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第24話「統一戦争-クロメ島-」

クロメ島へ続く海岸に到着した勇者

そこには海に浮かぶ小さな小舟と白装束を身にまとったクロメ族の使いが既に待機していた


勇者

「おまえが……」


クロメ族

「……」


布に隠れて顔はハッキリしないが

その瞳は全面真っ黒に染められており

太陽の光で少し輝く程度の特徴的な目をしていた


クロメ族は勇者にアイコンタクトを送り

船に乗り込むよう無言で指示を出したーーー


船に乗り込んだ勇者はクロメ族がカイで漕ぎ出すのを確認すると海の方を見渡す


勇者

「この向こう側にクロメ島があるんだな……」


勇者は緊張を胸にクロメ島へと渡ったーーー


太陽が雲に隠れた頃、海の向こう側に段々と小さな島が見えてくるのを確認した勇者


島に上陸し、船から降りて辺りを見渡す


勇者の踏む地面には砂

目の前には草木が生い茂り、その先は薄暗くてよく見えない


勇者

「至って普通の島だ……」


勇者がボソリと感想を述べると、後ろにいたクロメ族が勇者の横を素通りし、無言で先へと進んでいった


勇者

「ついて来い……って事なのかな……?」


勇者はそれを島の案内だと受け取り、クロメ族の後を追うようについて行くことにしたーーー


しばらくすると、やがて光のさす広場に到着、前方には2人のクロメ族が静かに佇んでいた


勇者

「……?」


相変わらず白装束に頭巾という出立ちで顔はハッキリしないが、2人は手のひらを森の方へ向けて

勇者を案内するかのような姿勢になった


勇者が少し戸惑っていると1人の白装束が呟いた


「……どうぞ」


クロメ族が初めて口を開いたのを見て

勇者は驚いた顔をする


白装束

「族長がお待ちです、城の者よ……」


船を漕いでいたクロメ族とはここで分かれ、勇者は2人の案内に従い、森の奥へと進んでいったーーー


2人についていくとやがて

四角い石の柱やタイルが点々とある場所に到着


奥にはよく見ると人のようなものが数人いるのが確認できた


四角い囲いの中に数名、左右には人が正座で一列に並び、その中央奥には1人のクロメ族がドッシリとあぐらをかくように四角い石の上に座って勇者の方をジッと睨むように見ていた


