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山狩


 翌日朝一番に屯所に行くと俺よりも先に居る奴がいた。ヴァンだ、25にして次官補佐になった優秀な者だ。

 今は机に有る大量の資料に目を通している最中であろうか。

 と俺に気がついたのが目線は手元に置いたままこちら側に話しかけてきた。

 

「おはようごさいますベル次官、昨日の会議はどうでしたか?」

「いつも通りだよ、最悪だ。皆自分の既得権益をどの様に守るかしか考えてない、国益なんぞ二の次だ。

 中にはいびきかいて寝ているジジイもいる、会議室は老人ホームでもなけりゃ仮眠室でも無いのに」

 

 そんな話をしてるいると事務作業が終わったのか体を伸ばしながら気怠げに喋りだした。


「本当いい職業ですよねぇ、私が子供の時なんて学校で寝てると怒られたものですが、政治家は怒られるどころか金が入るんでしょう?

 寝るのが仕事のようなもんだ、そんなんじゃ稚児と何ら代わりが無いじゃないですかねぇ、次官

 そんなんじゃ子供のなりたい職業1位待ったナシだ」 


「そんなほぼ稚児の中の一人から仕事が入った、近頃お騒がせな野盗どもの掃討だ。

 カバーする面積が広いから俺も出る、お前もついてこい」


 その言葉を聞くと明らかに嫌な顔を指定たが国軍において上からの命令は絶対だ。


「託児所からの依頼で害獣駆除か…、気が乗らねぇな」

 


 そんなこんなで自分らの管轄する区域を捜索して居ると一週間ほどで目星い山が見つかり屯所総員で山狩をすることとなった。

 それぞれ5人ほどの組を作り山を虱潰しに探していく、そんな感じになったんだが…


「ベル次官〜何処にもいやしないですよ?

 ガセ情報を掴まされたんですって、第一この山に居るんだったら麓から火を焚けばいいじゃないですか、なんでやんないんですか?非効率的ですよ〜」


 何かとヴァンがうるさい、言われたことはちゃんとこなすが、ぶつくさと文句が絶えない。


「いくら自国民じゃないからって相手を根切りにするのはこちらの心的、物資的負担も大きい。

 それに世の中には家畜にすら情が移るやつも居るんだ、全員燃やしたとか言ってみろ、明日には屯所前が大変な事になるぞ?」

「そんなもんですかねぇ」


 ヴァンは未だ不満げだが仕方がない、今俺が失態を犯したらサンジュ派閥が大きく不利になってしまう。

 とあれやとして居ると前方が騒がしくなってきた。


「「敵襲!!」」


 来たか、大人しくお縄にかかれば強制送還にしておいてやろうかと考えていたのに…

 矢張り獣は簡単な損得勘定も出来やしないのか…


 


 

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