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第35話「統一戦争-決戦-」

森中に戦火の音が激しく響き渡る

「うぉー!!」「せやあああ!!」


城の兵士と各部族達は

神の使い達と衝突し、激しく火花を散らせていた


族長

「ふんっ…!!はっ…!!」


クロメ族の長、クリュウは次々と押し寄せてくる神の使い達を相手に奮闘し、なんとか時間を稼いでいた


兵士

「くっ…ふあっ…!?」


族長

「ふんっ…!!」


切り殺されそうになった兵士を助け

神の使いに剣をぶつける族長


兵士

「く、クリュウ殿…!?」


族長

「…ッッ!?」


族長が必死に剣を抑えていると

神の使いは突然目の色を変えて

背中から2本の腕を生やしだした


危険を感じた族長は咄嗟に後方に避け

様子を眺めた


神の使いは阿修羅のごとく4本の腕を生やし

族長の前に立ちはだかった

その腕にはいずれも鋭く光る剣が握られていた


それは少し前に城で戦った骸骨と同じ姿をしてるように見えた


族長は目を細めて強く剣を握ったーーー



勇者は狭間の世界で神の使いと激しく剣を打ち、戦っていた


赤いローブに身を包んだ神の使いは後方へと押しやられると勇者の背後に回り、杖のような剣で斬りつけようとした


勇者

「くっ…!!」


勇者は咄嗟に剣を盾のように構えて

神の使いの剣を防ぎ、勢いよく弾いた


勇者は少し溜めてから

相手の隙を伺い、剣を振るった


神の使いに斬撃が襲いかかる


神の使い

『!!』


神の使いは咄嗟に勇者の方へ飛び、斬撃を回避するが勇者はそれを待ってたかのように神の使いを睨みつけ、勢いよく剣を振るった


剣先から放たれた斬撃が神の使いの体を切り裂いた


神の使い

『ーーーッッ』


勇者

「……」


神の使いはそのまま地上へと降り、膝からガクッと崩れ落ちそうになりながらも

なんとか堪え、勇者の方を見た


神の使い

『見事だ…勇者よ

少し見ぬうちに成長したな…』


『いいだろう、我が(しもべ)を倒した褒美だ

我の元までくるがいい、最深部でお前を待っているぞ』


神の使いはそう言い残すと

霧のように静かに消滅していき

勇者の目の前には奥行きのある白い空間が広がっていたーーー


ーーー


狭間の外では族長と阿修羅型の神の使いが激しく剣をぶつけ合っていた


族長

「ぐっ…!!」


族長はやや押され気味で後ろへと追いやられていた


他の部族や兵士達も神の使いに押され

劣勢に立たされていたーーー


ーーー


勇者は狭間の奥へと走り、神を探していた


「グルァァァッッ」


「くっ…!!」


行手を阻むかのようにクリアなマモノ達が勇者の前に立ちはだかる


勇者

「仲間達が必死に戦ってる…!!急がないと!!」


勇者は剣を大きく振るい、マモノ達を蹴散らしていく


勇者

「邪魔だっっ!!(待ってろ神!!

全部だ、これで全部終わらせてやる!)」


パタパタと走り奥まで進む勇者

道中、二体の神と戦った場所や聖者の間を経由し


勇者

「くそー!どけ!どけよお前らア!!」


襲いくるマモノ達を蹴散らしながら

やがて勇者は最深部へと到着していたーーー


勇者

「……」


一歩ずつ辺りを見渡しながら歩く勇者

部屋には霧のような白いモヤが全体に広がっていた


しばらくすると奥の方から透き通るように響く声が聞こえてきた


『よくぞここまで辿り着いた勇者』


勇者は咄嗟に剣を構え、その方角を真っ直ぐと見あげた


霧の中から姿を現す黒い影

純白に輝く百足(むかで)のような胴体

口のない蛇のような頭部に赤く光る目


『この姿で会うのは久しぶりだな

魔王討伐以来かーーー』


三大神の一人、ニタがそこにいた


『お前が外の世界で経験を積んでる間

私もいろんなものを見てきた』


『人間は愚かだ、だが全部がそうであるか…』


『ガウスも、カジャも人間を酷く嫌っていたが

勇者よ私は思うのだ、人間には可能性がある

お前達を生かす選択もまたひとつの道ではないか、と…』


勇者は静かに剣を握りしめ、神を鋭く睨んだ


『そうか、もう後戻りはできんな』


『我が名はニタ、三大神の一人にして最後の神

私とお前どちらが正しいか、今こそこの戦いに決着をつけよう』


ニタが襲いかかるーーー



統一戦争-決戦-(完)

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