♡-14:満月の夜~再会と新たな絆
湘南の潮風が心地よく頬を撫でる夜、Cafe Soleilはいつものように温かな灯りを灯していた。
テラスでは、ユウタとアヤが愛娘ソレイユを囲み、満月を見上げていた。
「パパ、見て! 月がとっても綺麗!」
ソレイユの声に、ユウタとアヤは優しい笑みを浮かべた。
「そうだね、ソレイユ。まるでママみたいに綺麗だよ」
ユウタは、アヤの横顔を愛おしそうに見つめながら呟いた。
アヤは、照れくさそうに微笑み返した。
その時、カフェの入り口に人影が見えた。ユイだった。
数年ぶりの再会に、ユウタは驚きながらも、温かいものがこみ上げてきた。
アヤもまた、ユイの成長した姿に目を細めた。
「ユイさん、お久しぶりです」
ユウタが声をかけると、ユイは穏やかな笑みを浮かべて近づいてきた。
「ユウタさん、アヤさん、そしてソレイユちゃん」
ユイは、ウィーンとパリでの修行を経て、見違えるほど洗練されていた。
彼女の瞳には、以前のような迷いはなく、自信に満ち溢れていた。
ユウタは、ユイが新たな夢に向かって歩み始めたことを知り、心から嬉しく思った。
「ユイさん、実は、僕たちのバンドに新しいギタリストが加入したんです。リョウっていうんですけど、彼もユイさんと同じように、過去を乗り越えて、音楽に情熱を燃やしているんです」
ユウタは、リョウのことをユイに紹介した。
リョウは、ユイに深々と頭を下げた。
「ユイさん、初めまして。リョウです。ユウタから、あなたのことをたくさん聞きました」
ユイは、リョウの誠実そうな態度に好感を抱いた。
「リョウさん、こちらこそ初めまして。ユイです」
ユイは、笑顔でリョウに挨拶を返した。
その夜、ユウタたちは、ユイの新しいカフェ「Cafe Lune」を訪れた。
月の光が店内を優しく照らし、落ち着いた雰囲気が漂っていた。
ユイは、自慢のコーヒーと手作りのケーキを振る舞った。
「ユイさん、コーヒーもケーキも本当に美味しいですね」
アヤは、感激した様子でユイに伝えた。
「ありがとうございます。アヤさんの写真も、本当に素敵ですね。いつか、コラボレーションできたら嬉しいです」
ユイは、アヤの才能を認め、心から尊敬の念を抱いていた。
「僕も、ユイさんのカフェでライブをしたいな」
ユウタは、目を輝かせながら提案した。
「それは、素晴らしいアイデアですね!」
リョウも、ユウタの提案に賛同した。
四人は、それぞれの夢を語り合い、未来への希望を分かち合った。
それは、過去を乗り越え、新たな絆を結ぶ、希望に満ちた夜だった。
数ヶ月後、Cafe Soleilで、ユウタたちのバンドのライブが開催された。
満月の夜、ユウタの魂の歌声とリョウのエモーショナルなギターが、Cafe Soleilの空間に響き渡った。
アヤは、ステージ上の二人をカメラに収めながら、心の中で呟いた。
「ユウタさん、リョウさん、最高の音楽をありがとう」
ソレイユは、両親の音楽に合わせ、楽しそうに体を揺らしていた。
その無邪気な笑顔は、まるで月の光のように、人々の心を照らした。
ライブは大盛況で、観客たちは、ユウタたちの音楽に酔いしれた。
アンコールの声が鳴り止まない中、ユウタは、マイクを握りしめ、感謝の言葉を述べた。
「今日は、本当にありがとうございました。
そして、ユイさん…ありがとう。
あなたの存在は、僕にとって、いつも大きな支えでした。
これからも、それぞれの場所で、頑張っていきましょう」
ユウタの言葉に、ユイは涙を浮かべながら、笑顔で頷いた。
二人の間には、もう恋愛感情はなかった。
しかし、互いを尊重し、応援する気持ちは、変わっていなかった。
それは、新たな友情の始まりだった。
湘南の海は、今日も変わらず、優しく三人を見守っていた。
ユウタとアヤ、そしてユイ。
それぞれの場所で、それぞれの幸せを掴んだ三人の物語は、これからも続いていく。
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