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第37話「統一戦争-決着-」

ニタ

『もしかしたら人間はそれ程愚かでもないのかもしれない

病に侵されたもの、迫害されるもの

我が身可愛さに見捨てるものもいるが、自らを犠牲に助けるものもいる』


『争いの発端の全ては我々の意思の相違、価値観の相違が原因かもしれない』


『迫害は無知や愚かな一部の人間がやる事で、

傍観者は助けたいと思う気持ちはあれど

力弱きゆえに抗えないのかもしれぬ』


『中にはイタズラ心で便乗するものもいるだろう、それはもはや病気の域だ…そしてそれを咎めるものもいるのは事実』


『(私はただ、傍観者として

彼らの行動を観察、考察し、そこから愚かだと結論づけたにすぎない、破壊者はいつも何かを見失う

今ある事実だけを見て結果を考えない

人間が滅べば全てが終わる、だが滅んだ後はどうする?私はその先に何を望む?)』


『(私の行いは誤りかもしれない

私は、私達は正しかったのだろうか)』


ニタの思いをよそに勇者は剣を振り下ろし

ニタは顔を切られ、しかし無傷で

両者は激しく打ち合った


外の世界でも激しい攻防が繰り広げられている


激しい戦いの末、勇者の渾身の一撃がニタを捉える


ニタ

『ーーーーッッ』


勇者が地上に降りて見上げると

顔にヒビが入り、半分割れたニタが見下ろしていた


ニタ

『見事だ…勇者よ』


『お前の意思、勇気、力

しかと受け止めた…』


『我もお前の意思に敬意を払うぞ』


『時間だ…』


ニタはそう言うと

ゆっくりと上を見上げた


しばらく様子を見ていた勇者は何かを察し、

急いでニタの元まで走る


ニタは天高く上昇し始めたーーー


ーーー


族長

「ぐっ…!?」


右手に衝撃が走りふと見ると

自身の腕が無くなってることに気づく族長


阿修羅型の神の使いが余裕そうに近づいてくる


族長

「…ちっ」


族長は腕を押さえて静かに身構えたーーー


ーーー壁を蹴りながらニタの後を追う勇者


勇者を妨害するように

神の使い達が一斉に襲いかかる


勇者

「くそっ…!!このっ…!!」


使い達を倒していくとニタの尻尾が徐々に遠のいていく


『勇者ッッ!!立ち止まるなッッ!!』

『勇者よ、辛くなったらいつでも逃げていいのだ』


勇者

「邪魔だァッ」


勇者

「(あともう少しで…、あともう少しなんだ…!!)」


勇者は必死に歯を食いしばり、追いつこうとした


勇者

「届けえええええ!!!」


勇者は走りながら剣を上に立てた


ーーー族長は地面に転がる自身の腕から

剣を抜き取ると、剣先を阿修羅型に向けた


勇者

「はああああああっっ」


族長

「がああああああッッッ」


族長は地面を強く蹴り、阿修羅型に剣をぶつけにいったーーー


しばらくしてあたりは眩い光に包まれた

光の中で大勢の人の声が聞こえた


幾重にも重なった声で何を言ってるのかは

ハッキリと聞き取れなかったが


なんとなくそれは勇者に何かを伝えてるように感じた


天井近くで止まり、静かに目の光を無くしていくニタ


勇者の見つめる先には

ニタの顎に深く突き刺さる剣があった


ニタの体は徐々に崩れ始め、やがて砂のように消えて

そこには何も残らなくなっていたーーー


族長

「うおおおっ…、、お…?」


剣を振り下ろした族長の目の前には既に神の使いは跡形もなく消え去り、兵士の残骸だけが残されていた


「おお…」

「これは…」

「もしや…」


生き延びた兵士達が何かを察し、何人もが呆然と空を眺め始めたーーー



統一戦争-決着-(完)

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