表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔法と電脳の二重奏  作者: キューリ
ファイル「1」
4/46

『3』アルケミスト

あかつき



日野森町と月村町の間を区切る山脈で一つ一つの山の標高が高く、地形も複雑になっており、人が簡単に行き来出来る場所ではない。


唯一横断できるトンネルはあるものの、そこは貨物列車専用の通路のみとなっている。


これは、運搬列車が月村町で捕れた魚介類等を日野森町へ運ぶためであり、海がない地域の日野森町なら尚更である。


しかし、日野森町からの非常事態宣言により封鎖され、今は貨物列車すら走っていない。


しかし封鎖された理由はそれだけではなかった…


なぜなら…ここは今、戦場と化していたのだ。



暁丘内部にある森林地帯……


霧がとても濃く、朝方でも視界が悪いこの場所では、異形の生物が多数潜んでいた。


三体は人間と同じように歩く160センチ位の身長の人間に近い体格の狼…


もう一体は全長1メートルもある巨大な鳥…


残りの二匹は全身鉄の鱗の灰色の巨大ネズミ


それらが群れをなして周りをキョロキョロしながら森の中を歩いていた。


まるで獲物を探して、狩るかのように…


そこへ、緑の迷彩服を着た男性の兵隊が6人駆け付けた。


全員体には防弾チョッキを着ている。


異形の生物達を目で確認すると、兵隊達は横一列に並び、一斉に右手に握っていたアサルトライフルを異形の生物達に向けて構え、狙いを定めたまま無数の弾丸を発射した。


しかし無数の弾丸は異形の生物達にほとんど命中したにも関わらず、全て弾き返された。


攻撃してきた兵隊達を敵と見なしたのか、異形の生物達は兵隊達に向かって襲いかかってきた


兵隊達は怯まずアサルトライフルを構えたまま弾を撃ち続ける。


しかし先陣を切った人間に近い狼3体が弾を避けていき、兵隊達の至近距離に入った瞬間…人型の狼は両手から伸びる鋭い爪でまず中央の二人を切り裂く。


切り裂かれた兵隊の二人は悲鳴を上げ、倒れた。


暑さ4センチの防弾チョッキはバターのように綺麗に裂かれ、肉体まで届いていたためか、血がにじみ出ている。


怯えたのか、右端の兵隊二人はアサルトライフルを構えたまま撃たなかった。


それに気付いた左端の二人の兵隊はこっちに目を向けるようアサルトライフルを構えるが…


上空から落下してきた巨大な鳥が両足で左端の兵隊達を押し潰した。


更に二匹の大ネズミが右端の兵隊達をしっぽでなぎ倒す。


しっぽでなぎ倒されたとはいえ、その衝撃はまるでオートバイにぶつかった時と同じ力を持っていた為、やられた3人の兵隊達も直ぐには起き上がれない。


巨大な鳥の押し潰しにやられた二人は足の骨が折れてるのか動けない。


防弾チョッキを切られ、体に傷を負った兵隊の一人は痛みを我慢し、立ち上がろうとするが…


顔を上げると、人型の狼の一体が再び右手を振り上げていた。


しかしそこへ、光の弾丸が兵隊の頭の横を通り、振り上げていた人型の狼の右手に直撃し、腕だけがもがれて遠くへ飛んでいった。


人型の狼は腕がもがれた所をもう片方の手で支え、痛みのあまり叫びつつ、後退し始めた。



「あ…あの攻撃は、まさか…!」



兵隊が先程飛んだ光の弾丸に覚えがあり、驚いていた。


とそこへ、全身を黒いウロコで覆った強化スーツを纏った人が駆け付けてきた。


そのスーツの体格からは男性であることがわかる。


頭のヘルメットも黒いウロコで覆われており、顔の部分はフルフェイス型のバイザーになっている。


こちらからが中の顔が見えない位の黒いバイザーが傷ついている兵隊の一人を見る。



「すまない、遅くなった。皆は後退して怪我の治療を。この場は俺に任せてくれ」



強化スーツの人から若い男性の声が響き、爪痕が残った兵隊の一人に遅れた事を話し、皆に逃げるよう伝える。



「ひ、一人でですか!?」

「クリーチャーに近代兵器は通用しない…対抗できるのは今の所俺だけだ。さあ早く!」

「は、はい!」



強化スーツの人の指示を受け、動ける兵隊は一足先にこの場を離脱した。


倒れて動けない兵隊達も応援に駆け付けた兵隊達に運ばれていった。



