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騎士の従者の貴族階級  作者: 平生太郎
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諦めよう、答えはない

まじかー、俺転生してんのかー、名前ヤキマヴァレーってなんなんだ?長くないか?前世(ということになるのだろう)、松川大河だぞ?漢字だと4文字だぞ?

と言った感じで現実逃避、アーンド混乱☆をしながら音のした方を眺めていると黄緑色の髪の人と青い髪の人がやや小走りで入ってきた。


「大丈夫?体の調子はどう?」

「大丈夫です。ご心配をお掛けして申し訳ありません。」


自分でも気づかないうちに言葉が出てきたと同時に、「松川大河」に「ヤキマヴァレー」が入った感覚がした。


水がすすぎこまれたようで、水が減ったようにも感じるその感覚は辛くは無い。ただ記憶が入って来て受け止めた感じ。


以前の「自分」が分かる。そうだ、俺はヤキマヴァレー・マイルム。年齢は5歳。伯爵家次男で、性格は何に関してもやや無頓着。好きな食べ物はリンゴ。ああ、僕、いや俺は兄に引っ張られて川で溺れ、意識を失ったのか。あのクソ野郎め。


「無事そうで何よりよ。今、医者を呼んでいるからもう少し待ちなさい。」


そう告げるのは俺の今世の母親、アドリー・マイルム伯爵夫人だ。青い髪に緑色の瞳をしたこの女性はど幼いが整った顔立ちをしている。その隣にいるのがこの家の第二屋敷使用人のルーだ。彼女は有能で、俺が何を言いたいのか大体察してくれる。


起き上がって、辺りを見回すと、自分の部屋ではなく、母屋の客室だった。恐らく、何かあったら母がすぐに駆けつけられるようにだろう。母が傍にあった装飾の少ない椅子に座って、ルーとこの後の段取りを話しているのを横目に俺は今の状況を整理していた。


なぜ俺が転生していて、ヤキマヴァレーになっているのかは分からない。本来いるはずの中身が俺になったのか、それとも元々俺がヤキマヴァレーだったのか。前世の年齢が30というお兄さんからおじさんへの境目にいた俺だが、職業はただの一介のしがないサラリーマン。その分野の専門知識は無い。あるのは経理部で培った書類捌き能力のみ...!!諦めよう、答えはない。


そういえば、今転生しているということは死んだということなのだろうか。そこら辺の記憶が曖昧だな。死因、何だったんだろ。あっ!仕事大丈夫かな。まぁ俺1人がいない事で回らない会社じゃないけど、引き継ぎとかどうなるんだろ。


モンモンとそんな事を考えているうちに医者が来て、俺の体を診察してくれた。川で暴れた時に枝が当たり、かすり傷ができた程度で、体に別状は無いそうだ。よかった。


その後、俺は離れにある自分の部屋に戻るよう言われた。とりあえず部屋で今の状況を整理しよう。



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