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プロローグ


 ちょっと変わった男の子の物語です。お楽しみ下さい。


―――――


 俺が、まだ五歳の頃、遊園地で

「お父さん。僕、トイレに行って来る」

「ああ、ここで待っている」


 僕がトイレで用を済ました後、手を洗っていると

「坊や、可愛いね。叔父さんとあそこで楽しい事しようか」

 

 いきなり手を掴まれた。顔を見ると気持ち悪い顔して笑っている。僕の手を掴んでいる男の人の腕を


 ガブリ! 思い切り血が出るまで噛みついた。


 ぎゃーっ!


 怯んだ隙にドアを開けて逃げ出した。


 外で待っていたお父さんにいきなりしがみついて

「お父さん、早くあっちへ行こう」

「あ、ああ」


 その時、腕を押さえながらトイレから出て来た男が、僕を恨めしそうに見ていた。




 僕が小学校に入った頃、近くの公園で遊んでいると

「可愛いお嬢ちゃんだね。叔父さんとあっちで遊ぼうか」


 僕の手をいきなり掴んで来た。僕の手を掴んでいる男の人の腕を


 ガブリ! 思い切り血が出るまで噛みついた。


 ぎゃーっ!


 怯んだ隙に思い切り走って逃げ出した。家に帰って、偶々家に居たお母さんに


「ねえ、お母さん。僕ね、女の子と間違われて、知らない叔父さんが僕の手を掴んだから噛みついて逃げて来た」

「えっ?!分かったわ。もう外に出ちゃ駄目よ」



 お母さんは、お父さんが帰って来ると僕に起こった事を話した。


「むー。困ったな。麗人。一人で外に遊びに行かない事。一人で歩く時は人が多い所を歩きなさい。後、麗人が強くなるようにしてあげる」

「僕が強くなるように?」



 そう言われて、その週末の土曜日、隣町の道場に連れて行かれた。

「師範、実は…」

「確かにな。こんなに可愛い顔をしていれば、さもありなん。分かりました。預かりましょう」


 それ以来、毎週土日の午前中は隣町の道場に通った。もちろん人通りが多い道を通って。始めは僕を珍しい目で見ていた道場の人達も、成長するに従い、普通の目で見る様になった。そしてこの頃から自分を僕から俺に変えた。



 小学校三年の時、教室にいて喋っている時、上級生に呼び出された。三人位いて俺を校舎裏に連れてくると

「ふふっ、可愛い顔して」

「やっちまおうぜ」

「おお」


 まだ、そんなに強くなかったけど、殴られたり蹴られたりを避けながらなんとかしていると

「お前達、何しているんだ!」


 先生が駆けつけてくれた。そして三人を連れて行った。


「君、大丈夫だった?」

「あんた、誰?」

「私、私は東雲雫しののめしずく。宜しくね、早乙女麗人」

「なんで俺の名前を?」

「有名よ。君は」


 それから雫と仲良くなった。



 小学校五年の時、教室に居た俺と雫が上級生三人に校舎裏へ連れて行かれた。教室に残っていた他の生徒は怖がっていた。


「生意気そうに可愛い顔しているじゃないか。お前、その顔で男なんだってな。女の子連れ回していい事しているって言うじゃないか」

「やっちまおおうぜ」

「おお」


 この時には、小学校六年生程度なら簡単に対応出来た。雫に手が出ない様に守りながら、相手をあまり傷つけない様に相手していると

「こらあ、お前達何しているんだ!」


 上級生三人が連れて行かれた。後に男の子が残っていた。

「大丈夫だったか?早乙女麗人」

「ああ、でもお前誰?」

「おれか、俺は小早川健吾こばやかわけんご。お前達が上級生に校舎裏に連れて来られて喧嘩始めたから先生を呼んだ」


 それから健吾とも仲良くなった。



 それから俺達、雫と健吾は毎日一緒に遊ぶようになった。勉強も一緒にした。




「麗人、中学はどこ行くの?」

「近くが良いから、都立馬場中」

「じゃあ、私もそうしよう。家から近いし」

「俺もそうしよう」

「じゃあ、三人で一緒だな」



 中学に入っても俺は女の子と間違われた。

「麗人、益々可愛くなっていくね」

「男っぽくなりたい」

「でも、麗人の両親があれじゃあなあ、あのDNA引き継いだんだから仕方ないだろう」

「それはわかっているけど」



 俺のお父さんは名前を早乙女城太郎さおとめじょうたろうという。結構イケメン。大学の教授をしている。

お母さんは早乙女花蓮さおとめかれん。現役の女優でモデルもしている。お母さんが二十五の時、仕事で知り合ったお父さんに一目ぼれして、親に頼み込んで結婚したらしい。


 お母さんは、その頃とても人気が有ったらしく、マネージャや所属会社が凄く反対したらしいけど、結婚出来ないなら仕事辞めて結婚すると強行したらしい。


 でも結果は、逆でメディアはこぞってお母さんの英断をもてはやして、益々売れる様になったらしい。

 

 それから直ぐに俺が生まれた。とても可愛くてよく女の子と間違えられたらしい。育つにつれ、益々女の子ぽくなった俺は、七五三の時、神社に行ったら女の子は三才と七才ですよと宮司に間違われたくらい。


 それから二年して俺の妹、早乙女美麗さおとめみれいが生まれた。めちゃくちゃ可愛い、こちらは正真正銘の女の子。でも一緒に歩いていると姉妹に見られる。

 言い返しても、そんなの嘘でしょうって言って信じてくれない。仕方なくいつもそのままにしていた。



 そして、三年が経ち、俺は自分でも嫌になる位、女の子っぽくなった。でも体力測定の時、身長百七十六センチ、胸囲百五センチだ。


これだけなら女の子じゃないのに。でもお父さんは百八十二センチあるし、お母さんも百七十センチある。両親ともでかい。妹もでかい。中二だというのにもう百六十五センチある。



 そんな中、健吾と雫と一緒に遊び、一緒に勉強して一緒に塾に行って、無事、三人の家から近い都立星城高校とりつせいじょうこうこうへ入学できた。


―――――


 書き始めは読者様の応援が一番のエネルギーです。

面白そうとか、次も読みたいなと思いましたら、ぜひご評価★★★★★頂けると次話書こうかなって思っています。

宜しくお願いします。



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