表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
半魔族の少女は料理と共に  作者: 秋雨そのは
4章 半魔族の少女は学園へ通う
49/136

44話 トラブルの予感

マリアさんの強さの片鱗が……

累計ユニーク5000超えました、今日も頑張る( *`ω´)

誤字脱字修正しました

 私たちは、喫茶店に入り。王子のテオドールさんに話を聞いていた。

 テオドールさんは、茶髪を揺らしながら首を振っていた。普通に見れば、爽やか風のイケメンだ。


「なんで泥棒なんてしたんです?」


「あれは、僕のだ……。実はな……」


 双子のテオドールとメオドールは、1国王子で。ここに今日入学の為に来ていたらしい。

 ただ、メオドールは素行、手癖が悪いことで有名で。お金も兄のテオドール持ちだったらしい。


 今回は何故こんな所にいたのかというと、弟に馬車から突き飛ばされ。遅れたのをメオドールにしようとしたらしい。

 そこで、馬鹿な弟がここにお金が欲しいから……テオドールが持たされていた家宝を売ったらしい。


「それって、その懐中時計?」


「え? 知っているんですか? この時計とやらの事を」


 家宝と言われた物は、前世でいう懐中時計だった。壊れているのか時計の針は止まっていた。

 この世界には、時計という物は存在しないようだった。少なくともマルズダマ国で見たことは無かった。


「父がミナトさんという人から譲り受けたものだったらしいです」


「父から……譲り受けたんですね」


 ケルトさんはそう言ったけど、テオドールさんは自分の父からという風に解釈したのか。聞き返してこなかった。

 メオドールさんはお金としか思ってないようだったから。売ったみたいね。


「あ、そういえば自己紹介まだでしたね」


「そういえば……僕も忘れてました」


 私たちは一呼吸置くと。テオドールさんに自己紹介をした。


「私は、マリア・トアネット・カールです」


「僕は、ケルト・シライシです」


「マリアさんにケルトさんですね」



 3人はしばらく喋っていた。学園の時間に間に合うくらいの時間まで、この街並や国のいいところなど聞いていた。


「そろそろですね、場所はそこまでは掛からないようですし。街を出て学園に行きましょう」


「街の外にある道は魔物でて危険ですが、私がマリアさんをお守りします!」


 ケルトさんは、何も言わなかったけど。今回も魔物出ないと思っているらしく。「大丈夫ですよ」と私に向かって小さく言っていた。


 文字通り、街を出て学園を向かう道は至って平凡で。魔物も1匹もうろついていたなかった。

 テオドールさんは、「あれ?」みたいな声を上げていた程。

 学園に着くと、門の前で衛兵が居た。


「身分証の提示をお願いします、また入学となる方は。ステータスを見せ確認をお願いします」


「「「はい」」」


 3人はステータスを見せ、衛兵は頷いて「通れ」と言っていた。


 受付の人に頼み、何処に向かえばいいかを聞き、時間が無いため、私たちは中に入っていった。

 学園の中は、洋風の作りで広い講堂があったり食堂。職員室があるなど、前世の世界とさほど変わるものはなかった。


 魔法実技室と言われる、体育館ほどの大きさの所に人が40人程の人がいた。

 教師の人は、全員来たのを確かめて。


「全員来たようだな、これから実技試験を行う。来てすぐじゃないと不正を行う者いるからな」


「「「「はい!」」」」


 ちなみにケルトさんの様な護衛は、参加しない。護衛を除けば受ける生徒は20人程だ。

 私たちは一番最後に来たので最後だ。


 魔法の実技は、指定された魔法とオリジナル魔法が評価点となる。

 どちらか合格すればいいが、やる努力を見せない人は不合格になるらしい。


 途中で、メオドールさんが居たけど。あまりよくない結果になったらしい。


 次々問題なく進み、テオドールさんと私だけになった。

 私はテオドールさんの試験を見ているとケルトさんが耳打ちしてきた。


「……マリアさんやり過ぎないでくださいよ」


「……どういうこと? 私は指定された魔法以外やらないわよ?」


 私の番になったため、詳しく聞くことが出来なかった。

 紙に書いてあった、指定された魔法はウォータフリーズ。

 あれ? 今まで見たのと難易度が違うような気がするけど……。横をチラリと見ると教師が悪い笑顔で立っていた。

 周りの貴族も私が戸惑っている姿を見て、クスクスという声が聞こえてくる。


「どうした? 早く始めると良い、貴族様だからこれくらい可能だろ?」


 なるほど、試したいというよりは新米貴族だから評価を下げてやろうという魂胆らしい。

 術式と魔法の使い方も書いてある……でもこんな手順必要ないよね?

