61話 真実の種と行方不明
状況整理が……出来なかった!
誤字修正! ナタリアさんの見た目の説明が53話と異なっていたため修正しました。
私は、オルドさんが入ってきたため席に着いた。
「あ~、まぁなんだマリア……とナタリアお前らに話がある。この後来てくれ」
開幕そんな事を言い始めた。なんか物騒な予感しかしないけど、面倒事じゃないといいな~。
でも、オルドさんは特に面倒事を抱えてるような表情じゃないんだよね。あの人、話しててわかったけどもろに顔に出るから。
「それじゃ、今日の予定は魔法学と……地域学か」
「魔法学と地域学はその時になったら教本を渡す。それだけだ、今日一日何も起こすなよ~」
相変わらず適当だが、教師も大変なんじゃないかな。
そう言って、オルドさんは教室から出ていった。その時、私を見ていたのは来いってことかな。
私は、未だ静かな教室から座っていた椅子を引き、立ち上がってナタリアさんの元に行く。
「ナタリアさん呼ばれているので行きましょう」
「え、えぇ……」
渋々といった感じにナタリアさんは着いてきた。割りと昨日の事で堪えてるのかもしれないわ。
後で励まして、元気になってもらわないと。そう思いつつ、私達は廊下に出た。
出た後、オルドさんが昨日居た空き教室に入った。
それに私達も付いてき。入っていった。
扉を閉めると、オルドさんが溜息付きながら切り出した。
「はぁ……昨日のワンダ先生の事といい、王子の婚約破棄といい面倒事ばっかりだな」
「しょうがないじゃないですか、起こそうとしてる訳じゃ無いですし」
「そ、そうですよ……」
オルドさんは「起きる事はいいのだが、対処がな」と言った。
この人に全部丸投げされてるんじゃないかな、割りと適当で通ってるけど。他の教師の評価低そうだし。
「あ、後ナタリア素を出せ、喋りづらすぎてかなわん」
「え?」
「やっぱり違和感ありますよね~」
何で気づいたの? て感じにナタリアさんはオロオロしていたが、周りに私達しか居ないことを確認したら素の喋り方になった。
普通に喋ると良いのに、脇で見てるこっちは容姿と合わないもの。灰色の瞳と共に長い碧い髪なのに。
「そ、それじゃ……面倒な話どうやって事を進めるかよ」
「うぉ、本当に全然違うな」
「やっぱりその口調が合ってるわ」
色々聞いた話と違う点があるから、整理したいのよね。ケルトさんはそういうの得意そうだしお願いしたいけど。
すると、扉の方からノックと共に。ケルトさんが入ってきた。
「もう来てましたか」
「ケルトさんも呼んだんですね」
「そのほうが良いからな」
私が言うと、オルドさんが答える。ナタリアさんは知らない人じゃなくてホッとしてた。
オルドさんがおもむろに立ち上がり、ポケットから杭を4つ取り出した。
「よし、ついでだ。結界張って音声遮断するか」
オルドさんは空き教室の端、長方形の形の教室を囲むように杭を4つ打った。
特に変化は無い。打ち終わったオルドさんは手のひらと手のひらを合わせ。
「遮断結界」
そう言った瞬間、1個の空間の様に周りの音が全て遮断された。
この人真面目に仕事すれば、凄い人なんじゃない? 薄髭生やして、茶髪のおじさんなのに。
「最近までただの、ロクでなしだったのに」
「酷い、言い様だな。昨日来てたあの2人に教えたの俺だって言うのに」
「ナタルさんとハナさんが……!」
嘘ですよね? 流石にそれは無いよ~。冗談言っている顔には見えないため、素で驚きました。
「まぁそろそろ状況の報告といきましょう」
「時間はあるからな、昼までの授業は俺じゃないし。話も多分紹介くらいだ」
オルドさんはそんな事を言ってた。良いのね……教師の用事の方が大事って事になってるのね。
ケルトさんはみんなを近くに寄せ合わせ、4人で輪を作る形になった。
最初に私が、切り出す。
「最初に、テオドール偽りのメオドールさんがナタリアさんの婚約破棄で良いのよね?」
「え? そうなの?」
「やっぱり……気づいてなかったのね」
その疑問に答えたいけど、後でかな。次にケルトさんが切り出す。
「カルネル・アハ・ノーラさんが、婚約者になるとかでしたよね?」
「それがね……違うのよ。ノーム・ハーネスらしいわ」
「そっちの名前で合ってるはずだ」
ナタリアさんはカルネル・アハ・ノーラになると言ってたけど、あの場に居たのはノーム・ハーネス。この2人調べる必要ありそうね。
オルドさんもその騒動を知ってるのか、肯定してるし。
少し言いづらそうに、オルドさんが呟く。
「カルネル・アハ・ノーラはな、婚約者になるとも言われたんだが。ノーム・ハーネスに嫌がらせしたと責められ、すぐ候補から外れたが……しかも今日、登校してないな」
「登校してないんですか?」
「あぁ、ど~も怪しいが朝手紙を持っていて、そのまま森に入っていったていう。カルネルを見たって奴が居てな」
なんか凄く嫌予感がするけど、従者居るはずじゃない?
その疑問に答えるように、オルドさんが答える。
「あいつは嫌われ者でな、従者にもキツく当たって1人も居ない。取り巻きくらいだろうか」
「森にって事は、危ないわ」
「今日、私が行きましょう。森は危険ですし」
ケルトさんは、少し心配そうな顔したが「僕が付いていけば問題ないですね」と言ってくれた。ナタリアさんも少し心配そうだ。
もしかしたら、彼女は何かに気づいたから……。
「他には居ない生徒……教師は居ませんでした?」
「ワンダはもう解雇だからな……そういえば、地域学の先生が今日居なかったな……って授業どうするんだ?」
「生徒の一大事よ、構ってられないわ」
はぁ……、とオルドさんは溜息付くと「俺から捜索願いを出して、俺と一緒に捜索すると伝えておく」と言ってくれた。
確かに、教師が一緒じゃ無いと、森で何かあった時ただ事じゃないからね。
だが、と付け加えるとケルトさんを見ると。
「お前はダメだ、許可出来るのは1人だけ、従者でもダメだ」
「そ、そんな! 何かあったらどうするんですか!?」
「教師が生徒に負けるかよ、まぁ試験官よりお前は強そうだがな」
軽い情報整理だったのに、行方不明の学生を捜索するって話になっちゃった。
この人、さっきもそうだけど。底が見えないわ。
さてと、とオルドさんはナタリアを見て……呟く。
「お前はどうするんだ?」
「私は……行くわ!」
「そうか、ならケルトも連れていけるな」
ケルトさんが「え?」と言った。
オルドさんはニヤッとして、答えた。うん、この人これが狙いだったのね……意外と計算高い?
「人が守れるのは精々一人だ。お前はマリアを、俺はナタリアを守らなくちゃな」
「なるほど、護衛として行けば問題ないと」
「そういうことだ、護る奴が多いに越したことはない」
貴族のお嬢様が捜索に出て、何かあったら問題になるし。
護るのだって、限界あるものね。
そう決意して、私達は立ち上がる。何が先に待っていようと。
次は、捜索開始とマリアさんと魔物?




