「27」リオの手料理
「リオ君お邪魔するね?」
「お邪魔します」
「お邪魔しますわ」
前のクレハがドアを開けると、リオが迎えていた。
「いらっしゃい皆。もう出来てるよ」
そのリオの後ろにはシンプルな畳柄のカーペットが敷かれており、その中央には正方形の木のテーブルがあった。
そしてそのテーブルには4人分の丼と箸がそれぞれ置かれていた。
3人は丼の中ご気になり、丼の中を覗き込んだ。
「こ…これは…!」
「眩しい…!」
「輝いてますわ…!」
3人は驚きを隠せなかった。
丼に入ってるのはかけうどんだった。
いや、かけうどんにしてはダシが黄金色に光っていた。
麺はツヤがよく、形が綺麗で、具材は刻んだ長ネギと、1枚の油揚げ。
なのに、この丼から発する光はこの料理をワンランク上の料理に見せてくる。
「リオ君、これはいったい…」
「かけうどんだよ。材料あまり買わなかったからこれぐらいしか出来なかったけど…」
「いやいや、これぐらいがここまで輝くはずないでしょ!」
「ホントだよ。ネギと油揚げ、小麦粉と調味料一式、後は丁度セールで売っていたねこぶだしだけど…」
「セールで売ってたの!?」
「なるほど、この輝きはねこぶだしによるものでしたわね…」
ダシにねこぶだしを使っていた事に納得するルカ。
と、クレハはうどんに気付く。
「うどんは一から作ったの?」
「そうだよ。一般のかけうどんを作ったはずなんだけど…」
「それにしてはしっかり作り込んでるんですけど…」
「皆、話してたら冷めてしまうので、そろそろ食べましょう」
「そうだね」
という事で、リオとクレハ、スズナとルカ、二組でテーブルを左右で囲むように座った。
箸を持ち、両手を合わせ……
「「「「いただきます!」」」」
4人はかけうどんを食べた。
クレハとリオはうどんから食べ…
スズナとルカはつゆから飲んだ。
「美味しい!このうどんもちもちっとしてる!」
「つゆもねこぶだしを使ってるとはいえ、味のバランスがしっかり取れてるわ」
「コシのあるうどんにバランスの取れたつゆ…一般家庭に置かれるかけうどんではありませんわ…!」
3人の第一声は大好評だった。
「大袈裟だよ。僕は普通のかけうどんを作っただけだから」
「リオ君、この一級品と言えるコシのあるうどんを、普通の人では作れませんわ!」
と、リオの前で箸で上げたうどんを見せるルカ。
「それに、このネギの切り方、一つ一つの長さが均等になってる…まさに一級品と言える腕ですわ」
「僕はただ、知り合いのおじさんから教えて貰った通りにうどんを作っただけなんだよ」
「知り合い?」
「うん。屋台でうどん屋をやってた人だよ。手伝った事があるんだ」
「まさかプロのうどん屋から教わってたとはね…」
「このうどんの出来も納得ですわね」
4人はその後うどんを食べ、つゆを飲み干し…
「「「「ごちそうさまでした!」」」」
かけうどんを綺麗に完食した。
「美味しかったよ。ありがとうリオ君」
「喜んで貰えてよかったよ」
「後片付けは私がやっておくわ」
「ありがとう」
スズナは4人分の丼と箸を集め、そのまま台所へ持っていった。
「リオ君が朝食を用意してくれてよかったですわ。この時間、店が駅付近のコンビニぐらいしか開いてませんでしたから」
「ああ、確かに…僕たちが今いる5番地区はコンビニにある物は全て商店街で安く買えるけど、開店時間が遅いのがネックなんだ。唯一7時から開店する弁当屋は今日が定休日だったからね」
「日が悪かったってわけね」
リオは昨日スーパーで食材を購入してた為、食事を確保している。
対しクレハ達は遅い時間帯にこの町へやって来た為、食材を買う余裕が無かった。
クレハ達はリオほどでは無いが、そこそこの料理を作れる。
とはいえ食材が無ければ意味が無い。
更にはこの町については全く知らないのだ。
と、ここでリオが耳寄りな情報を言ってきた。
「実はおばさんから聞いた話で、変わったコンビニがあるらしいんだ」
「え?」
「変わったコンビニ?」
「地図には載っていませんでしたけど…」
リオが言った変わったコンビニに疑問を感じた。
ルカの調べた通り、コンビニがあるのは駅付近の一件のみで、白雲堂周辺、商店街にはスマホで検索してみた所、一件もないのだ。
「予定の時刻までまだ時間はある…僕が案内するよ」
と、リオは3人をとある店に案内する。




