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半魔族の少女は料理と共に  作者: 秋雨そのは
4章 半魔族の少女は学園へ通う
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58話 学校の平凡

話しが途中になってしまいました。次の5章の1話に話は繋がります。

5章では、ナタリアさんの話しがメインです。

最後の文章を多めにカットしました。

脱字修正!

 私は、寮に戻っていた。


 職員室の決定で、明後日からの食事をお願いするということで。今日と明日は作る必要が無くなった。私は部屋に戻り、疲れた様子を見たエンカが首を傾げるが、喋る気力も残っていなかったため。

 大浴場に入り。私は部屋で静かに眠った。



 昨日の出来事が濃すぎるのよね。昨日寮に戻ってからの事、全然覚えてない……。

 今日はどうしましょうか、私は上のベットに寝ているエンカを起こさないように。部屋を後にした。


 寮の広いリビングに向かって歩いていると、男2人の話し声が聞こえた。


「それにしても、今日はどうやって逃げるか?」


「魔法使いながら走り込みすればいいんじゃね?」


「おう、それやってみるか」


 そんな会話が聞こえてきた。リビングの扉を開けると、窓を開け魔法を構える2人の男子生徒がいた。

 魔法を使う自体は、許さているのね。走り込みとか言ってたけど許されるのなら、動き易い格好で普通に走ろうかしら。


 そんな事を思っていると2人は、風の魔法で木を蹴り、天井に登っていった。


「あ、おい! 魔法不安定になってるぞ!」


「ヤベェ落ちる!」


 先に行った1人が、魔法の調整を誤り落ちる。もう1人はそれを支えようとするが、勢い良く落ちくるため巻き込まれてかなりの高さから落下する。

 えっと、なんだっけ……風……クッション?


「エアークッション」


 私は男2人組が落ちる所に、風を発生させて上に上げる程の風で落下速度を弱める。

 2人は何が起きたのか分からず、キョロキョロ見ていた。


「こら~! また、貴方達魔法使ったでしょ!」


「「げっ! 逃げろ~!」」


 男2人はメガネを掛けた女子生徒に追い掛け回されていた。

 なんか思い出すな~、前世で馬鹿やった頃を。使ってるの魔法だから危ないんだけどね。


 見失ったのか、女子生徒が戻ってきた。というかここ女子寮よね? なんで男子生徒居たんだろう?


