89話 傭兵隊
「ところでアオイはアスラ王国でSSS級だったのよね。魔国ではどうする?」
「どうするって。そういうのは女王様が決めるんじゃないの?うーん。ヒスイと一緒で良いよ。」
「そういう訳にはいかないの!SSSSS級でも良いけど…。」
ダスティスの提案はアオイに即座に却下され、アオイの騎士階級は結局SSS級で落ち着いた。
「よし、それじゃあアオイの隊を紹介しましょう。アオイには傭兵隊を任せたいのよね。一応、魔国の部隊ということになってるけど…雑多な構成で曲者が多いのよ。でもアオイなら大丈夫でしょ?」
大丈夫の根拠が知りたいとアオイは思ったが、それは言わないことにした。
魔国には軍が3隊ある。ダスティスの直轄部隊、シュラク率いる魔国騎士隊、そして外郭部隊の傭兵隊である。
「この練兵場を使っている部隊よ。」
ダスティスは練兵場に続く扉を開けるとアオイとヒスイ、マオを誘った。
アオイはこの部隊を見てダスティスの言っている意味がわかった。
多種多様な種族がいた。エルフ、ダークエルフ、ヒューマン、ゴブリン、オーガ、リザードマン、鬼人、オークなどなど。彼らが一斉に4人に注目した。その視線にマオがたじろぐ。
「手を止めて。」
ダスティスの声に傭兵隊は動きを止め、シーンと静まり返った。
「隊長には話してあったけど、傭兵隊の編成を変更します。」
ダスティスの言葉に傭兵隊はざわついた。
「女王様、どういうことだい?」
扉の近くにいたオークがダスティスに尋ねた。
「隊長、副隊長を交代します。現隊長、副隊長はシュラクの騎士隊へ異動。新隊長はアオイSSS級騎士、新副隊長にヒスイS級騎士です。」
このダスティスの言葉に場の空気が揺れた。
「あんな小娘が隊長?どういうことだ?」
「S S S級ってなんだよ。聞いたことねえ。」
「あんな姉ちゃんの指示に従うのか?」
ヒスイはマーズ領で班長になった時のことを思い出していた。
(あの時もこんな風に反発されたなあ。)
「静まりなさい。」
ダスティスの言葉に場が静まり返る。
「不満があるものもいるようです。どうでしょう?アオイとヒスイの実力を見てみましょうか?もし、勝てたら隊長、副隊長の地位は勝った者に与えるわ。」
アオイとヒスイは顔を見合わせた。
「うおー!!」
ダスティスの提案に練兵場は異様な雰囲気に包まれた。
「俺にやらせろーー。」
「うおー、女!!後悔するぞーー!」
「黙れ!!俺達が最初だーー。」
周りを威圧しながら5人が立ち上がった。リーダー格はダークエルフ、ヒューマンとオーガが1人づつ、エルフが2人だった。
「アオイ、どうする?あの5人がこの部隊の顔役よ。」
ダスティスの言葉にアオイは少し考えてから、
「ヒスイ、2対5はどう?」
ヒスイへ問うた。
「いいですね。ああいうやつらはマーズ領で班長になった時のことを思い出させます。不快ですね。」
「よし、死なない程度にぶっ飛ばそう。」
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