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半魔族の少女は料理と共に  作者: 秋雨そのは
2章 街の人と王女
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30話 一致団結と貧民の力

今回は、会話を少なめです……。

 私は、土下座した人達をなだめて、頭を上げさせていた。


「私は寝ぼけてただけですし、普通ですよ~」


 ナタルさんは、静かに傍観してるし。


「ナタルさんからも、やめるよう言ってくださいよ」


「それは無理だな、俺よりも上の立場に当たるってことだしな」


 どうしよう……。

 ならちょっと、この貧民街を変えたいな~、と思うけど。


「ナタルさん、命令的な事していいの?」


「可能だが、ついてくるかどうかは、あいつら次第だ」


 それなら、自分で動く分には問題ってことだよね?

 よ~し、貧民っていうけど、変われる可能性はいくらでもあるよね?


「よし、私したいことあるんだけど、みんな聞いてくれる?」


 その場の全員は、私の話しに聞き耳を立てた。



 あの後、みんなで話し合った結果。

 この貧民街を変えるにはどうすればいいかというもの。

 最初は、そんなこと無理だろうという声もあったけど、必死に声を掛け合ってみた。


「貴族の奴らは、俺らを毛ほどにも思っていない。そうじゃなきゃ、こんな場所で生活していない」


 そんな意見もあったが、出来ない事はないと思った。


「なら、その貴族の生活を支えてるのは何? 貴方達1人1人この街の住民が居たからじゃないの? 確かにお金の力はデカい……けど、物を売るのに作るのは誰? 民でしょ? 貴族が作っている姿を見たことある?」


「確かに……、俺らは物を作り、それをお金に変え過ごしてきた。なのにあいつら、貴族が作っている姿を見たか!」


「そうだ、物を作るのは俺らだ!」


「なら、作りましょう。金の無いなら物を作る働きをすればいい、ここで諦めるよりは動いた方が確実にいいから」


 そうだそうだ! という声と共にその場全員が熱気に包まれた。


「お前、こういう事も得意なのか?」


「得意じゃないわよ、ただ何もしないで諦めてる人を見るとほっとけないのよ」


 ナタルさんはふっと笑うと、しょうがないといった感じに前へ出た。

 さっきまで、非協力的だったのに~。


「そういうことだ、お前ら! 貴族なんて目じゃないほど、俺らが作り上にのし上がるぞ!」


「「「「おおぉぉぉ~~!」」」」


 そして、この時私達、貧民街のみんなは一致団結した。


 ここに来る前に、物を作っていた者は作業を。

 商売に精通していた人物は売り込みを。

 お金を稼ぐために、働き手にする者は、商店街に。

 腕っ節の強い者や元冒険者の人は、ギルドで依頼をこなしお金と信頼を得る。


 ナタルさんは、冒険者の依頼の方に付き。

 ゲオールさんは、売り込みを担当したようだ。


 私は、お金を稼ぐために商店街にでていた。


 仕事経験があって、その店の信頼を持っているため。

 そこで可能なら働かせ、他の店舗に私は、仕事しにでる。


「事が一気に進んで疲れた~」


「ほっほっほ、貧民街のみんなを動かすとは、儂もびっくりじゃよ」


 私は、お爺さんの店に来ていた。

 貧民街の女性を連れ、ウェイトレスをさせるためだ。

 お爺さんなら断らないと思ったため、案の定許可がでた。

 心なしか喜んでた。


 疲れた体を癒やすために、カフェオレを飲んでいた。

 店は、貧民街の人も加わったことで噂になったのか、多くの男性客が訪れていた。


「この後は、私が最初に訪れた、店でも仕事入れてもらおうかな」


「頑張りすぎて、倒れぬようにな……体は大事じゃよ」


「は~い」


 そういって私は、店を後にした。


 各店を回っては、劇的な調味料を開発し、仕事をもらい。

 調味料は、塩などはあるが、マヨネーズなど作る物は無かったため。

 作り方を秘密と言って押しているのだ。もちろんバラバラの調味料を。


 そんな事をして、日にちが3日が立ったある日。



 私は、ナタルさんと街を歩いていた。


「お前のお陰で、貧民街のメンツは仕事に付き、みんな生き生きした表情をするようになった」


「私は背中を押しただけですよ」


「それでもだ、ありがとう……」


 それとと言ってナタルさんは一息付く、そろそろなのかな?

 決意のこもった表情と、少し寂しそうな声で。


「そろそろ、エンカさんの場所が割られそうだ」


「そう……、捜索隊出てたもんね……」


 そう、捜索隊が貧民街まで伸びていて。報告を受けていたのだ。

 私も腹をくくらないと!


「パレードまで後4日だ……、今日見つかるように手引した。頼むぞ」


「はい」


 そういって、エンカが待っているアジトに向かうのだった。

次が章最後となります。

次は、2人が……?

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