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201*年7月
夏の暑さが異常
屋根のあるところから出れば
影は足元にしかなく
日は火の如く、肌を焼き
水分は蒸発レベルで吹き出し消える
頭は理性と本能を制御するが
無理矢理なスケジュール、
独りでこなす無理難題、
昇級、転属、はおざなりに対処される
女上司を掌握する後輩によって
彼女とは音信不通
からの
繋がらなくなった
何と?…
全てとだ…
ー
「は…お、…………い………」
目の前に光がさす
紫と赤と緑のモヤのような光が目の前から晴れ
寝ていたときから目が覚めるように
「はよお、おっきしいやぁ?」
筋肉痛…体がしびれるというより
神経が体と繋がっていないような…
「いや、今きみ、肉体と魂が繋がってないよオ」
なんだか頭の中にふわふわと優しい声が…
「早く起きなさいっ!!」
石と金属がぶつかるような大きな音…
伝わるというより体に響く振動のような揺れ
「やめとき、怖いわぁうちの子ぉは…」
「あなたがしっかりしないからでしょっ、
だから罪人に舐められるんです」
ザイニン?
「ちゃうやろ、この子罪人と…なんちゅぅかちゃんと亡者って呼ばな…怒られるで…ホンマに」
モウジャ?
なまりが強くて聞き取りづらいとかではなく
関西のなまりで、
ほにゃらら「やけど」を火傷と聞き間違えたことはあるが…
「まぁ頭の中で考えるだけでええよ、会話というか、
いいたいことは伝わるから」
どゆこと?
「とどのつまり、ここは…」
「地獄…みたいな笑」
…
????????????????
「この子、やっぱり視覚とか戻してあげたほうがええんとちゃう?」
?
視覚を戻すとは?
「そうですね、もともとの持病のせいもあって、
状況を把握が難しくなってるようですし」
?
持病…
「ほい…」
はっ、と目の前がひらけて見えた
光が刺す、とはこれぞという感じだ
歪んでいる…ような
でも視界が開けて
高級そうな、綺麗な中華じみたような仏閣のような内装
床は大理石、…???
「きみにはここがそんな風に見えてるんやね」
見えるもなにも…
ボヤけるような、歪んでいたような視界がはっきりと
床?にへばりついて…いるというよりふわふわする感覚
これがじご……………、くぅうううううううっ!!?
驚きがようやく頭に追いついてきた
「…はぁ」
吐息の主は切れ長の目で少し怖い
苛立ちや呆れてというより、生まれつきこんな顔のような
「副官くんのことは、そぉんなふうに見えとるんやねぇ…
おもろ」
どうゆうことだ?
顔を上げて正面の声に目を向けると
むちむち、というより
肉付きのいい脚…が着物の裾から太ももごと見えている
つまり足はきょくぶまで丸見え…ノー…
ゴッツツウっ!!!!!!!
側頭部より斜め前ぇええっ
「この方をどなたと心得るっこの方は…」
切れ長の目の男は焦りと怒りどちらとも取れない
だが怖い顔で叱咤してくる
背景にきゅるん!って文字が入りそうな
「エンマみたいな?笑」
…ニッコリと微笑む女性の顔は可愛かった
何歳か分からないが、女神のような天使のような
でもエンマ…って地獄の裁判官?冥界の王だったっけ…
「てへっ!?」
ギャルぅぅぅぅぅううううっ!!!??????
!!?!?!?!
叫びともならない声は鳴り響いている