97話 スサノ
アオイとヒスイ、マオ、バーダックの4人は第1封印の討伐隊の編成を行っていた。
「姉御、今回は俺達を中心に80名の編成でどうだろう?」
「うーん。今回はα班にお願いしたいな。これから第6、第7の封印の解呪にはダンジョンの攻略が必要なんだけどこれはα班を中心に行う。そのために今回は連携の確認のためにもα班を中心とした編成にしたいんだ。」
バーダックはとても残念そうだった。
「でも第2から第5はβ班に行ってもらうつもりだけど。」
バーダックは首を横に振りながら力無く言った。
「姉御とご一緒したかったので。残念ですが姉御のためとあらばこのバーダック!がんばりますよ!!」
バーダックは命をかけてと言いたかったのだが、命をかけると言う言葉をヒスイが嫌がっていることを知っていたため、控えめな表現で決意を表明した。
「うん、今回は留守をよろしくね。魔団の暗躍も考えられるからくれぐれも油断しないようにね。」
それからアオイは傭兵隊の隊員名簿を広げると皆を見渡した。
「おほん、ゴーレムには大質量の物量攻撃が非常に有効です。敵の位置の探索を風の使い手にやってもらい、有効な位置に地、もしくは水の使い手の大質量攻撃を遠隔からぶつけてもらいます。
その後は騎士団と切り込みますが、これは私とヒスイ、あとはα班を含めて40名の剣術が得意なメンバーで行います。
なので、風の使い手10名、地、もしくは水の使い手を30名、あとは剣術が得意なメンバーを35名、α班とヒスイと私、合計82名。
敵は200体のゴーレム!
バーダック、本当に申し訳ないがミカヅチと一緒にメンバーの選定をお願いできないだろうか。」
「お安いご用です!姉御!」
「うん、出発は10日後!皆んな、準備をよろしくね。」
アオイとヒスイはスサノの部屋にいた。
スサノはダスティスからアオイ達と第1封印の解呪に同行するように言われていた。スサノは強い子である。小さなころから次期、魔国の女王として責任感も感じていた。
魔国の総意である封印の解呪に関われることもスサノにとっては喜ばしいことだった。
しかも同行者が母からずっと聞かされていた『アオイ』である。スサノは小さな頃からアオイに憧れていた。
ダスティス曰く、『美人で明るくて優しく、そして何よりも強い』。そんなアオイと一緒に行動できる。スサノにとって夢のような出来事だった。
「アオイさま、同行を申し出ていただきありがとうございます!」
元気に挨拶するスサノをアオイは押し留めた。
「ちょいちょい。アオイさまはやめようよ。アオイとか、アオイちゃんとか、もっと呼び方あるでしょ?あと、敬語は禁止ね!」
「はい!それでは『アオイちゃん』と呼ぶね!」
素直に答えるスサノをアオイとヒスイは微笑ましく思った。
(アオイちゃんか…。言っちゃったからなぁ。まあ、良いか…。)
「ヒスイちゃんもよろしくね!」
「はい、こちらこそよろしくね。」
アオイとヒスイが驚いたことがある。スサノが持つ魔素量である。
(もしかしたら私よりも多いかもしれない。すごい魔素量だ…。しかもダスティスに似て、魔素のコントロールがたくみだ…。)
同じことをヒスイも感じていた。
(この子は今後の魔国のあり方を一変させるかもしれないな…。)
「スサノは闇魔法は使えるの?」
「そんなに難しいことはできないけど…。」
「よし。それじゃあ、第1封印へ出発するまでの間、私が色々と教えてあげる。」
「やったー。うれしい!アオイちゃんありがと。」
無邪気に喜ぶスサノを見てヒスイは目を細めた。
「ヒスイちゃんも教えてくれるの?」
「え?でも私に教えられることがあるかな…。そうだ!スサノちゃんに魔剣を作ってあげよう!刻印はアオイにしてもらってさ!」
「お、良いね!スサノ、ヒスイの魔素のコントロールはすごいんだよ。」
「本当に?2人に作ってもらった魔剣か…。ああ、すごいんだろうな。うれしいなあ。」
スサノはぴょんぴょんと飛び跳ねて喜んだ。
「まあ、期待しないで待っててよ。」
ヒスイはスサノがまだ小さいこともあり、短めの短刀を作るつもりだった。
「アオイにお願いして、光の刻印で耐久性と切れ味を付与、闇の刻印で重力制御を可能にしてみよう。魔素をコントロールすることで重さを変えられる刀ってどうかな?」
「えーー、私にも作って!!」
「アオイはジンライ様の立派な刀と闇の刀を持っているじゃないですか!虹丸を私にくれるなら考えます。」
スサノはくすくすと笑っていた。
「アオイちゃんとヒスイちゃんって仲良いんだね!」
アオイとヒスイはお互いに顔を見合わせた。
「おうよ!とっても仲良しだぜ!」
スサノは2人の関係がとても好ましく思えた。
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