「ごめんなさいね、騒がしくしてしまって。あの人達、女子寮に男子禁制なのに良く入ってくるし」


「私は問題ないですけど、常習犯なんですか?」


「そうです。あ、私は2年のミネール・ネルバ貴族でも何でもない一般生徒よ」


 彼女は、一般人なんかやっと普通の人に出会えた気がするわ。あのクラス半分以上貴族だし……。

 私は同じように自己紹介する。


「私は1年のマリア・トアネット・カールです。新米貴族なので、敬語とかは要らないですよ」


「あぁ~、寮の料理を担当してくれてる子よね?」


「はい」


 彼女は、寮で出した料理は「店に出しても普通に美味しいわ……むしろこっちの方が美味しいかも」など言ってくれた。

 後、この学園では、貴族と一般ではクラスが別れているらしい。

 1年の一般クラスはもう、2年の一般クラスと話をして、親しい人も居るのだとか。


「それにしても、貴族なのに貴族っぽく無いわね。何処かの国出身?」


「はい、マルズダマ国から」


「え!? また、凄い所から来たわね……」


 やっぱり、みんなそんな反応なのね、あの国が凄い国なのはクラスで散々言われたから。堪えたわ……。

 そういうの気にしない子みたいだし。私は普通に接する。


「何時もこんなに賑やか何ですか?」


「そうね……男子寮は、貴族フロア以外はこんなもんよ?」


「それはそれで面白そうね」


 ミネールは「貴女、本当に貴族?」なんて言われたので「私はお金あるわけじゃないですし平民と同じですよ」と答えた。

 少し、親近感を覚えたのか。ここの寮について色々聞いてみた。


 女子寮は平民と貴族の隔たりが凄く、顔を合わせればいい合いになることもしばしばあるらしい。

 平民が嫌っているわけでなく、貴族のお嬢様が一方的に嫌っているらしいため。私みたいな存在はこっちとしては、嬉しいらしい。

 エンカはこういうことに首を突っ込まないし、しょうがないかな。


「先輩はこれからどうするんですか?」


「ミネールでいいわよ、私は委員長の仕事があるから。この後少ししたら学校に向かうわよ」


「そうなんですね、ミネールさん。朝食はどうするんですか?」


 ミネールさんは「あ」とういう声を上げ、考えていなかったようだ。少し考える仕草をしたが。


「まぁお昼まで、我慢すればいいことだし問題ないでしょ」


「食材はいっぱいありますし、適当な物作りますよ」


「いいの? 私料理なんてしたこと無いから、任せきりになっちゃうけど……」


 私は「問題ないですよ」と答え、大きな冷蔵庫から入っている物を探すが……手間の掛かる。肉だったり魚だったりするため。

 簡単に作れる。前世の定番、トーストを作ることにした。


メンヌギとモーコン(ベーコン)のチーズトースト

パンの上にモーコンを乗せ、薄くスライスしたメンヌギを乗せる。

その上にまたモーコンを乗せて、薄いチーズを乗せ。オーブンでチーズが少し焼けるくらいまで温める。

その後、取り出した後に好みでマヨネーズをかける。


 手軽で料理といえる物ではないけど、時間があまり無いときには簡単に作れて。美味しい。


「簡単なのね、私はちょっとこういうの食べた事無いから分からないけど……美味しそう」


「さ、食べちゃいましょう」


 私たちはトーストを食べながら雑談をする。


「私も少し委員長という仕事が気になるので、見学します」


「いいけど、そんなに面白いものでもないわよ?」


 前世と似ている物だと思うけど、魔法とか色々気になるから。早めに行って、部活みたいな物? あったら見たいし。

 ちょこちょこ、人が通っているので朝練があるのかもしれないし。


「そんなにキラキラした目で、見られると断りにくいじゃない」


「お願いします」


「しょうがないわね、貴族と言わないと約束するなら」


 そっか、平民のクラスに行くことになるんだから、貴族が行ったら何か問題起こりそうだもんね。

 今は見学だし、私は静かにしてようかな。


 ミネールさんは「それと」と付けて足して、私に人差し指を向け立てた。


「あの時は、非常事態だったから許したけど。魔法の使用は基本的に禁止よ? わかった?」


「は~い」


 そう答えると、満足そうに笑顔になり。食べ終わった物を片付け、学園に向かうことにしたのだが……。


 寮の外に出ると、ケルトさんが外で待っていた。


「あ、ケルトさん。おはようです」


「おはようございます」


「マリアさんの従者かしら? おはよう」


 驚いた様子もなく、彼女は淡々と答えた。割りとさっぱりした対応で私はびっくりしたけど。

 このまま、従者と定着されてしまうと困るので、私は弁明するように言った。


「ケルトさんは、平民ですよ。従者っていう立ち位置ですけど……、従者というよりは親しい友人です!」


「そうなの? 構えてそんしたじゃない」


「僕もすぐ弁明出来なくてすみません。マリアさんは友人を作るの上手ですね」


 意外と柔らかい対応に、ミネールさんは少しびっくりしていたけど。咳払いして、私に言った。


「彼氏?」


「なんでそうなるの!?」


 私は、いきなり言われた爆弾発言に顔を赤くした。ケルトさんはまんざらでもなさそう。た、確かに好き……よ? でもまだ早いわよ。


「あ、否定しないってことは……こんなイケメン捕まえてるなんて、意外と小悪魔なのかしら?」


 ミネールさんはからかってくる。少しの間、弄られたが。ケルトさんが「用事があったのでは?」というと忘れていたのか。少し、慌てて切り出す。


「そ、そうだった。学園に行かないとね」


 私達は、学校に向かって歩いていった。

次は、その後の行動について

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