この場に残ったのは強化スーツの人と6体の異形の生物のみ…



「ウェアウルフ三体とビックマウス二匹、そしてレッサーイーグルが二羽か…デバックの奴…今回は多く戦力を出してきたな」



その場にいる敵達を見てデバックという名の何かの仕業だと考える強化スーツの人。



「さて、掃除の時間だ…!」



そう言いながら強化スーツの人は左足を先に出し、右腕を前に伸ばすと、腕の甲の装甲が2つに別れ、中から二本の筒が出てきた。


そして強化スーツの人はその腕をまず腕をもがれた人型の狼…ウェアウルフの一体に向け、構えた。


すると二本の筒から先程ウェアウルフの腕を撃ち飛ばした光の弾丸が2つ発射され、ウェアウルフの体を撃ち抜いた。


断末魔と共に撃ち抜かれたウェアウルフはそのままデータ化され、消滅していった。



「まずは一体…!」



仲間が倒されたのか、強く吠えながら強化スーツの人に向かっていく二体のウェアウルフ。


しかし強化スーツの人が先にウェアウルフの至近距離まで接近し、右腕の二本の筒から伸びる長さ60センチのビームの刃で一体のウェアウルフの体を貫く。


刃…というよりはつまようじに似てなくもない。


更にその刃を抜き、もう一体のウェアウルフを切り裂く。


この二体のウェアウルフもデータ化され、消滅した。



「三体目…!」



そこへ、目の前にレッサーイーグルと呼んだ巨大な鳥が現れ、息を吸い込んだ後、口から超音波を放った。


対し強化スーツの人は左手を前につき、光の膜を作り出した。


その膜は次第に強化スーツの人を覆うことなく直径1メートルの巨大なレンズへと形をなした。


向かってくる超音波を巨大なレンズは受け止め、弾き返す。


弾き返された超音波は続けて襲いかかってきた2匹のビックマウスに直撃する。


超音波を受けた2匹のビックマウスはそのままコテンと横に倒れた。


そこへ強化スーツの人が再びビームの刃を展開し、倒れた2匹のビックマウスを素通りし、目の前のレッサーイーグルに斬りかかろうとしていた。


強化スーツの人に気付き、もう一度超音波を放とうとするが…


既に展開されたビームの刃はレッサーイーグルの腹を貫いていた


貫かれたレッサーイーグル低めの鳴き声と共に消滅した。


残った2匹のビックマウスも、発射された光の弾丸によって消滅した


周りに敵がいない事を確認すると強化スーツの人は腕から出でいる二本の筒を装甲の中に戻し、左腕に付いた小型モニターを右手で操作し、連絡をとる。



「こちらアルケミスト1…エリアDに現れたクリーチャーを殲滅。駆け付けた6名が重症。至急医療班の手配を頼む」



するとモニターから白のタイトスカートとスーツを着た栗色のセミロングの女性の姿が映し出された


年齢は20代前半…例えるなら大人の女性である。



「こちらオペレート1。アルケミスト1からの要請を承認しました。15分後に目的地に到着しますのでアルケミスト1は次の指示が来るまで待機してください」

「アルケミスト1、了解した。負傷した兵隊達の応急措置をした後、敵の奇襲に備え、周囲の警戒を行う」



と、オペレーターの女性からの指示に従い、アルケミスト1と呼ばれた強化スーツの人は怪我を負った兵隊達の応急措置を行った後、警戒をすることをオペレーターに伝える。



「………敵の反応は今のところないから、今のうちに気を休めたらどう?」



急にオペレーターの女性がアルケミスト1に砕けたしゃべり方をし始めた。



「そうはいかないさ。万が一、空からの奇襲を考えればまだ油断は出来ないからな」



砕けたしゃべり方をするオペレーターに対し、アルケミスト1もオペレーターに対し普通に喋り返す。



「カクらしいね。仲間の事を第一に考える所が」

「そう言うチサトもな。何かあったら伝えてくれ」

「ふふっ、了解」



強化スーツの人…アルケミスト1をカクと呼ぶチサトと呼ばれたオペレーターは通信を切る。



「さて、任務再会だ」



彼、神埼かんざき かくは気持ちを切り替え、倒れた兵隊達の応急措置を行い始める。


次からクレハ達の視点に戻ります。

バトル?な展開がありますのでお楽しみください。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