっかりと聞いた。
「魔物の特徴をくれ」
「カメの顔で、ゴリラの胴体で、足は鱗で、手は羽でできている」
頭にものすごい生物が浮かびあっがってきてミストラは・・・
「気持ち悪っ!!!」
と言い残し、気絶するミストラであった。
「さていくか・・・」
黒髪の青い目をした天使用装備を装着した大天使ミストラが魔界城西出口の前に立っていた。その後ろには大魔王ルジック、魔人リミアが立っていた。
「せいぜい気をつけな。あいつらはこすい野郎だ!!何してくるかわかんねぇ・・・」
「あぁ・・・」
といって火山に向かっていくのであった。
「・・・・・・」
火山沿いの道ー荒地魔災道。
ミストラはその覚えにくい名前の道を歩いていた。
「まだかぁー・・・水分が尽きた・・・くそー」
そう、あれからもう4日間も経っていた。予定は2日半で着く予定だった・・・だが、気持ち悪い魔物は一切姿を現さなかった・・・否もう火山の近くである。魔物はたくさん出たが、幾多の戦いを潜り抜けてきた
ミストラにしては雑魚同然であった・・・。しかし水がなければ、いくら大天使だろうと死んでしまう・・・。
「・・・っく・・・ドサッ・・・」
ミストラは歩く力を失った。天界ではいくら水がなくなって1日たっても倒れることはない・・・。そう、精霊水の効果も薄れてきているのだ。
「ッチあの魔人どもめ!!・・・っく・・・」
ミストラは目を閉じた・・・。
一方、魔界城の方でも大変なことになっていた。
誤魔人のせいで・・・文字どうり誤った魔人のことであり、魔人を裏切ろうとする者である・・・。
今、その誤魔人たちが大天使がいない今魔界城をのっとろうとし、城で戦争が起こっている。
「・・・んの野郎・・・ミストラが帰ってこねぇわけだ!!」
ルジックはもうきずいていた・・・誤魔人がネックレスを奪い、ミストラを殺そうと考えた・・・そして、この魔界城をのっとろうとしているということはもうバレてるんだよ・・・とルジックは魔力を出しながら頭の中でそう悟った。
「しかし、きついですね。3:7の戦いは・・・」
とリミアがいった。そう魔人のほとんどが、誤魔人であったのだ。そのことにルジックは、自分のせいだと、自分を責めた・・・。
つぎつぎと誤魔人らは倒れていくが、勢力はあちらの方が上回っている。ルジックはこのままでは・・・と思い広範囲攻撃に変え、魔力をどんどん使う。それを見たリミアも、広範囲の攻撃を放つ。
「はぁ・・・はぁ・・・んの野郎がーーーー」
ルジックは天井へ向かい、今ある魔力の8割を手に集中させた。
ルジックの必殺技デス・メテオシャワーである。
「ルジック様・・・!!」
とリミアが心配そうに声を上げる。無論、魔力の8割をつかったら死にいたるので心配するのも無理はない。
「うぉぉぉぉぉぉぉぉーーーー」
ルジックが声を出した瞬間、誤魔人らが、一斉に顔を上げる。そして目を大きく開く・・・。
「ぉぉぉぉぉ・・・・・・なっ!!」
リミアが目をおおきく開く。そう、ルジックはネックレスをポッケットにいれた誤魔人に斬られた・・・。
「・・・!!貴様ぁぁ・・・」
とその誤魔人の肩を掴み、地に降り、倒れた。
リミアは絶望感を味わう。大魔王ルジックが戦えない今、勝てるはずがない!!とリミアは心の中で悟った・・・。
一方、倒れたミストラの近くに、たくさんの魔物がいた。
「グルルルゥゥ」
魔物は警戒している。ちょうど1分経ったころに、魔物の声は静まり、攻撃態勢にはいった。そして、魔物がミストラの前で飛び・・・急降下してきた。
「ギィィーン」
金属のぶつかった音が、ミストラにはかすかに聞こえた。
そして、目の前に影がみえた・・・。
こんにちは、魔界の天使様をかく夢幻と申します。文字どうりの物語なんです。
主人公はミトラスという大天使で自分ではパッと思いついた名前のせいで、
自分でも名前まちがえたり、忘れたりします。
ということで魔界の天使様・・・連載ものです。
1週間毎に更新するつもりなので、これからも読んでくれたら有難いです。