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魔法と電脳の二重奏  作者: キューリ
ファイル「1」
18/46

「17」現状説明





リオの兄にして、アルケミストのカクと出会ったクレハ達は、降りてきた大型ヘリ…スカイクラウドの中を案内される。





スカイクラウドの中はとても広く、その広さは2トントラック並み。


左右には各5人が座れるソファー。


その中央にはカラーコーンのような謎の機械。


後部には複数の収納ボックスと大型のディスプレイ。


前部には複数の機械が合わさった操縦席。






その前には白と赤をメインとした軍服を着た赤茶色のロングヘヤーの美人女性が普通に敬礼のポーズをしながら立っていた。





「ご苦労さま、カク」

「ああ。この彼女達が暁丘付近のデバッグ基地に囚われた被検体の3人だ」





カクとこの女性とは仕事仲間のようだ。





「兄さん、その人は?」

「自己紹介がまだだったわね。私は特別機動組織セキュリティアのアルケミスト1…カクの補佐を務めてるオペレーターのなぎさ 千里ちさとよ。このスカイクラウドのパイロットも務めているわ」

「さ、坂野くれはです。よろしくお願いします」

「成宮鈴菜です」

「宝道寺瑠花ですわ」

「神埼りおです。兄さんがお世話になってます」




チサトが自己紹介したした後、リオ達も名前を明かした。






「君がカクの弟さんね。独学で電脳術を覚えるなんて凄いわね。しかも初の戦闘でも素人とは思えない活躍ぶり!」

「え?なんでチサトさんが僕が戦ってた事を?」







そう言われてチサトはカラーコーンのような謎の機械に付いた大型のキーボードを操作した。



すると、リオとクレハがドラゴンと戦っている所が映し出された。






「立体映像!?」

「君達2人の戦いはこれで見てたわけよ。リオ君が独学で覚えた電脳術をここまで使えるのは驚いたわ。そしてクレハちゃんの魔法も」

「どうして私達の戦ってる姿が?」





クレハの質問にチサトはまたキーボードを操作し、画面を島の全体図に切り替え、答える。





「今私達がいる島…日野森半島各地には高性能カメラを搭載したドローンを200機以上飛ばしているのよ」

「に、200機!?」






チサトがドローンを200機も飛ばしてる事に驚くクレハ。


そしてそこからカクが話をつなげる。






「日野森町、月村町、森星町、霧ノ崎町。日野森半島にある全ての町には常にドローンを飛ばして、それらを本部、そしてこのスカイクラウドで確認出来るわけだ」

「なるほど。これは悪党も迂闊に犯罪出来ませんわね」

「お陰で犯罪率はゼロ…と言いたい所だけど、今回現れたデバッグの隊員達はジャミングを使って月村町のドローン、カメラを全て無力化したわ」

「ジャミング?」

「対象の機械類の機能を使えなくする事ですわ。レーダーやミサイルもこれで動かなくなりますわ」





ジャミングという言葉を知らないクレハに説明するルカ。





「だとしても、月村町には警官達も見回っています。それなら本部に連絡出来たはず…」

「スズナ、デバッグはただの組織じゃありませんのよ。クリーチャーや怪人を率いている以上、規模の大きい組織であることは間違いありませんわ。ワタクシ達が囚われたあの場所も結局デバッグの拠点のほんの一部でしたし」





スズナの疑問をルカが答えた。






「ルカちゃんの言うとおり、デバッグは大きな組織で、暁丘、ビッグトンネル、霧ノ崎川の3カ所に基地が建てられてるのよ。けどデバッグの拠点はまだ発見されてない。というか、探索しづらい状況にあるのよ」

「一年前に現れたクリーチャーですね」






ルカに合わせ、チサトが続けて話し、探索しづらい原因がクリーチャーだとリオは答える。







「探索対象となる3つの場所にはクリーチャーが出没する。こいつらが現れてから探索はしづらい状況にある」

「というと?」





カクがクリーチャーによって探索が困難になってる事にクレハがその理由を聞く。






「クリーチャーには銃や爆弾といった近代兵器は通用しない。自衛隊では太刀打ちは不可能だ。だがセキュリティアは打開策としてクリーチャーに効果のある電脳術を扱えるクリーチャー退治のエキスパートを育成した。それが俺達…アルケミストだ」