案内人が立ち止まり、勇者にどうぞという姿勢で

そこに行くよう指示を出した


勇者

「あれが……族長か……?」


勇者は緊張しつつもゆっくりと

中央にいるクロメ族の元へ歩いた


近くに着くとその容姿に勇者は意外な顔をする


勇者

「(若い……僕くらいか……?)」


そのクロメ族は他と違い、白装束を纏っておらず薄着で容姿がハッキリと視認できた


勇者

「ぼくは……」


クロメ族

「お前が城の者か」


勇者が話し始める前に言葉を被せてくるクロメ族


クロメ族

「文は受け取った、感謝しろ

鳥は返してやったぞ」


勇者

「……?」


クロメ族

「俺はこのクロメ島を治める族長、クリュウだ」


勇者

「(やはりコイツが……)」


勇者が驚いていると族長が鋭い目で勇者の周囲を見渡し、冷淡な声で発する


族長

「お前だけか、文によれば

女王が直接お伺いに来ると聞いていたが?」


勇者はそれを聞いてハッとなり

族長に事情を説明する


勇者

「女王は敵の手にかかり、この世をさってしまった

だから僕が代理でその、協力要請を願いに来たのだ……!」


勇者が辿々しくそう説明すると

族長は「ほう…」と一言、そう呟いた


族長

「俺たちの手を借りたいと、それがお前たちの要望だったな」


勇者

「う、うむ」


族長

「お前はなんだ?城の使いか?」


勇者

「僕は勇者だ!」


族長

「ほう……お前が、文にあった

この世界を救う光の守護者」


勇者

「……?」


聞き慣れない言葉にキョトンとする勇者に

族長は続ける


族長

「神がこの世界を破滅に追いやると……

にわかに信じがたい事ではあるが、いいだろう

お前たちの要件受けてやろう」


勇者はそれを聞いて舞い上がる


勇者

「ほ、本当か!?では早速……!!」


族長

「待て、何を勘違いしている」


勇者

「??」


族長

「手紙に書いてあっただろう

条件を満たすのが前提だ」


勇者

「条件……?」


勇者がポカンとしていると

族長は条件の詳細を話しはじめる


族長

「テストをする、お前たちが俺たちの手を借りるに相応しいか、その実力を見させてもらう」


その要求に勇者はやや戸惑いながら聞き返す


勇者

「いや、あの……どうやって?」


族長

「決闘だ」


勇者

「……!!」


周囲がざわつき始める


族長

「俺と戦い、無事それに勝つことができれば

お前たちの要件を引き受けてやる

ただし、もしも負けた場合、この話は無しだ」


勇者

「っっ…!」


族長

「もっとも、それは結果がよく示してくれるがな」


勇者は族長の話についていけず

しばらく状況整理に頭を使ったーーー


その後、勇者はクロメ族に案内され、木の中にある休憩所に入った


決闘の前にしっかり休めという

族長からの指示だった


休んだ後は決闘場所に案内されると言う手筈


勇者は寝転び、神の動向を心配しながら

その時が来るのを待ったーーー


しばらくして族長に声をかけられて

勇者は流されるまま、彼らに同行した


ーーー族長に案内され崖を歩く勇者

決闘場所へ向かう道中、崖の下からなにやら

複数人のけたたましい声が響き、勇者は「なんだ?」と思わず下を覗き込んだ


マモノ

「「グピュイイイイイッッ!!!!」」


そこには一匹のミミズ状の大きなマモノ相手に複数人で挑むクロメ族達の姿があった


勇者

「これは……」


白装束

「クロメ族伝統マモノ狩りの儀です

島の若い衆は日々狩りをし、戦士として成長するのです」


クロメ族達が剣を使い、マモノの周りを飛び回っている


族長

「人間には物珍しいか、この先が不安になってきた」


族長がため息をしている後ろで勇者は驚く


若いクロメ族の1人がマモノに僅かだが押されていた


勇者

「あいつ、やばいぞ!!」


白装束

「ふむ、彼はもう長くはないですね……」


勇者

「助けなくていいのか!?」


勇者が顔を上げ、引き攣らせながらそう叫ぶと

族長は淡々とした口調で言った


族長

「助ける?なぜだ、奴はあの程度のマモノに苦戦するほど取るに足らん存在だ、生かす価値などない」


勇者はそれを聞いて再び崖の下を覗くと

マモノが大きな口を開けて、そのクロメ族を飲み込もうとしている最中であった


族長

