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魔法と電脳の二重奏  作者: キューリ
ファイル「1」
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『7』一方、その頃…


同時刻…日野森町から離れた先の森に囲まれた場所に立てられた小さな工業施設。


実はここがセキュリティアの基地。


工業施設らしい外見はカモフラージュである。


変わってここは作戦指令室。


沢山の器機や壁を敷き詰める複数のディスプレイ。


それを操作する3人の女性オペレーター。


そんな中、大型スクリーンに映し出された日向半島のマップで、右上のエリアに赤いシンボルが点滅し始めた。



「副指令、月村町より緊急要請が来ました」



赤いシンボルに気付いた一人の女性オペレーターが副指令と呼ぶ中年の男性に報告する。



「緊急要請だと?月村町で何が…オペレーター1、繋いでくれ」

「はい。月村町本所に繋げます」



副指令の指示にオペレーター1は器機のタッチスクリーンを操作し、月村町への通信を繋げた。



「こちら月村町!ただいま周辺で複数の誘拐が発生!」



目撃者からの複数の場所で起きた誘拐…ただの誘拐じゃない事を思った副指令。



「状況は?」

「複数のパトカーが追跡に向かいましたが、2本足で走る狼達に襲われたという報告が来ました…トラックの方は見失ってしまいました。レーダーから消えたようで…」

「2本足で走る狼?まさか…」



オペレーター1が2本足で走る狼について



「その狼はまだ町にいるんですか?」

「はい。全市民には外に出ないようテレビや町内放送で伝え、我々警察の方で対応しておりますが、全く歯が立ちません…!」

「副指令、現在月村町には、滞在するアルケミストは二人だけです。現れた敵の数も多く、このままだと被害の拡大は免れません」



もう一人のオペレーターが副指令に話す。


セキュリティアは大きな組織ではないため、戦闘隊員も多くはない。


また、月村町は事件が起きた前例が無かったためか、月村町には最小限のアルケミストしか滞在していない。



「すぐに援軍をそちらに派遣する。それまで持ちこたえてくれ。極力その狼との接触は控えろ」

「わかりました。頼みます!」



副指令から救援を送ると聞いた警官の男は通話を切る。


今回の事件について副指令はこの状況を見て確信した。



「副指令、これは…!」

「ああ。誘拐した犯人はデバックの連中だ。狙いは恐らく戦力の増強だろう」

「戦力の増強?」

「レーダーからトラックの反応が消えた場所…恐らく磁場が発生してると考えれる」

「ですが、この設備の端末では磁場を見つけることは…」

「磁場が発生してるならその辺りの風に乱れがあるはずだ」

「!なるほど!それなら特定出来ます」



すぐさまオペレーター1が端末のキーボードを使って風の乱れを調べている。



「更に推測だが、そこから敵の基地に繋がってるはずだ。月村町の怪人も放ってはおけないが、こっちをほっとくと大変な事になる。オペレーター1、風の乱れを調べ…」

「もう特定できました!」

「は、早いな…」



いつの間にかオペレーター1が消えたトラックの場所を特定していた。



「で、場所は?」

「はい。暁丘周辺から広範囲の風の乱れがありました。磁場を発生してるのはこの場所です」



磁場が出ている場所がスクリーンの地図に表示された。



「よし。アルケミスト1にその位置に向かい、磁場の解除、及び誘拐された市民の救出に向かわせるよう伝えてくれ。彼のいる場所なら近い。アルケミスト4、アルケミスト7、アルケミスト10は月村町の方へ行き、怪人の駆除に向かわせるよう伝えてくれ」

「了解しました。直ちにアルケミスト1、4、7、10に連絡いたします」



オペレート1と呼ばれた女性が器機に付いたマイクを持って連絡をかける。



「オペレート1よりアルケミスト1へ、オペレート1よりアルケミスト1へ…」



オペレート1が現場から近いアルケミスト1に連絡をしている中、副指令はため息を付く。



「全く…この状況なのに総司令は一体何処へ…」




変わってリオを乗せたトラックはとあるアパートに到着した。


見た限り壁は木造で白のペンキが塗られ、屋根は他の家でよくある三角屋根となっており、赤のペンキが塗られている。


鉄製の階段も付いており、横には白雲堂の名前が付いた看板が飾っていた。


玄関は二階で、一階には鉄骨とコンクリートで出来たシャッターの付いた車庫となっている。


部屋は201.202.203.204.205.206と、6部屋もある。


リオと運転手はトラックから降りた。


リオが持っている鍵のタグには、201と油性マーカーで書かれていた。



「ここが白雲堂しらくもどうか…」



中々良い外見なのか、リオは見とれてしまう。



「なかなかいいだろう?新築だそうだ。中は1LDKと中々広いぞ。下は車庫だが、倉庫として使えるぞ」



運転手がリオに白雲堂に付いて説明していた。



「中、見てみるか?」

「はい。家具を置く場所を予め決めたいので」



と言う話で、二人はアパートの階段に上がり、201号室の玄関を鍵で開けて中に入った。



部屋に入ると、真っ先に見たのがフローリングの廊下。


右のドアはトイレ、左は洗面所と風呂場になっている。


廊下の先は広いリビングで、その先は洗濯物を干せるスペースがある広めのベランダになっており、リビングの左側は収納棚が付いたダイニングキッチンと冷蔵庫が設置されている。


リビングの後ろにはクローゼットも用意されている。


右の壁には壁に立て掛けた薄型テレビが、天井にはエアコンが取り付けられていた。



「最初から必要な家具が揃ってますね」

「不自由のない暮らしをさせたいというここを建てた人の思い入れがあるからな。一人暮らしには最適な環境だ」



間取りを確認した所で、リオと運転手はトラックから荷物を運び始める。


と言っても、衣類、本、家具等の生活用品が入ったダンボールを約10個程運ぶだけだった。


洗剤、食材等は後で買えば問題ない。


この周辺には、徒歩2分で着くショッピングセンターやコンビニ等があるため、必要な物は簡単に揃えられる。



全てのダンボールを運び終え、リオは運転手にお礼を言う。



「ありがとうございます」

「いいって。それよりも、なるべく遠くに行くんじゃないぞ。特に暁公園には気を付けるんだぞ」

「えっ?」

「暁公園は広い上に、暁丘にもっとも近い場所なんだ。そして暁丘は現在セキュリティアとデバックが戦っている戦場になっている」



運転手が暁公園は危険だってことをリオに伝える。



「だがあの公園は一部の所しか閉鎖していない。流石に用はないかもしれないが、行くならくれぐれも気を付けていけよ。じゃあそろそろ行くから」



そう言って、運転手は部屋を出た。



「ありがとうございました」



リオは出ていく運転手に首を縦に振り、お礼を言った。



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