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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。

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パニック関連

平和な世の中

作者: よぎそーと
掲載日:2023/07/30

 ぱん、ぱん、ぱん。

 乾いた音が三発。

 鉛の弾が飛び、標的の体に三つの穴があいた。



 拳銃を手にした少年。

 まだ小学生であるこの子は、喜びのあまり涙を流していく。

「やった……!」

 これまでの出来事を思い出して悔しがり。

 それが解消された事で安堵をおぼえる。

 気持ちが晴れたおかげで体も軽くなる。



「良かったな」

 少年によりそってきた男はそう声をかける。

 感動にふるえる少年の肩に手をのせて。

 銃口をまだ死体に向けたまま、少年は「うん!」と頷いた。

 そこには隠しようのない喜びが浮かんでいた。



 少年は常に虐げられていた。

 学校でも家でも居場所がない。

 その元凶と同じクラスの中にいるのは耐えがたい苦痛だった。



 もちろん、親もそんな少年の状況は知らない。

 つらくて苦しい日々を送っていても気付かない。

 さすがに学校に行きたくないとその理由を口にしたこともあった。

 もちろん、無駄に終わる。

 それどころか、友達を悪く言うなとほざく始末。



 もちろん教師の女も同じだ。

 問題は無いと本気で思ってるらしく、訴えた少年をしかった。

 それだけにとどまらず、ホームルームで「少年がこのクラスでいじめられてるといってます」などと暴露。

 それについて周りからの意見を聞き出すなどという暴挙に出る。

 当然、首謀者をはじめとした者達は問題を否定。

 少年を嘘つき呼ばわりして終わった。

 女教師はもちろん、まわりの声を支持する。



 そんな事もあり、少年は誰にも何も期待しなくなった。

 問題を解決するには自分でどうにかするしかないと。

 そうしていきついたのが密造銃だった。



 密造銃。

 社会にひろまってる問題解決手段である。

 救済など決してありえない世の中における、自分を救う唯一の手段だ。

 これが出回ったおかげで、社会から虐待などの問題が大幅に消えた。

 完全に無くなる事はないが、やらかせばすぐに報復がなされる。

 少年が問題の首謀者を殺したように。



 密造銃を手にした少年は、首謀者の少女のところへと向かった。

 家にいるのを確認してから銃を撃つ。

 痛みよりも驚きで目を見開いた首謀者少女は、体から血を流しながら倒れこんだ。



 もちろん、家族も同じように処分していった。

 目撃者を少しでも減らすためだ。

 生かしておいたらどうなるか分からない。

 いずれ発見されるだろうが、今はまだ露見するのをふせいでおきたかった。

 まだやらねばならない事があるのだから。



「それじゃ次に行こう」

 少年に付き添っていた男が促す。

 少年に密造銃と仕返しのやり方を伝えた者だ。

 事を少しでも成功させるために、男は少年に協力していた。



 少年を虐げていたのは、首謀者の少女だけではない。

 話を聞かない親も。

 同調していた同級生も。

 少年を問題児扱いしていた女教師も。

 その全てが敵である。



 これらをまとめて処分するためには、ある程度の作戦が必要だ。

 それを男は伝えていった。

 全員を始末するには、それなりに考えて行動しなくてはならないと。

 そのやり方を考えて少年に伝えていった。



 そんな男に少年は感謝していた。

 銃を渡すだけではなく、やり方まで教えてくれてるのだ。

 生まれて初めて恩人というものを得た。

 尊敬できる大人ともいう。



「でも、いいんですか?」

 次の目標に向かいながら、少年は尋ねる。

「なにがだ?」

「手伝ってもらって」

 助かるのは確かだが、男に利益があるとは思えない。

 それなのに協力して貰えて本当にありがたい。

 だからこそ申し訳ないとも思う。



「気にするな」

 男は少年の頭を撫でる。

「俺がやりたくてやってるんだ」

 それは少年も聞いている。