「弱い物は生かす価値などない」


勇者

「くっ……!!」


クロメ族が魔物に食われそうになった時

勇者は我慢が出来なくなり、思わず崖から飛び降りた


勇者

「はぁっっ!!」


マモノ

「グピュッッ…!?」


勇者は剣を抜き、その大きな口目掛けて斬撃を飛ばした


マモノ

「「グピェアッッ……!!」」


族長/白装束

「!!」


マモノは真っ二つになり、その場に崩れ落ちる


マモノを撃退した勇者は若いクロメ族を抱えて

そのまま地面に着地したーーー


勇者

「おい、しっかりしろ!!」


クロメ族

「っっ…!!」


意識が朦朧とする若者に必死に声をかける勇者

その後ろに着地する白装束と族長


族長

「何をしている?」


族長は鋭い視線で勇者を睨みつける


勇者

「すまない……見てられなくて……」


背中を向けながら弁明する勇者


族長

「人間は他の部族の伝統に水を差すのか」


勇者

「……」


すると勇者に抱えられた若者は

勇者に対して僅かな笑みを向けたあと、おもむろに持っていた短剣で自身の胸を突き刺した


勇者

「なっ……!?お、おい!?」


若者は間も無く息をしなくなり

勇者の手の中で力尽きた


族長

「戦士の掟だ、助かった場合は自決するよう教育してある」


族長が険しい口調でそう語ると

残ったクロメ族達が相槌(あいづち)を交わし、同時にどこかへと飛び立った


白装束

「他の獲物を狩りに向かったのです

先程、あなた様がマモノを倒してしまったから

もうここでは狩りはできない……」


唖然とする勇者にそう語る白装束


族長

「二度と俺たちの伝統に干渉するな、人間」


勇者はクロメ族を抱え、狼狽えた顔をしたーーー



崖を越え、真っ直ぐと目的地に向かう勇者


白装束

「族長はクロメ族の頂点に立つお方です」


白装束

「その格闘センスは飛び抜けたものがあり

1000年に一人の天才と島全体が謳歌し

誰もが彼を次期族長だと唱えておりました

族長もそれをご十分に理解しておられ

先代の族長を制し、ついに今の地位にお立ちなされたのです」


勇者

「前の族長はどうなった?」


族長

「死んだ、俺が殺した」


勇者

「!!」


ふと周りを見渡すと、先程の若者を抱えた数人のクロメ族がいるのが見えた


白装束

「遺体を弔いにきたのですな」


勇者

「あれも仲間か……?」


白装束

「いえ、ご遺族でしょう、あの若者の」


勇者

「……」


勇者は歯切れを悪くする


族長

「弱いやつは死に、強い奴が残る

それは昔から決められていた定め」


勇者

「で、でも……何も殺す事は……」


勇者はふと女王に初めて会った時の言葉を思い出していた


〈そなたは確かに神に選ばれし物だ

魔王に対抗できる力を秘めている

だがそれ以外は普通の人間と何も変わらん〉


〈恐怖も感情も苦しみも痛みも、

そして死も平等にあるのだ〉


勇者

「彼らにも痛みはある……恐怖も……」


族長

「愚かな事だ、そんなものに囚われるのは

弱いものだけだ」


その言葉に勇者は胸がざわつくのを感じた


族長

「俺たちの島に弱いやつはいらん」


族長は更に「弱いものは生きてはならない

それがこの島の習わしだ

弱いものなどこの世には必要ない」とも続けた


勇者

「島のみんなはそれを望んでいるのか」


族長

「それは俺が決めることだ

部外者が口出しするな、いつでもお前の要望は取り消すことが出来る、立場を誤るな人間」


その返答に勇者はぐっと歯を噛みしめる


族長

「決闘場はもうすぐだ

人の心配をしてる場合じゃないぞ、人間」


勇者の目の前が陽の光で明るく照らされる


-決闘場-

クロメ族が決闘に使う広間

森の中にぽっかりと広がる緑の地表

その中央に族長は歩いて行き、勇者も白装束の指示に従い、族長の後ろをついていくように歩いた


白装束

「ここは稽古の場や修行の場にもよく使われる場所です」


勇者と族長が向かい合わせで対峙

白装束のクロメ族や、一般のクロメ族達がゾロゾロと集まり、観客として二人を見守る


しばらくの沈黙の後、勇者が静かに問いかける


勇者

「加減なしでいいのか?」


族長

「加減できるならな」


勇者

「殺してもいいのか?」


族長

「殺せるものならな」


互いに冷たい応酬を交わし