「といっても、現在はカクを入れて11人しかいないのよ。電脳術は誰でも簡単に扱えるものじゃないからね」






カク、チサトへとクリーチャーに対抗出来るアルケミストを育成したが人数不足である事を明かす。






「リオ君はその難しい電脳術を覚えたんだね」

「うん。けど使えるようになるまで2カ月で掛かったけどね」

「2カ月だと!?」






リオの電脳術習得に2カ月も掛かったことにカクは驚く。






「うん」

「俺、使えるようになるまで倍近くは掛かったぞ…」

「いや、出来るといっても簡単なものしか出来ないから」

「光弾や光学シールドなんて簡単な部類じゃないぞ」

「私達…とんでもない原石を見つけたっぽい」






実は電脳術の習得には基本半年掛かるものだが、トップであるカクは四カ月ぐらいで習得した。


しかしリオは僅か2カ月で習得したと言っている。


更に光弾や光学シールドは中級レベルの電脳術にあたるため、これを扱えるリオはセキュリティアのアルケミストと並べる程の強さを持っている事になる。






「でも、デバッグの連中はどうして人を襲うんだろう?」





リオはデバッグの活動目的について考える。


そこへルカが答えた。













「襲う理由は分かりませんが、彼らは兵器の開発を進ませていますわ」

「?」

「兵器の開発?」





ルカの答えにカクとチサトは疑問を感じた。


そこへルカは何かの資料をポケットから取り出し、チサトに渡した。


それはデバッグの基地で倒れた黒服の人から取ったファイルであった。





「こ、これは…デバッグのファイル?」

「この設計図…大型の粒子砲のようだが…」

「デバッグの連中はこれを作ろうとしてましたわ。プロジェクトFの元スタッフだった彼らは、武器開発を担当していたとデバッグの部下達から聞きましたわ」

「そういえば、過去にフォトニウムを原料とした粒子砲が開発された話があったわ」

「ああ。だがその高い性能と危険性を感じ、廃棄処分する形で解散させたそうだ。父さんも武器開発には反対だったからな」






ルカの話を聞き、デバッグは元々、プロジェクトFの武器開発のスタッフで、作った武器の危険性を配慮し、解任させたという話をカクとチサトは思い出す。






「当然ですわね。プロジェクトFはニュータウン計画の一環ですのに、兵器開発なんてもっての外ですわ」

「彼らは復讐するために新組織デバッグを結成して、自分達の力を知らしめようと、あちこちで暴れ始めたってわけね。この兵器の開発もその為…」

「じゃあ…お父さんとお母さんを巻き込んだあの事件も…」

「え?」






リオの言葉にクレハは気になった。






「俺とリオの親は、鉱山の落盤で亡くなったんだ」

「!?」

「鉱山襲撃事件ですわね」





鉱山襲撃事件…


一年前、フォトニウムが取れる日野森町から離れた所にある常夜とこよ鉱山で起きた事件であり、リオとカクの父と母が命を落とした。






「あの事件の後、セキュリティア結成前の私達は調査員として、常夜鉱山の調査に向かったわ。周囲を探索した所、フォトニウムは全て無くなっていたわ。けど落盤が起きた場所を調べていたら、爆薬の跡が残っていたの」

「つまり、その事件は誰かが意図的に起こしたものだと?」

「ええ。そしてその犯人が…デバッグだとしたら、関係者であるリオ君とカクの親を殺したのも頷けるわね」





チサトは鉱山襲撃事件の犯人がデバッグ結成前の元スタッフだと推測した。






「くっ、野望の為なら父さんと母さんを殺すのか、あいつらは…!!」





カクの怒りが右手の拳に伝わってくる。





「カク、気持ちは分かるけど、リオ君だって君と同じ思いをしてるし、ここにいるクレハちゃんも、大切な親をキメラにされたのよ」





チサトがカクをなだめさせる。






「……………すまない。リオとクレハも辛いのに、大人の俺がこんなんではダメだな」

「いえ、カクさんの気持ちは分かります。それでもアルケミストとして町のために戦ってくれてるのは、立派だと思います」

「…………ありがとう。2人もとても立派だったぞ」





クレハはカクのこれまでやって来た事を立派だと褒めた。







「ルカちゃん、この資料貰ってもいいかな?本部でデバッグの目的に付いてもう少し調べておきたいから」

「構いませんわ。ワタクシ達が持っていてもしょうが無いですもの」





デバッグに関係する資料から更なる情報を手に入れるためにルカから許可を貰うチサト。






「話がズレたな。そんなデバッグだが、今回はクリーチャーを引き連れて、暁丘、ビッグトンネル、霧ノ崎川の3カ所から現れて近くの町を襲撃してきた。その為セキュリティアはアルケミストを含む全戦力を3つに分断しなきゃいけなかった」

