「23」その頃リオは…
代わって隣の部屋は、リオが電脳術の練習をしていた。
幸い防音性はよく、隣のクレハ達の声は聞こえないようである。
やっているのは、炎の生成である。
クレハが使った炎の魔法を見て、リオ自身も出来るかどうか試してみたが、出来たのはピンポン球サイズの炎で、その炎も僅か2秒で消えてしまった。
「また駄目か…」
チサト曰く、これらは電脳術では作れない。似たようなのなら出来るけど、条件付きで実用出来るものじゃない。
そもそも炎、水、雷、風を作り出すのは物理的に難しく、それらがホムンクルスの扱う魔法で簡単に作れ、しかも攻撃にも使えるのだ。
リオはそれが本当に電脳術で作れないのか、試行錯誤して出来るだけ再現しようとしたのだ。
そこでまずリオが試したのは、簡単な炎の生成からだった。
部屋の中な為、流石に大きな炎は作れないが、結果は御覧の通り。
大きさもこれが限界である。
飛ばすことは出来ても、肝心の炎がこれではとても実戦に使えない。
「…でも原理は間違ってないはず」
この時点でリオは何かコツをつかみ始めていた。
リオの電脳術の上達の速さはカクを凌ぐ上に、電脳術の発動に使うワードを多く覚えている。
今では中級レベルの光弾と光学シールドを使えるようになっているのだ。
実はリオ、前に早い段階で炎や電気を作り出すことに成功しているが、手のひらサイズには満たない大きさしか出来なかった。
それでも炎や電気を作れたのは大きい。
ワードを色々と組み合わせていく度に炎は徐々に形になってきている。
実用レベルまでの大きさの炎を作ることが、リオの今後の課題となるだろうが、もしかしたら、そう長くは掛からないかもしれない。
炎を使った電脳術の実現が近くなってきたと言えよう。
と、ここでテーブルに置いてあった携帯から音が鳴った。
「メッセージ?」
リオは携帯を取り、受信したメッセージを開いた。
メッセージの相手はルカからである。
《リオ君、町の人々からホムンクルスだって事を隠すために今後の魔法少女に変身した私達の呼び名について伝えておきますわ。変身したクレハはフローリアン、スズナは雪月花、ワタクシはエレクトロ。ワタクシ達が魔法少女の時はそう呼んで下さいませ》
メールには今後のクレハ達は魔法少女に変身した時の名前で呼んで欲しいという内容だった。
3人の魔法少女としてのコードネームは、
クレハがフローリアン。
スズナが雪月花。
ルカはエレクトロ。
という名で決まり、今後魔法少女の時はリオにその名で呼んで欲しいとのルカからのお願いらしい。
「フローリアンか…うん。クレハにピッタリの名前だね」
リオはそれに了承し、ルカ宛に了解のメッセージを送った。
その後進展はせず、リオはこれまで試したワードの組み合わせをノートに記し、今日はゆっくり休んだ。




