79話 ヒスイとドワーフ
次の日、ドワーフの一団がアンナに伴われてヒスイとアオイの元にやってきた。ちなみにアルデイとジムは今日は休みとばかりに大森林へ散策へ出かけたらしい。
「何じゃい!精霊女王に言われてきて見ればこんな小娘がワシらの親方かい?」
「おや、ギムルは見た目で人を判断するの?」
アンナの冷ややかな言葉にギムは一瞬たじろいだがすぐに言葉を続けた。
「ならワシらが納得する技術を見せてもらいたいもんだな。」
「何だと!あんにゃろう。ヒスイ、殺っちゃおう。」
アオイが騒いでいたがヒスイは冷静だった。
「もう。アオイは物騒ですよ。しょうがないです。」
ヒスイはそう言うと地面に魔素を込めてゴーレムを立ち上げた。その大きさは8m。ギムをはじめとしたドワーフ達はあんぐりと口を開けた。それからヒスイはゴーレムを操作してその力をドワーフ達に見せつけた。
「はい、トンボ返りです!」
ゴーレムは空中で一回転してドワーフ達の目の前に着地した。
「わかった。親方!ワシらはあなたを親方として認める。無礼な発言、申し訳なかった。」
「わかれば良いのよ。わかれば!」
「何でアオイがドヤ顔なんですか…。」
ヒスイはアオイに呆れながらドワーフ達に挨拶した。
「アスラ王国情報部A級騎士ヒスイと言います。それから、、」
「私はアオイです。よろしくね。」
ドワーフ達は片膝をつくとお辞儀をしながら、返答した。
「ワシらは大森林で精霊女王の許可を得て魔導具の作成をしている。ワシは代表のギムルと言う。親方、これからよろしくお願いする。」
その後、ドワーフ達はアンナが用意した居住地へ荷を置きに行った。アンナは成り行きを面白そうに見ていたが、ヒスイの圧倒的な魔素のコントロールを目の当たりにして内心驚いていた。
「ヒスイはすごいね。あの魔素のコントロールはダスティスにも負けないんじゃないかな。」
「いえ、アオイと戦って勝てる気がしませんし…。」
「だいたい、アオイなんて大量の魔素を込めてぶっ放すだけじゃ無い。繊細な技を使った所なんて見たことないわ!!」
「ムキー!私の技のすごさがわからないなんてお前の目はふし穴か!!」
アオイが騒ぎ始めたがヒスイとアンナは無視していた。
「ヒスイ、明日からゴーレムの件をよろしくお願いします。」
アンナは真面目な顔をするとぺこりと頭を下げた。
「いえいえ、私も勉強になりましたし、子供達を守るためですから。」
「ところでまた明日から忙しくなると思うから今日はこれからゆっくりしない?」
アンナは悪戯っ子のような顔を見せた。




