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半魔族の少女は料理と共に  作者: 秋雨そのは
5章 学校と転生した少女
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75話 前世の友達と私の気持ち

突然過ぎた……

 マリアさんに連れられ、庭園へと歩いていた。


 マリアさんは庭園を見て色々な事を考えている様に見えた。大方、誰が手入れしているのかではないか。

 私は呼ばれた理由を聞きたかったため、マリアさんに聞く。


「あの……なんで、私は呼ばれたんでしょうか?」


「隠さなくてもいいわよ、転生者なんでしょ?」


「え?……あの、失礼ですけど……マリアさんもですか?」


「そうよ」


 分かっていた……とは言えなかった。彼女が本当に私が知っている人かもしれないし。他人かもしれない。私は、この人だったらいいかも……と思い。素を出してみようと思った。

 わざとらしく、声の感じも変えて聞いてみる。


「それで? 貴女は私をどうしたい訳?」


「何も無いわ、気軽に話せる相手にでもなってあげるわ……似た者同士としてね」


「そう、なら少し話しを聞いてもらえない?」


 私は、凄く懐かしく感じた……本当に彼女なのでは無いかと。

 私が死ぬ前に、務めいていた会社……の社長。明るく、どんな事にも子供の様に好奇心を剥き出しにして。会社の中ではあまり、良いように思われては居なかったが。実力がある上に、こんな性格なので喋りやすい人だった。

 名前は……白雪 葵。私の社長でありながら、私の事を隅々まで気にかけてくれた人。どんなに辛いことがあっても笑い飛ばし、色々な面倒事を引き受けてくれるいい人だ。


 私の事は彼女は多分気づいていないだろう。そこの所は疎い彼女だ……誰かに言われるか、私自身が言い出さない限りは気づくことは無い。


 私は自分の事を伏せて置き、これまでやってきた事を簡潔に伝えた。


 すると、マリアさんがいきなり凄い事をいいだした。


「ってことは、好きなの?」


「そ、それは……関係な私があんなメオドール事なんて!」


 動揺してしまった……でも、この気持ちは私のではなく。この体が感じている感情だと言い聞かせるが、どうしてもオーバーな動きになってしまった。

 彼女は溜息を吐いて、照れ隠しだという事に気づいて居ないのかもしれない。この人は恋愛の事になると途端に察しが悪くなるし、鈍感だと周りからも思われてたから。



 会話をしていくと、自然と日本の話になった。

 私は、彼女が本当に白雪 葵なのかを気になるため少しぼやかしてから聞く。


「マリアさんは死ぬ前は……何をしてた?」


「私は普通の会社に務めてたよ、死んじゃったから。社員の人達はどうなったか気になったけど、今はこっちが楽しいから」


 私は少し更に聞こうとした時に、彼女が言った。


「刃音さんがどうなったか気になるな~、知ってる? 私はあの子なら、大丈夫だと思うのだけど」


「……」


 私は何も言い返せなかった、本当に彼女だと。今ではあまり気にしていないようだけど。私は少し涙を流しそうになってしまった。

 でも私はこの場で、流すわけにはいかないので。話題を変えた。


「こっちは箸なくて少し使いづらいよね」


「そうよね! 本当に箸無いんだと思ったわ! 和食なんて全般箸だから作れないし、1人でこっそり作ろうかな~」


 嬉しそうに話す彼女を見る度に、失った時間が戻ったように感じた。笑顔であの後、魔法の事だったり。物があったりなかったりする不便さなどを喋っていた。


――――――――――――――――――


 私は、あの時の事を考えながらお昼を食べていた。マリアさんは先程の魔法の事で色々な人に言い寄られているだろう。私は、庭園にある丸机と一緒にある。丸椅子に座っていた。

 のんびりしていると、人の波に追い出されたのかやつれているテオドールさん……今はメオドールと名乗っている彼がやってきた。


「此処良いかな?」


「えぇ、私だけの場所じゃないですし」


 テオドールさんとは、カルネルさんの捜索の帰りに喋った事で仲良くなった。今では、何故かカルネルさんからライバル視されてしまってセリーナさんに助けを求めたりしたけど。追い返されたりしてしまった。

 私は、今聞くしか無いと思って聞いてみた。


「聞きたいことがあるのですが」


「何かな?」


「昔の事ですけど……、もしかして11歳の頃私の所に来たのは貴方じゃないですか?」


 テオドールさんは一瞬「それは……」と言って誤魔化そうとしたけど、少しの間考え込んでいた。しかし、意を決して私に真剣に向かって言った。


「そう、僕です……貴女を振り回して、倒れさせてしまった」


「……」


 テオドールさんはずっと、後悔していたらしい。メオドールとして私にあってあんな事になって、謝罪どころか会いに行くことすることすら出来なかったという。

 あの後、メオドールが調子に乗って様々な事を起こし。会いに行こうとしても、両親に秘密でその事したため。入れ替わりも出来ず行けなかった。


 そして、後悔とは別に彼女に会いたかったと。テオドールは第一王子であるため、教育は勿論習い事までずっと大人と共にいるため。遊ぶなど以ての外だった。

 しかし、彼女といる時間は子供である事が出来て……人見知りの彼女が自ら勇気を出して私に付いてくる姿は……王子である自分を忘れ、兄である様にいられた。


「そうだったんですね」


「僕は許される資格なんて無いのかもしれない、でもこの事は貴女に言いたかった」


「私も言いたい事があったんです……」


 それは、あの捜索後からテオドールさんと話してから。この中の子と一緒の……気持ちが、私が言いたかった事……それは。


「貴方が好きです、私を部屋から連れ出したその時から」


「……僕でいいのかい? 僕はあんな事をしてしまったのに」


「私にとっては、あんな事では無いです。部屋に篭り、陽の光ですら受けずに……いた私を」


 そう、この気持ちは彼女の物だが。それでも私は自分の中にある気持ちと一緒に伝える。

 最初はこの気持ちからだった……けど、転生してからは違う自分の目で、体で感じて思った。


「今でも覚えてますよ、私を広い世界を見せてくれたこと……そして、人と向き合う勇気をくれたこと」


「僕は何もしてない……ただ、演じるために利用しただけだ」


「それでもです。私はこの気持ちを確かめるために、此処まで頑張ったんです」


 テオドールさんはハッとなり「確か……病気に弱いと言われていたのは」と言っていて、私はそれを肯定して「あの時は、何も出来ませんでした。でも、貴方に会いたいために頑張った」と言った。


「僕のために……」


「そして、貴方に会って街を一緒に回って……更に、その気持ちが強まったんです」


 私は目から何かが垂れてくるが、気にせずテオドールさんに微笑み掛けた。その様子にテオドールさんは目を見開いていた。


「だから、貴方の事が好きです!」


 そう言って、私は目を閉じて。両手胸元に持っていった。これで、断られても。私達は、生きていける……こんな気持ちを抱えたままでは、何時かは潰れてしまうから。

 少しの間、待っていると手に暖かな温もりが触った。それは、誰の手なのか分からない。怖くて目を開けられなかった。

 ふと、握っていた。手で引き寄せられ、抱きしめられた。驚きのあまり目を開くと、テオドールさんが私を抱きしめていた。


「僕だって、貴女に会いたかった。そして変わった貴女と街を歩いて……この気持ちはなんだろうと思った。それを今、貴女に教えてもらった」


「……」


「僕も好きです、付き合ってくれませんか」


 そう言って、私達は口付けをした。

次は、マリアさん視点です!

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