「36」もう一体のフォトニックギア
空間内の奥のリングにてイフリートに乗る赤城と遭遇したスズナとルカ。
「ここが貴方の戦いの場ですの?」
「そうだ。電脳空間はこんなこともできるのだ。どうたここは、イフリートのカラーに合わせたがどうかな?」
「正にボスの場ってところですわね」
周りを見ると、商店街内の道路にしては倍近く広い。
恐らく商店街の外で間違いないだろう。
後ろを見ると、スズナ、ルカが出てきた道とは別の通路があった。
クレハ、リオ、アンドレアはまだ来ていないようだ。
「どうする?」
「あの機体についてまだ把握し切れていない以上、このまま戦うよりも、フローリアン達と合流した方が先決ですわ」
「そうね。敵に背を向けるのは気が引けるけど、ここは一旦引き返して…」
「おっと、言い忘れてたが、後ろの通路は一方通行でな。戻ることは出来ないようになっている」
「何!?」
「お前達の事だから仲間と合流するつもりだろう」
出鼻をくじかれ、こちらの考えがバレたスズナとルカ。
後ろを見ると、スズナとルカが来た道が何も無かったかのように無くなっていた。
「来た道が無くなってますわね…」
「エレクトロ、こうなったら…」
「ええ。連絡が付けない以上、腹をくぐるしかありませんわね」
キメラと同等の性能を持つフォトニックギア部署に対抗できる魔法少女の2人。
しかしセキュリティア所属のアルケミスト達と比べると、戦闘経験は浅い。
このまま戦うのは少々厳しいが、クレハ達と合流出来ない以上、ここは戦うしか他に選択肢はない。
2人はイフリートを前に武器を構える。
「早まるな。お前達の仲間もそろそろ来るはずだ」
「え?」
もう一つの通路が現れ、そこからクレハ、リオ、アンドレアが走ってやって来た。
「雪月花、エレクトロ!」
「フローリアン、リオ君、アンドレアさんも」
「ここが終点のようだな」
「2人とも無事みたいだね」
「そっちも無事でなによりね」
クレハ達の無事に安心するスズナとルカ。
が、気を抜くのはまだ早い。
特にルカが疑問を感じていた。
「赤城さん…と、おっしゃいましましたわね。何故こちらの仲間が来るまでの間に攻撃をしてきませんでしたの?その間にこちらの戦力を削ることは出来ましたのに…」
「エレクトロ、考えるのは後よ。全員集合したところでそろそろあの機体を相手にするわよ!」
スズナがルカの模索を止めて、攻撃を開始するよう呼び掛ける。
仲間が揃った事で戦力面に不安は無くなった。
相手の機体…イフリートについてどんな攻撃をしてくるのかはまだ分からないが、5対1ならある程度の対処は可能なので問題ない。
みんながそう思った矢先、赤城はこの状況を覆す事を言ってきた。
「こちらもそろそろ戦いたいが…流石に5人相手だとこちらが不利だな。加賀!」
「はい!」
と、やって来たのは加賀だった。
「クリーチャーでも呼び出すのですの? いくら出してもワタクシ達の敵ではありませんわよ?」
「勘違いしてるようだな…クリーチャーを出すとは言っていないぞ?」
「え?」
「…………………まさか…!」
リオは赤城の言ってる意味を理解した。
「そこの少年は感づいているようだな。加賀!」
赤城の呼び掛けに、加賀がイフリートの後ろから現れた。
そしてその右手には赤城が持っていたスマホ型の端末があった。
色が青1色なところを除けば、赤城の物と一緒である。
「あの端末は…!」
「創造!」
加賀がキーとなるワードを口にすると、端末から光が放たれ、加賀を包み込んだ。
しばらくして光が晴れると、鳥のような大きな鉄の翼を持った巨大な機械の鳥が姿を現した。
カラーリングは青1色で、後ろには操縦席があり、加賀が乗っていた。
「青い…鉄の鳥…!!」
「も、もう一体の…」
「フォトニックギアだと…!?」
クレハ、リオとアンドレアが驚く中、スズナとルカは言葉が出ないほど2体目のフォトニックギアを前に驚愕する。
「これが私のフォトニックギア…ガルーダだ!」
赤城と違い、少々堅苦しいところがたまたま出てくる加賀がガルーダの姿を披露する。
キメラ級のスペックを持つフォトニックギアが2体となれば、戦力は相手が有利に
「さて、戦力面としてはこれで十分だろう。行くぞ、アルケミスト達、魔法少女共!」
準備が整ったところで、2体のフォトニックギアがこちらに向かって襲いかかってきた。




