68話 スカイドラゴンとエルフと
4人は領都を昼過ぎに出発した。大森林まで10日の予定である。カモの前にはヒスイが、後ろにはアオイが乗った。
「へへへ。ヒスイは良い匂いがするねー。」
「何を変なこと言ってるんですか!振り落としますよ。」
初日、2日目は天気も良く順調に旅程をこなしていた。3日目の昼過ぎ夕方近く、街道沿いの広場で野営の用意を行おうとしていた時にそれは現れた。
「竜?」
「スカイドラゴンだな。珍しい。戦闘になっているな。」
約800m先の森の中で何者かとスカイドラゴンが戦っていた。魔法の光が見えるので人種と戦っているらしい。
「アオイ、いきますか?」
「うん、行こう!ジムはアルデイとここで待ってて。」
ヒスイは優しくカモに駆け足の指示を出した。カモはヒスイの意図を汲取り、森の中を駆け出した。
「結構、大きいなあ。」
スカイドラゴンは頭から爪先まで5mくらいの大きさだった。それが羽ばたきながら空中を飛び回っていた。
「エルフ!」
スカイドラゴンと戦っていたのは10人のエルフだった。矢に風魔法を纏わせてスカイドラゴンを撃ち落とそうとしていたが、スカイドラゴンが放つレジストの方が強力なために矢を当てることができないでいた。
「アスラ王国の騎士です。協力したいが如何か?」
エルフ達はアオイとヒスイを一瞥すると、
「レジストを破れない!協力をお願いしたい。」
と答えてきた。エルフの1人が大規模な風魔法を使ってスカイドラゴンの周りに竜巻を作り出した。
「落ちろーー。」
だが、スカイドラゴンのレジストによって竜巻も霧散した。スカイドラゴンは空気の塊を作り出すと風魔法を使ったエルフに放った。すぐにアオイがレジストしてエルフを守る。
ヒスイは地面に魔素を込めるとスカイドラゴンと同じくらいの大きさ5mのゴーレムを作り出した。
「アオイ、見ててください!ゴーレムパンチです!」
ゴーレムが手を向けると肘から先がスカイドラゴンに飛んで行った。ゴーレムの手はレジストを突き破るとスカイドラゴンの羽を破壊した。
「おおー。ヒスイ、すごいな。あー。落ちてくる。」
地面に落ちて来たスカイドラゴンをゴーレムが抑えこんだ。
「今です。トドメを!」
エルフ達は風魔法を矢に込めてスカイドラゴンの頭を射た。頭を射られたスカイドラゴンは一声吠えると動かなくなった。
「偉大なる使い手よ。我々はご助力に感謝します。」
エルフ達はヒスイの前にひざまずいた。
「いえいえ、皆さんご無事で良かったです。」
ヒスイはゴーレムを解呪しながら答えた。
「我々はウオルンの森から来ました。我々は20名の小規模な集落でしたが何百年も幸せに暮らしてきました。でもここ数ヶ月で人間による人攫いにあって半分になりました。」
ヒスイはそっとアオイに耳うちした。
「魔団でしょうか?」
アオイは頷くとエルフに問うた。
「皆さんはこれからどうするのですか?」
「我々は精霊女王に保護を求めに大森林へ行こうとしております。」
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