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作者: 一平

鬼って本当にいるの? 


玄関に豆を撒きながら、母に聞いたことがある。母はにっこりとした表情で言った。


昔はいたんだろうね。昔の人も同じように「鬼はそとー」って豆撒きしてたんだよ。


私はなんとなく納得した。母は話を続ける。


でもね、目には見えないけど、今でも鬼はいるよ。


どこに?


私は聞いてみた。しかし、母は続きは話してくれなかった。


大きくなったらわかるよ……。


ちょっとだけ悲しそうな目で言っていた。


それから10年後。両親が離婚した。ちょうど節分の日だった。


父が会社の人と浮気をしていたらしい。私は母の方に付くことにした。


昔から女たらしだと、母もわかっていたが、今回ばかりは我慢できなかったようだ。


私も父が嫌いだった。当時の私には、父が鬼で、母親が追っ払っているように見えた。


ただ、大人になった今では、違う考えが浮かぶようになった。


本当の鬼は、母だったのではないか。


鬼の居場所、今なら分かる気がする。

節分ということで書いてみました。

読んで下さった方、ありがとうございます。

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