周囲にはピリピリとした空気が流れ始めた


勇者

「お前は弱いものは愚かだと言ったな

弱いものは死んでもいいと……」


勇者はゆっくりと剣を抜き、族長に問いかける


勇者

「それがお前達の生き方だとしても

それが島の掟だとしても……」


族長を睨みつける勇者


勇者

「僕はお前のやり方を肯定することは出来ない……!!」


歯を見せて、真剣な顔つきになる勇者に

族長は眉間にシワを寄せて返す


族長

「そんな物は求めていない、お前如きが何をほざこうと俺の耳にはとどかん、聞いて欲しいなら俺と戦い、強さを示せ」


族長

「交渉は対等だからこそ成立する」


互いに剣を構え、両者は戦闘体制に入ったーーー


族長

「……」


勇者

「……!!」


しばらく睨んだあと勇者が先制に出た

土を強く蹴り上げ、族長へ近づき大きく剣を振るう


勇者

「はぁっっ……!!」


族長

「フンッ」


族長は剣を前に出してそれを受け流し

火花を散らせながら後ろへと回避


勇者

「ッッ!!」


勇者は族長の反撃を回避して

二人は剣をぶつけ合う


族長が勇者の振り下ろした剣を回避し

上空へ飛ぶと勇者も空へ高く飛び、族長の元まで追いつき剣を激しく打ち合いながら地上へ落ちていく


二人が落ちた衝撃で地上には土飛沫が舞い、二人の姿は煙の中に見えなくなったが

それら環境を物ともせず激しく打ち合う音だけが煙の中から響き渡り、周りのクロメ族は騒然とその光景を眺めた


勇者

「(なんという身のこなしだ…!!僕の動きについて来れるとは…!!)」


勇者は打ち合いながら族長の強さに内心驚いていた


しばらく打ち合いを続けていると

族長は勇者の攻撃を屈んで避け

空中回し蹴りを放ち、着地したあと続け様に蹴りと拳の連撃を放った


攻撃を受けた勇者は腕でガードしつつも

族長の放った裏拳が腹部を直撃し、後方へ押される


族長は更に追撃し勇者は咄嗟に剣でガードして

剣のせめぎ合いになる


族長

「弱い奴に選択する自由はない

勝利するか朽ち果てるかだ」


「くっ……!!」と勇者は歯を食いしばる


勇者はやっとの思いで族長の剣を弾き

戦闘種族の力に脅威を示す


勇者

「(戦闘種族というのは伊達ではないな……!!)」


一方族長は余裕そうに勇者を挑発


族長

「どうした?人間、その程度か?」


勇者は苦戦する中、ふとあることを考えていた

それは先程の死んだ若者の姿だった


せっかく助けたのに自らの胸に剣を刺し

自決してしまった若者を悔やみ

勇者はスゥッと息を呑んだ後、剣を前へゆっくりと構え、意識を集中させた


勇者

「加減できるかわからないが……!!」


勇者の体からピリピリと少しずつだが稲妻が走る


族長

「!?」


白装束

「姿が変わった……」


服は黄色に変わり、銀髪は黒に染まった

速の石が反応し、勇者は新たな力、雷の力を解放していた


勇者

「フーッ……」


勇者はその場にしっかりとしゃがみ込み

電光石火の如く稲妻を散らせ

族長の元へと一瞬で近づいた


族長

「ッッ!!」


思わず構える族長に対し

勇者は構わず剣を突き出す


剣からは電撃がピリリと流れ、触れてなくても

族長の肌に少量の影響を及ぼした


族長は頬を押さえつつも、剣を構え変わらず勇者に挑む


勇者のスピード、攻撃は稲妻のような速さで

並の人間にはとても見える速度ではなかった


が、族長は勇者の動きに合わせて剣を出し

攻撃を封殺していった


時折勇者の剣は実体がなくなり、勇者はそれを応用して変則的な動きで族長を捉えるも

族長はそれを巧みに回避して反撃の隙を伺う


白装束

「あの族長と互角に渡り合うとは……」


勇者は剣を地面に突き刺し、周りに電流を浴びせた

族長はその前に危険を察知し、その場から回避して無事だった


族長は距離を取り、勇者を睨む


族長

「……ふん」


勇者

「お前は弱いものは愚かだと言ったな

弱いものは死んでもいいと」


勇者は静かに族長に問いかける


勇者

「なぜお前がそれを決める!」


勇者は剣を族長に叩きつける


族長

「俺がこの島を統治する(おさ)だからだ」


族長も全く譲らず、何度も勇者の攻撃をいなす


勇者

「弱いものにだって、選択の自由はあっていいはずだ」


族長

「弱いものが何を決められる?