「全アルケミストを出動させた数時間後、月村町にデバッグの戦闘員達が侵入してきたのよ。私とカクで救出に向かったけど、全員を助けることは出来なかったわ…」

「怪人やキメラにされた人達でしたね…」






チサトが大半の市民達を助けたが、一部の人達は助けられなかったという事実。


その一部が怪人やキメラにされた人達だとルカは答える。


そして再び暗い表情になるクレハ。



キメラにされてしまったクレハの父と母を思い出して…






「今回の件に至っては私達の責任でもあるわ。ごめんなさい」

「すまない…」





と、カクとチサトはクレハ、スズナ、ルカに謝罪の言葉と共に頭を下げる。





「あ、頭を上げてください。カクさん達は悪くありません!結果助けに来ました」

「はい。本当に悪いのはデバッグだって事が分かりましたし」

「今回は相手が1枚上手だっただけのことですわ。幸い私達は魔法少女として戦えるようになりましたし」






と、余裕な表情を見せるルカ。


魔法少女になれたのが嬉しいのだろう。







「その貴女達が呼んでいる魔法少女なんだけど…正式にはホムンクルスと呼んでいるわ」






チサトから魔法少女の正式名が明らかになった。





「ホムンクルス?」

「まああくまでノベルや漫画の話ですけど、錬金術で生み出された人工人間の事ですわ。作品によっては人を超えたスペックを持った人間なんてのもありますわ」

「そういえば、私拳銃の弾当たったけど何故か跳ね返ってたね」

「しかも無傷」






スズナが初めて聞くホムンクルスという名称に他の作品で出てるホムンクルスについて話すルカ。


話を聞いたクレハはデバッグの銃弾を食らった事を思い出す。






「そういう認識であってるわ。実際貴女達はクリーチャーやアルケミスト以上のスペックを持っているもの」





3人は既にホムンクルスとしての力を体験してる為、チサトの言う話の意味が分かっていた。





「でも私達、何故怪人になる装置を使ってホムンクルスになったの?」

「多分、ワタクシの用意したモデルとフォトニウムのエネルギー供給を注入から照射に切り替えたせいですわね」

「言われてみれば、怪人になった人は何かを打ち込まれたような…」






ルカが漫画がアニメに出てくるホムンクルスについて話す中、スズナが質問し、ルカはそれに答えた。


クレハはフォトニウムのエネルギーを打ち込まれ、怪人になった人を思い出す。


3人にとって、人間から怪人に変貌するあの光景は衝撃が走る程のモノだった。






「元々フォトニウムのエネルギー…通称フォトンは人の体には有害なのよ。照射程度なら問題ないけど、体内に直接注げば細胞が暴走して人ならざる者…怪人になってしまうの。けど適合出来なければ細胞は崩壊し、死に至ってしまう。でも適合者である君達3人がフォトンの光を浴びた事で細胞は暴走すること無く変異、進化したと言えばいいかな?それで進化した人間を私達はホムンクルスと呼んでいるの。そしてそのホムンクルスだけが使える電脳術とは異なる力…電脳術では真似できない力…それを魔法と称してるわ」

「でも何故私達がホムンクルスに?チサトさんの話が本当なら他の適合者もなっていたはず…」

「恐らく、ホムンクルスになれるのは成人してない者…君達のような学生さん達だと考えられるわ」

「その理由は?」

「適合者もそうだけど、デバッグは主に成人してる人をメインにさらっていたわ。これはより強い怪人やキメラを作るために成人した者を厳選して選んでると考えられるわ。未成年の貴女達が連れ去られたのは偶然適合者だと分かったからだと思うわ。大人となればデバッグ達は適合者がどうか分からなくなるみたいなの。だから大人に関してはしらみつぶしにさらってるとしか分からないわ」

「なるほど…考えたら、私達3人以外に捕まった人達は全員大人だったわね」





スズナはチサトの話を理解した。







「それで、ホムンクルスという呼び名はいつから決めたのですの?」

「ルカちゃん?」

「前からその呼び名が付けられたのでしたら、ワタクシ達3人以外にもホムンクルスがいることになりますわ」







ルカの鋭い質問にチサトは答える。






「鋭いわね。実は私…1度だけホムンクルスと接触してるのよ」

「ええっ!?」

「クレハ以外にも!?」






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