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32話 戦闘開始だ!

ヒスイはそおっと隣の部屋の窓の前に移動した。拳大の石を手に取ると魔素を込めて、


「ガラスを割ってごめん。」


 部屋に放り込んだ。石はたちまちミニレムになり、潜んでいた男達を叩きのめした。


「狭いところだと小さいミニレムは動きがよいね。」


 実際に男達は狭い室内で剣も抜けず、ミニレムの素早い動きについていけずにたたきのめされていた。


「下が騒がしくなってきたね。よし、行こうか!」


 アオイは窓を大きく開け放つと飛び出した。その後ろにヒスイが続く。

 


 兵士達は油断していた。監視対象が若く綺麗な2人の少女だったからである。指揮にバールミンのC級騎士が来ていたが兵士達の指揮は上がらなかった。そもそも罪状も不明瞭、少女達が何者なのか?も知らされていなかった。なのにこの人数を動員していた。兵士達の気分としては、


「上の連中はアホなのか?」


 という思いだった。

 だが…、監視対象の部屋の隣が急に騒がしくなる。そこには4人が監視任務についていた。そして、急に窓が開くと少女が2人飛び出してきた。


「…。」


 それは見惚れるほどに素晴らしい身のこなしだった。髪の短い少女が宿の周りに集まっていた兵士の真中に飛び降りると光の刃で瞬く間に3人を薙ぎ払った。もう1人は刀に鉄を纏わせると鞭のようにふるった。その鉄でできた伸縮自在にしなった鞭は4人の兵士の足を薙ぎ払った。


「ヒスイ、走るよ!」


 少女達は一瞬で突破口を開くと駆け出した。


「ミニレム!」


 髪の長い少女の後を小さなゴーレムがちょこちょことついていく。追いかけようとした兵士の1人がミニレムに足を殴られ、うずくまる。兵士達は呆然と走り去る少女達を見送ったが、


「何をしている!追うんだ!!」 


 騎士の号令で我に帰った。兵士達はあたふたと少女達の後を追った。市場の広場の方向へと。

 


「ヒスイ、すごいね。あの鞭みたいなのはどういうの?」

「あれは魔素を浸透させた物質の形を変える技の応用です。魔素を込めた鉄を変化させながらぶつけてます。」

「水の使い手がよくやるよね。水の代わりに鉄か…。ヒスイ、最強だな。」

「いえいえ、アオイにはまだまだ並べてません。」

「ミニレムもよく動いている。かわいいし。」


 アオイはヒスイの後をカチャカチャ走りながらついて来るミニレムを見ながら言った。

 2人は市場の広場に着くと立ち止まり、改めて刀を抜いた。


「おっそいですね。」

「追いかけて来てないのかな?」


 実際には兵士達は2人を追いかけていたのだが、あまりの速さに途中で見失ってしまっていた。

 アオイが待ちくたびれて刀を鞘に戻し、その場に座り込んでしまった。それからしばらくして、やっと兵士の一団が2人を発見した。


「いたぞ!」

(月並みなセリフだな。)


 ヒスイはぼんやりとそんなことを考えていた。

 アオイは、兵士が集まってくるのを待ってから、


「よっこらしょ。」


 と立ち上がると徐ろに魔素を上空へ放った。その光は上空で無数の矢となり、兵士達に降り注いだ。ほとんどの兵士はこの攻撃で身体が痺れて動けなくなった。攻撃の範囲外に居た兵士も戦意を喪失してその場にへたり込んだ。


「指揮官はあなたですか?」


 ヒスイが冷たい声で騎士へ問いかけた。


「何なのだ。貴様らは何だと言うのだ。」

「なぜ、私達を狙う?」

「じ、人身売買に加担した者達が何を言うか!」

「ほう、私達が人身売買?その情報はどこから流れた。答えろ!」

「商隊を装って子供を拐うとは悪逆な!」


 騎士は激昂して剣を構え、風のかまいたちを打ち込んで来た。アオイは風の刃を身体をのけぞらせただけで避けるとそのまま騎士に走りより掌底を顎に叩き込んだ。騎士はそのまま意識を失い、倒れ込んだ。

「ヒスイ、こいつを捕縛して。オンジンさん達が心配だ。」


 ヒスイは騎士を地の魔法で拘束した。


「ヒスイ、行こう!」


 アオイとヒスイはオンジンと別れた宿まで急いで走りだした。

 


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― 新着の感想 ―
[良い点] とんでもないのの、監視を命じられた人達はお気の毒でした。不本意な任務では尚の事ですね。ヒスイとアオイの暴れっぷりが見事なだけに、哀れを催しました(笑)今回もとても面白かったです。
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