 割りと説明の他に、連想できそうな要素があったため。それを当てはめる。


「ウォータフリーズ」


 私はちょっと花々しく見えるように、床に魔法陣出し。水を溢れ出し、花のような形をさせて急冷で凍らせる。

 うん、綺麗。ちょっと下の部分が納得いってないけど。魔法陣はハナさんと練習して見える様にだけした。


「これでいいですか?」


「あ、あぁ……次はオリジナルの魔法を頼む」


 教師はまさか出来るとは思ってなかったのか、動揺していた。

 周りの貴族も、何故か呆然として。口を開けている人もいた。「大丈夫? 口開いてるわよ」と言いたくなってしまった。

 そんな教師と貴族達を私は無視し、オリジナルの魔法を考える。


 何か無いかな~、爆発系は嫌いだし。あの3人組が使ってた拳に付ける魔法でもいいかな?

 付与……エンチャント?


「エンチャント風」


 私の両手は、風を纏った。左手で思いっきりウォータフリーズで作った花を壊す。

 氷が粉々に吹き飛び、右手を地面に付け。風の付与効果でバラバラになった、氷の破片は吸い込まれるように形を形成させる。

 作られたものは氷で作られた聖杯の様な形だった。


「これじゃダメでしょうか?」


「……あ、あぁすまない……試験は終了だ! 発表は教室で行うため、案内する」


 私は少し満足げにケルトさんの元に戻っていった。


「マリアさん……やりすぎです」


「マリアさん! なんですかあの魔法は! 見たことも聞いたこともないですよ!」


 テオドールさんはテンション高くなって、私に話しかけていた。

 周りの人もテオドールさんの声に我に返ったのか。私に対して拍手が出来ていた。



 発表は、全員合格、新入生となるため。明日から登校を願われた。

 今日は解散、寮に向かって歩いていった。

 明日は、護衛の騎士候補の試験で。ケルトさんは先程と同じ場所で試験を受けることになる。

 騎士となるため、主も参加となる。


 ケルトさん、テオドールさんは男子寮、私は女子寮に入っていった。

 男子寮と女子寮はほぼ繋がっていて、何か会った時にすぐ駆けつけられるようにだとか。


 中に入ると、エンカがリビングで紅茶を飲みながらくつろいでいた。

 寮内は、また洋風のデザインとなっていて、多くの丸テーブルと椅子が。カフェのように綺麗に配置されていた。


「エンカさん、試験受かったよ~」


「マリアさん! おめでとうございます、まぁ私は心配もしてなかったですけど」


 少しは心配してよ~、落ちたらどうするつもりだったの?

 明日は主の授業に加え、護衛の試験だから大変そう。


 私は、ケルトさんなら受かると思っているし。大丈夫だと思う。


 エンカさんに連れられ、部屋に入った。偶然かは分からないけど、2人1部屋でエンカと同じ部屋になったみたい。

 広く、私の家では考えられない。整い方をしていた。キッチンや冷蔵庫、コンロような物など普通の家庭にあるような物まで揃っていた。


「凄い、私の家とは段違い……」


「マリアさんの家はまず貧民街ですし、普通じゃないです……」


 今日は色々あったから、疲れてお風呂へ入り。部屋に戻ってきたところ女神に話しかけられた。


――マリアさん、あのメオドールとテオドールっていう人何か面倒事抱えてますよ――


 うん、何かあるとは思ったけど。直接的に言われると、納得出来るわね。

 エンカも聞こえてるが、何の話しているかわからない様子だ。


「それじゃあ女神絡み?」


――いえ、他の貴族の中の人に転生者? だと思われる人がいます――


「それ女神絡みじゃない」


――私達、女神が絡まなくてもなるんですよ。その子の事お願いしますよ――


「まず誰よ~」


――その内言います、私も分かってないので――


 はぁ……また、面倒な事が起こりそうな予感するんだけど。

 エンカの不思議そうな顔でユラユラ揺れてるのが今の癒やしだった……。

次は、ケルトさん視点になります。試験と王子です。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