弱いものが決められるのは

戦うか、死ぬかくらいだ

それ以外の決定は全て強者が請け負う

弱者は黙って強者に従え」


剣を族長に弾かれ後方へ追いやられる勇者


勇者

「くっ……!!たとえ僕が弱かったとしてもお前なんかについていきたくはない……!!」


族長

「フン……」


勇者

「それにお前は強者なんかじゃない……

強者は強さを鼻にかけたりなんかしない!

本当の強者は…本当の強者はな…」


勇者は女王の顔を思い浮かべる


勇者

「たとえこの戦いに勝ったとしても僕はお前のようにはなりたくはない……!!」


族長

「ほざけ」


勇者がスタミナに限界を感じてる中

まだ余裕を見せてる族長にそろそろ勇者も

危機感を抱くようになる


勇者

「なんて奴だ……ここまでやって

まだついてくるとは……本気でやらないとまずい……!!」


族長

「期待はずれだな、それがお前の全力なら

この交渉は、決裂したも同然だ」


「くっ……!!」


地上に降りたあと族長はおもむろに腰を下ろし、両拳を地面につけ、何かの構えを取った


族長

「手土産だ、特別に俺の技を見せてやろう」


その直後、族長の体から黒いオーラが出はじめる


勇者

「ッッ?!」


族長

「部族奥義、黒衣(コクイ)(ソク)!!」


族長はそう叫ぶと地面を強く蹴り、凄まじいスピードで勇者の目の前まで迫り強烈なパンチを繰り出す


勇者

「ぐぉっ!?」


拳に当たった勇者は吹き飛び

一度地面に転ぶも、すぐさま体制を立てて立ち上がる


そこに族長は容赦なく追撃し、勇者にパンチとキックの網羅を浴びせ下から突き上げた蹴りで勇者を空中へと浮かす


浮かされた勇者はなんとかして下にいる族長の方へと視線を向ける


族長

「いくぞ、天翔(テンショウ)!!」


そう叫ぶ族長の両足首には黒い輪っかが出てきて、次の瞬間族長は地面から消え、勇者の間合いに入り頬に軽いパンチをお見舞いする


殴られた勇者は咄嗟に頬を触って、辺りを見渡すと族長が空中を蹴って勇者の周りを縦横無尽に飛び回るのを確認する


勇者

「なんだあれは……!?空中を……蹴っているのか……!?」


族長の技が勇者に炸裂する


族長

(シュウ)(ケン)(シツ)!!」


勇者

「ぐあっ……!!」


蹴り技と拳技が勇者にヒット


族長

「これで仕留める」


族長は勇者の頭上でピタリと止まり

掌底の構えを取る


族長

「くらえ!!黒速降下天翔掌底(コクソクコウカテンショウショウテイ)!!」


族長は勇者目掛けて急降下し、技を浴びせようとする


勇者

「くっ……このままでは……(一か八か、もうコイツを使うしかない……!!)」


勇者はあわてて全身に力を集中させ、神の力を解放し

剣を大きく振りかぶり族長目掛けて斬撃を飛ばした


族長

「ッッ!?」


族長は向かってくる斬撃にとてつもない力を感じ取り、咄嗟に技を中断して体を横へ傾けて回避する


斬撃は族長の頬をかすめて

はるか彼方へ飛んでいき、ある地点で消滅


勇者

「はずし……!?」


族長は目を見開き驚きつつも視線は外さず

再び技を解放し、勇者にとどめの一撃を喰らわす


族長

「ふんっっ!!」


勇者

「ぐあっ……!?」


勇者は族長の攻撃をもろに腹へ喰らい

そのまま地上へ激突し、木々を薙ぎ倒して地面を削りながら彼方へ飛び、大きな木に激突してようやく静止する


地上には大きな土飛沫が覆い

族長は静かに勇者の飛んでいった方向を眺める


折れた木の中でぐったりとして

ピクリとも動かない勇者


族長

「……」


決闘は静かに決着がついたーーー



統一戦争-クロメ島-(完)

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