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魔法と電脳の二重奏  作者: キューリ
ファイル「1」
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「24」不安と疑問





一方カクとチサトはスカイクラウドでセキュリティア基地へ向かってる途中だった。



現地域にいるアルケミスト達と合流し、今後の活動について決めるようだ。


そんな中、カクは表情が硬いままだった。






「あの子達の事を考えてるの?」

「…………ああ」





チサトがカクにクレハ達の事を考えてるのか聞いたところ、あっていた。





「カクはあの子達の事どう思ってるの?」

「……4人は確かに強い。基本的な能力ならこちらより上だ。だがまだ子供だ。経験も殆どなく、本来戦いに出る年じゃない」





カクはクレハ達やリオの事が心配で、出来れば戦わせたくないらしい。





「確かにあの子達はまだ戦い始めたばかりで経験もない。でも潜在能力は高いわ」

「買い被りすぎじゃないのか?」

「そうね。潜在能力だけ見てあの子達を戦いの場に行かすのは危険を伴うわ。でも…あの子達の目…私達と同じ戦士の目をしていたわ。子供として見るべきではない」

「だが……」

「更にあの子達は今回の事件で家族を失っている。その辛さは貴方も分かってるでしょ」

「それはそうだが…」

「仮に、あの子達の協力を断っても、あの子達は自分達の意志でデバッグ達と戦うわよ?」

「分かっている…ただ…」

「ただ、この先リオ君達がいなくなるとか?」

「!?」





チサトはカクの考えを分かっていた。


カクのパートナーとして一緒にいる彼女だからこそ相手の考えている事がある程度分かるのだろう。





「そうなんだ……今回現れたキメラを見て、あの事件を思い出してな……」





あの事件…



それは、セキュリティアにとって忘れられない事件だった。





「……………………半年前のキメラ襲撃事件…霧ノ崎川近くの山から突如現れたライオン、鹿、蛇を組み合わせたキメラ…通称トライアが工業地区に襲撃。当時のセキュリティアは総勢20人のアルケミスト達を現場に向かわせた。けど、今まで倒すのが簡単だったクリーチャーとは異なり、キメラは桁外れの強さを持ち、トップクラスであった3人のアルケミストの命を奪った。そんな中、貴方が重傷を負いながらも、トライアの体内にあるフォトニウムの破壊に成功。工業地区の被害は最小限に抑えられたけど、トライアとの戦いで恐怖を覚えてしまった6人のアルケミストは死ぬことを恐れ、セキュリティアを出て行った……」

「……………」





かつての仲間が、初めて相手となるキメラによって命を落としたその事件は、2人にとって今でも忘れられなかった。






「確かに、私達はあのキメラを倒した際に大きな代償を負った。あの戦いは今も忘れられないわ。今まで効いていた電脳術が効かなかった…一緒だった仲間まで奪われた…思い出すだけでも自身の力不足が許せなかったわ…」






もし、自分にも戦う力があったらと、チサトは悔やんでいた頃があった。





「今回現れたドラゴンのキメラ…通称ツインヘッドは、トライアより若干力が劣っていた。それでも高い戦闘能力は健在だ。クレハが来なかったら、今頃リオは…」

「その先は考えないの。結果リオ君は助かったんだし、それに、リオ君の放った電脳術に付いて調べてみたんだけと…そのタブレットを見て」

「タブレット?」





と、チサトからタブレットを見て確認して欲しいと頼まれ、カクは隣のテーブルのホルダーに立てかかってるタブレット機器を抜き取り、電源ボタンを押して立ち上げてみた。







「?」







何やら波長のような画像が縦に3つ並べられていた。






「それは一般のアルケミスト達の放つ電脳術と、先程分析したリオ君が放った電脳術、そしてクレハちゃんの放った魔法の波長のデータよ。上の波長の画像をリオ君のと合わせてみて?」





チサトに言われたカクは一般のアルケミスト達の波長の画像をリオの波長の画像に合わせてみた。








「?」







合わせたところ、波長が僅かに合っていなかったのだ。






「合ってない?」

「そう。同じ電脳術なのに何故か波長は一致してなかったのよ。次はリオ君の波長の画像をクレハちゃんのに重ねてみて?」






と、今度はリオの波長の画像をクレハの魔法の波長の画像に重ねてみた。







「!?」







なんと、リオとクレハの波長が一部一致していたのだ。




「波長が一部合ってる…!」

「前に一般のアルケミスト達の波長と魔法の波長を合わせたけど、何一つ一致しなかったのよ」

「どういうことだ…」

「これに関しては初めてよ。電脳術と魔法の力の源は異なる物なのに、リオ君の電脳術は魔法に近い物になっているのよ。その証拠に、リオ君の放った光弾は他のアルケミスト達のより威力が上がっていたわ。その数値は2倍近くたたき出したわ」






波長グラフの下には、確認されたアルケミストの放った電脳術で発生されたフォトンエナジーの数値が表示されていた。


カクの数値は160。


他のアルケミスト達の数値は100から120までとばらつきがあるが、カクよりは少ない。


そしてリオの数値はなんと、240と、カクの1.5倍、一般アルケミスト達の2倍以上もあったのだ。








「リオの放った電脳術は、他のアルケミストの電脳術とは違うのか…?」

「そこまではまだ分からないわ。例えられるとすれば…適合者…またはリオ君が放った電脳術に普通とは異なるワードの組み合わせた物なのか…ただ分かることは、リオ君の電脳術はキメラに効果があったという事よ」






リオの光学シールドも、光弾も、僅かながら効果があったのは事実である。


それはカクも分かっていた。





「あのリオが……!」





ホムンクルスもそうだが、リオに関する謎が出来て、複雑な気持ちになったカク。






「リオ君の入隊テスト…その時にデータを収集しましょう。もしかしたら、キメラに対抗できるヒントが見つかるかもしれないわ。もっとも、入隊出来るかはあの子次第よ」

「ああ…そうだな…」





と、話しつつ、セキュリティア基地へと帰還するのだった。










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