♡-13:ソレイユの涙
「ユウタさん、私もまだあなたのことが好きです」
ユイは、震える声で想いを伝えた。
「でも、あなたはアヤさんと結婚するんですよね?」
ユウタは、ユイの言葉に驚きながらも、正直な気持ちを打ち明けた。
「はい、でも、アヤさんに申し訳ないと思いつつも、どうしてもユイさんを諦めきれなくて…」
ユイは、ユウタの言葉を聞き、涙がこぼれ落ちた。
「ユウタさん…」
ユイは、ユウタの胸に顔をうずめた。
ユウタもまた、ユイを強く抱きしめた。
二人は、互いの温もりを感じながら、しばらくの間、何も言わずにそこに立ち尽くした。
ユウタの脳裏には、茅ヶ崎のキャンプ場でユイと初めて出会った夜が蘇っていた。
焚き火のオレンジ色の炎が二人の顔を照らし、波の音とユイの優しい歌声が心を満たしていた。
あの夜、二人はお互いの夢や将来について語り合い、まるで永遠に続くかのような時間を過ごした。
「ユウタさん、私は、あなたを幸せにしたい。でも、アヤさんを傷つけることはできません」
ユイは、顔を上げ、ユウタの目を見つめながら、しっかりと告げた。
「ユイさん…」
ユウタは、ユイの言葉に胸を打たれた。
彼女の優しさ、そして、彼への深い愛情を感じた。
「ユウタさん、アヤさんを幸せにしてあげてください。それが、私の一番の願いです」
ユイは、涙を拭いながら、笑顔を見せた。
ユウタは、ユイの言葉に深く頷いた。
「ユイさん、ありがとう。あなたに出会えて、本当に良かった」
ユウタは、ユイの頬に手を添え、優しくキスをした。
それは、感謝と愛、そして、別れのキスだった。
ユイは、ユウタの腕の中で静かに涙を流した。
しかし、その瞳には、彼への深い愛情と、彼を応援する強い意志が宿っていた。
ユウタの幸せを心から願い、ユイは彼からゆっくりと離れた。
「さようなら、ユウタさん」
ユイは、震える声でそう言い、ゆっくりと歩き始めた。
ユウタは、ユイの後ろ姿を見送りながら、一人海辺へと向かった。
寄せては返す波の音を聞きながら、ユウタはユイとの思い出を振り返っていた。
キャンプファイヤーの夜、共に見た流れ星、そして、今朝のユイの涙。
ユウタの心は、ユイへの愛情とアヤへの責任感の間で激しく揺れ動いていた。
しかし、ユイの笑顔と「アヤさんを幸せにしてあげてください」という言葉が、ユウタの心を決めた。
ユイの幸せを願う気持ちは、ユウタ自身の幸せにもつながると信じたのだ。
後日、アヤは不安げな表情でミサキに相談していた。
「ミサキさん、ユウタさんの様子が変なんです。もしかして、私と結婚するのを迷っているのでしょうか…」
ミサキは、アヤの肩に優しく手を置き、微笑んだ。
「アヤさん、大丈夫よ。ユウタさんは、きっとあなたを愛しているわ。彼には、乗り越えなければならない過去があるのかもしれない。でも、きっと乗り越えて戻ってきます。信じてあげて」
ミサキの言葉は、アヤの心に温かい光を灯した。
ユウタは、アヤを見つけると、アヤの手を握りしめ、まっすぐに彼女の瞳を見つめた。
「アヤ、僕は君を愛している。君と結婚できることを、心から嬉しく思っているよ」
ユウタの言葉に、アヤの瞳から涙が溢れ出した。それは、安堵と喜びの涙だった。
ユウタは、アヤとの未来に向かって、力強く歩みを進めることを決意した。
それは、ユイとの別れを通して、彼が得た新たな決意だった。
数ヶ月後、Cafe Soleilでユウタとアヤの結婚式が行われた。
式には、ミサキはもちろん、ユイの姿もあった。
彼女は、ユウタとアヤの姿を見て、心から二人を祝福した。
そして、ユイは、自分の幸せを見つけるために、新たな一歩を踏み出そうとしていた。
後日、ユウタのもとにユイからの手紙が届いた。
「ユウタさんへ
お元気ですか?
先日は、結婚式への招待、本当にありがとうございました。
素敵な式でしたね。
ユウタさんとアヤさんの幸せそうな姿を見て、私も心から嬉しかったです。
ユウタさん、アヤさんを、どうか幸せにしてあげてください。
私も、自分の幸せを見つけられるように頑張ります。
ユイ」
ユウタは、ユイの手紙を読みながら、彼女の強さと優しさに改めて心を打たれた。
そして、ユイの幸せを心から願い、アヤとの未来を築くことを改めて誓った。
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