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34話 スガル平地の戦士


「オンジンさん達、大丈夫?」

「アオイさんもヒスイさんも強いんですね。いや、強いとは思っていたけど、これほどとは。」


 それからオンジンはこそっとアオイに耳うちした。


「アオイさん、D級って嘘ですよね。」


 アオイは曖昧な笑顔を見せ、オンジンの側を離れるとヒスイの隣に座った。


「それ、闇の魔剣だったんですね。」

「うん。」

「3年前にスガル平地で呪いを打ち消した戦士はアオイですね?」

「うん。」

「そうですか…。」

「ヒスイ、私の事を恨んでいるよね?」

「恨む?」

「スガル平地で闇の魔素をヒスイに譲渡したのは私だ。ヒスイに魔大陸の解放を宿命付けたのも私だ。ヒスイには平穏に生きていく選択肢があったはずなのにそれを私は奪った。恨まないはずがないじゃないか!」

「アオイ、2度とそういうことを言わないでください。」


 ヒスイの目からは涙が溢れていた。


「スガル平地で見た光景は美しかった。粒子が乱舞する度に呪いが掻き消えていく。あの戦士は私の憧れだったんです。あの時から私は強くなりたいと思うようになったんです。ただの小娘として生きていく人生をアオイは変えてくれたんだ!!」


 ヒスイは叫ぶように言うと抱えていた膝に頭を埋めた。


「アオイにはたくさんのものを貰ったんです。感謝してます。」


 アオイはヒスイの頭に手を置くと、


「ありがとう、ヒスイ。」


 呟くように言った。


「ぴー。」


 頭上から鳴き声が聞こえ、1匹の電信鳩が舞い降りてきた。

 アオイはその首元に結ばれていた手紙を外して中を開いた。


「王都での襲撃はバールミン領の騎士。魔団の影あり。注意せよ。領都にて情報部に接触のこと。」


 アオイは空を見上げた。


「アマノさん、ちょっと遅いよ!」


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― 新着の感想 ―
[良い点] アオイとヒスイの絆がまた1つ深まりましたね。この場面を読んでいて、つくづく他人の感情、気持ちを決めつけるのは馬鹿げているのかもしれないな、と感じました。恨まれてると思っても、そうとは限りま…
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