 男が何を目的に密造銃を作ってるのかを。



 男もかつて不遇をかこっていたという。

 その時の恨み辛みを晴らすために、力を求めた。

 そうして密造銃を量産していく事にした。

 おかげで、恨み辛みを解消する事が出来たという。



 それを自分だけに留めるつもりはなかった。

 同じように苦しんでる者は他にも大勢いる。

 それらに問題を解決する手段を提供する。

 その為に密造銃をばらまいていった。

 時には恨みを晴らす手伝いをしながら。



 今回、少年に付き添ってるのもそうした活動の一環だ。

 たまたま手が空いていたから自らやってきた。

 これまでの経験を惜しみなく使っていった。

 それを男は自分の使命だと思っていた。

 他の誰もやらないから自分がやらねばならないと。



「礼が言いたいなら、見せてくれ。

 お前がやり遂げるところを」

 男はそれを求めていた。

 少年が恨みを晴らし、人生を取り戻す瞬間。

 男が求めてるのはそれだけだった。

「うん」

 少年は頷く。

 男の期待に少しでも応えようと。



 その後も少年は敵に回った全てを殺し尽くしていった。

 教室一つを埋めるガキども。

 その家族。

 その教室を良いようにしていた女教師と家族。

 これらを全て処分していった。



 こうして教室一つが潰滅する。

 問題の発生源は消えさり、あとには平穏が戻ってきた。



 このような事が、国内各地で行われている。

 いや、世界各地でというべきだろう。

 それほど密造銃は出回っている。



 当初は密造銃を規制しようと政府も動いていた。

 しかし、それはすぐに不可能になる。

 密造銃を求める者達が身を守るために反撃に出たからだ。



 既に密造銃は出回ってる。

 善人・悪人の区別なくだ。

 そんな状況で密造銃を取り締まったら、一般人の多くから銃を奪う事になる。

 悪人共の手に残るのは明らかだ。

 対抗手段を無くすだけ、善人や一般人の方が不利になる。



 なので、規制など賛成されるわけがない。

 実行しようとした者達は全員殺された。



 以来、銃は世間に多く出回っている。

 悪用される事もあるが、悪事を働いた者への報復にも使われる。

 場合によっては予防的に使われている。

 日頃の素行の悪い者を殺し、平穏な日々を取り戻す為に。



 裏で糸を引いてる黒幕・首謀者を殺す事もある。

 こういった場合、被害者にしか実態が分からない事がおおい。

 だが、その被害者が密造銃を使って敵を倒していく。

 そうする事で、芋づる式に首謀者に辿り着く事もある。



 こうした動きに反発する者もいる。

 反撃したらそれは悪人と同じだと。

 悪人を守るこうした者達も根絶やしにされていった。

 反撃や予防を悪事ととらえる危険思考だから。



 かくて銃声の絶えない世の中になる。

 しかし、以前よりも平和な世界でもある。

 悪人がのさばる事もなくなってるのだから。



 多少の問題はやむなき事とされている。

 別におかしな事ではない。

 密造銃による反撃が始まるまでも、悪事は野放しにされていたのだから。

 放置されていた暴言・罵倒・挑発・嫌がらせ。

 こういった事が排除されていってるのだ。

 以前に比べれば格段に過ごしやすくなってる。



 人間は暴力でしかいなせない。

 理性など持ち合わせていない。

 せいぜい、利害損得勘定が働くかどうかだ。

 自分が損をすると思えば引っ込む。

 得になると思えばどんな悪事もおかす。



 そんな人間を少しは大人しくさせるのは、突きつけた銃口くらいしかない。

 その銃を、横暴な輩もまっとうな人格者も手にしている。

 互いに銃口を突きつけあう事で、人は平穏と平和を手にする事が出来た。



 そんな世の中は長く続き、その間に数多くの死体が出る。

 だが、不思議とそれはそれで均衡と均整の取れた世の中になっていた。

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以前、こちらのコメント欄で、俺の書いた話を話題にしてくれてたので、覗いてみると良いかも

http://mokotyama.sblo.jp/

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