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半魔族の少女は料理と共に  作者: 秋雨そのは
4章 半魔族の少女は学園へ通う
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51話 信頼は金より重い

登場人物増やしすぎたかな……章の最後にまとめて紹介しようかと検討中

 私達は少しのんびりした後、保健室の先生が向かっていった後を追う。

 もちろん、角を隠すのを忘れなかった……。最初行こうとしてケルトさんに指摘されたけど。


「どちらに向かったんでしょうか」


「最初の教室じゃない? 私はそこか職員室くらいしか分からないけど」


 そんな事を話していたら、学校の外の庭園の方から。女性の怒鳴り声と男性の呆れた声が聞こえた。

 とりあえずそこに向かってみるしか無いわね。窓から大人の女性と男性なのは確認出来たから。

 ゆっくりと私達は歩きだす。急いでもしょうがないし。


「そういえば、国王が私の見送りで去り際に何か言ってたのよね」


「なんて言ってたんです?」


「援軍を寄越すって、何のことだか分からなかったけど」


 私の学園生活のんびりしたいから、騒がしくしたくないんだけど……。よく考えたら今も十分騒ぎ起こしてるわね。

 ケルトさんは考える様に唸ったが「今の現状では分かりませんね」と言って、言動を避けた。

 誰が来るのも分からないし、私達は先生達に追いつきましょう。



 外に出て庭園に行くと、2人は言い争っていた。


「貴方は何時もそうよ、金の事になると。どんな事にも手を出すのはやめなさい!」


「お前は俺のおかんか! 俺はお金の為にやるさ、例えあの悪名高い令嬢の命令でもな!」


 何か今興味深い事を言ってたような……私達は、話してる2人に向かって歩く。

 あまり校内で色々暴露するのは不味いんじゃないかな? 私的には色々暴露してもらった方が都合はいいけど。試験だって難しくて出来なかったら、問題だけど。成功すればその分、信頼性が出るからね。


「あ、2人共来たのね」


「はい、私達が来ないと何も進まない気がして」


「お、お前は倒れて、保健室に居たんじゃないのか!」


 えぇ居ましたよ、ケルトさんは渋っていたけど無理して聞きだしたら、この教師の人が何もしなかったって聞いたら。動かずにもいられないでしょ。少し、痛い目に……ってこれじゃどっちが悪役か分からなくなるわね。

 私は男の人の前に立つ。


「貴方は、命令されてやったのでしょう? 悪名高い令嬢様に」


「何故それを!」


「「でかい声で喋ってたら普通聞こえるわよ」」


 保健室の先生とハモってしまったが、そういう事よ。面白い事になりそうだけど、ケルトさんが昨日聞いたっていう、ナタリアって言う人と関係あるのかな?

 情報が少ないからもう少し欲しいけど……。


「貴方を雇った人も大変ね、誰が聞いてるか分からない場所で普通に喋っちゃうなんて」


「くっ! ……あぁいいよ、どうせもう消されるかお役御免にされるだけだ」


 彼は観念したようだ、諦めが良すぎるけど。金で雇った人なんてみんなそんなもんよ?

 雇った人の名前はセリーナ・ヘル・ナタシア。新米貴族でありなあがら、王子のテオドールと登校したのが気に食わないらしい。いつも2年生のカルネル・アハ・ノーラの取り巻き2人の1人らしい。

 セリーナの暴走だと思ったけど、何か訳ありそうね。


 彼ら双子だし、メオドールじゃなかったの!? みたいな感じに。勘違いしてる可能性もあるし。


「オルド……貴方どうせなら彼女と話してみない?」


「セリカ……何を今更、俺はあんな意地悪したやつだぞ! 俺が良くてもそっちが遠慮するだろ」


「私は別に構いませんよ?」


 この男の人はオルドというらしい、保健室を飛び出す時も言ってたわね。保健室の先生はセリカというらしい。

 正直な話、私は前世では職場でも陰湿なイジメあったし、それくらいじゃ私の心は折れないわよ?


「ふんっ! そう言って、仕返しするつもりだろう?」


「う~ん、そうですね……ちょっとここに正座しなさい」


 抵抗するが、私は無理やり座らせる。ケルトさんはそんな私を見て「怒りが溜まってたんですね」と言ってきたが私はきにせず、この人に向かって。

 私は数分程説教した。


 説教終わる時にはしおらしくなっていたが、もうこんな事はしないだろう。でも女子生徒に説教される生徒って、想像しただけで情けないな。


「わ、わかったから! そろそろ教室に戻らないと……」


「逃げようとしても逃しません!」


 と言った感じに、動かさないでずっとしていた。スッキリしたし、後オルドは「こんな女性もありだな」とか言ってたからちょっと、悪寒がしたけど。協力を約束してくれた。

 セリカさんは「また困ったら保健室に来なさい」とか言ってくれたから喜んで雑談しにでも行こうかなと思った。


 オルドさんについていき、教室に着いた。ケルトさんは別の教室だけど、すぐそばだ。

 教室に入った瞬間に人目を気にせず、メルトさんが飛びかかってきた。倒れたと聞いてずっと心配してくれたみたい。

 メイドが横に立って一礼した後「はしたないですよメルト様、平民以下に落ちるつもりですか?」と変わらずの毒舌だった。私はその2人を見て笑っていた。


「こらこら、メイドはあっちの教室だろ。さっさと戻れ」


 私に向かって「それでは失礼します」といって教室を去っていった。ちなみにメルトさんには目も向けてなかった。

 あれも主従の関係で良好だから出来ることなのかな? メルトさんは気にせず、席に案内してくれる。テオドールは少し心配そうな顔をしてたけど大丈夫よ。


「……あのまま早退でもしちゃえばよかったのに」


 うん、居たね。恨みを買った覚えは無いんだけど……。

 金髪の短い髪が特徴の彼女は、恨めしそうにこっちを見ている。ここに来たばっかりの私に何をする気なのかしら?


 私は気にせず机に座った。これじゃ、ゆっくり出来ないわ。

次は、のんびり? 授業風景? ですか?

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