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魔法と電脳の二重奏  作者: キューリ
ファイル「1」
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「15」ツインヘッド



ドラゴンと戦う為、協力しあうクレハとリオ。



と、意気投合してる所でドラゴンが再び炎のブレスをクレハ、リオに向けて吹いてきた。





だが、リオはクレハの前に立ち、冷静に電脳術で光学シールドを貼り、炎のブレスを防いでいく。






「やああああああっ!!!」






そして後ろにいるクレハが左手に集めた炎の塊をそのままドラゴンに向けて投げ飛ばした。


炎の塊は真っ直ぐ飛び、そのままドラゴンの2つの頭に直撃し爆発を起こし、仰け反らせた。







(今度は炎の塊を……まるで魔法使い…いや、魔法少女…って考えるのは後!)






クレハの放った炎の塊に驚くも、リオは両手を前に伸ばし、クレハの放った炎の塊と同じ大きさの光弾を生成し、ドラゴンに向けて発射した。


これはドラゴンの腹に直撃した。




しかし、ドラゴンの腹は沢山の鱗に覆われてるせいか、効果はいまいちだった。







「効いてない…!」

「私が頭を狙った時は効いていたのに…」







仰け反ったドラゴンが体制を整え、2人に炎のブレスを吹き、反撃に転じる。


今度は左右に散開し、ブレスを躱していく。






「まさか頭が弱点…いや、頭も鱗で覆われている。どこを狙っても一緒だ……」






リオは考えた…


先程2人が攻撃した時、クレハの炎は効いていたのに対し、リオの光弾は効果が薄かったのだ。


外見、狙った頭と腹は両方共硬い鱗で覆われている。


どこを狙ってもダメージは一緒だろう。




だからといってリオの力が弱い訳ではない。


このドラゴンの防御力が高いだけなのだ。





ここでリオはとある答えに気付く。







「まさか体内のフォトニウムが、電脳術の威力を軽減してる…!?」

「電脳術?」






リオの電脳術が効かなかった理由がドラゴンの体内にあるフォトニウムが原因という答えを見つけだす。


対し、電脳術という言葉を聞き、首をかしげるクレハ。







キメラは体内にあるフォトニウムをコアとして、そこから発するエネルギーで動いている。


その為フォトニウム自身も常にエネルギーを放出しているのだ。


その放出したエネルギーがドラゴンの体にも影響してるとしたら、電脳術の光弾が効かなかったのも頷ける。


だとすれば、このドラゴンにリオの攻撃は効かない。


そしてクレハの放った炎の塊は電脳術とは違う力だという事。






その力が何なのかは分からないが、ただ分かることはドラゴンに痛手を負わせられるのはクレハだけ。



この戦いのカギはクレハが握っていると言っていいだろう。



リオはすぐに次の一手をクレハに伝える。







「クレハ、さっきの炎…もっと大きく作れる?」

「え?えっと…多分、出来ると思う」






自信あるのか無いのか、少し困った顔をするクレハ。





「なら次で決めよう。ドラゴンの攻撃は僕が受け止めるから」

「大丈夫なの!?」

「ブレスぐらいなら防げる。僕が出来るだけ時間を稼ぐから、強めの攻撃を…!」

「………分かった!」






リオを信じ、クレハは両手で炎の塊を作り出す。




しかも今度は先程放った炎の塊よりも大きく作り出そうとしている。




そこへそうはさせまいとドラゴンが動き出す。


しかしドラゴンとクレハの間にリオが割り込む。






「お前の相手は僕だ!」







割り込んできたリオに視線を変え、ドラゴンは2つの頭からの炎のブレスを吐いてきた。





すぐにリオは光学シールドを貼り、ブレスを受け止める。






クレハとの射線上に入ったのは、クレハに攻撃が来る可能性を潰す為である。


相手は2つ首のドラゴン。


片方の頭からのブレス攻撃を受け止めている間にもう一つの頭が射線上にいるクレハに向けられれば攻撃される為、あえてクレハの射線上の前で距離を取り、耐え抜く方がクレハへの攻撃の危険は無くなる。


しかしそれは、クレハが攻撃の準備が終わるまでリオがドラゴンの攻撃を全て受け止めなければならない。


電脳術で作り出した光学シールドも万能ではない。


ドラゴンのブレスが強ければいずれシールドが耐えられなくなり、破られればリオ自身も無事では済まない。


耐えられるか、破られるか、大勝負である。







ドラゴンが吹くブレスの勢いは更に強くなる。


シールドを貼ってるリオは少しずつ後ろへ押されつつも、耐えながらシールドの強度を維持している。


ここまではリオの想定内。


後はクレハの攻撃の準備が整うだけ。


















しかし、クレハの溜めていた炎の塊は突然消えてしまった。





「!?」

「クレハ!?」







突然クレハの炎の塊が消えたことに驚くリオだが、ドラゴンがブレスを吹くのを辞め、リオ達に目掛けて走ってきた。



リオは咄嗟にクレハをつかみ、横へ跳んで転がり落ちた。






「大丈夫、クレハ?」

「う、うん。ごめんね…上手く出来なくて…後リオ君が危ないと思ったら集中が途切れて…」

「そうか…」






クレハの炎の塊が消えた理由がわかり、立ち上がるリオ。








「もう一度出来る?」

「うん…でもリオ君が…」





流石にブレスに推されているリオを見て、心配になるクレハ。


そんなクレハにリオは言う。






「大丈夫…僕を信じて。僕もクレハを信じるから。クレハはクレハのやるべき事をやって」





絶対にやられないから信じて欲しいと、クレハに言うと、リオは再びドラゴンとクレハの間に入る。






「リオ君…うん!」






その姿を見たクレハも気持ちを切り替え、大きな炎の塊をもう一度作り出す。




それに気付いたドラゴンがブレスを吐かずに走ってきた。


流石に真っ向から受け止めるのはシールドでも耐えられない。


しかしそれもリオの想定内。







「やらせない!」





リオが走って来るドラゴンに向けて無数の小さな光弾を撃ち出した。



今度は腹ではなく足の方を狙った事で、直撃時にドラゴンを地面に倒れさせた。





しかしドラゴンは起き上がる前に2つの炎のブレスをリオに向けて吹いてきた。





すぐにシールドを貼りブレスを防ぐリオ。





ブレスを吐いてる間はその分の隙と時間が生まれる。


クレハが強力な攻撃の準備を仕掛けるにはこのタイミングしかない。


その為リオはこのブレス攻撃を誘っていたのだ。




後ろのクレハが気になるが、それどころじゃない。


クレハを信じ、このブレスを防ぎきるのが今の自分の役割である。






(あの時はリオ君が気になって集中出来なかったけど、リオ君を信じて、私は今、私が出来ることをしなきゃ!)





炎の生成に集中するクレハ。






(最初から大きいのを作るんじゃなくて、多くの炎をかき集めれば…!)





クレハは目を閉じ、沢山の炎の塊を作り、それらを1つに集める方法を行う為、再び炎の塊を生成し始める。


するとクレハの周りに変わった文字で構成された光の輪っかが突然現れ、周囲から炎の球が次々と生成されていき、それらがクレハの手のひらに吸い込まれるように集まっていく。


すると炎の塊は次第に大きくなり、気が付けば直径3メートルの巨大な炎の塊が出来上がった。


クレハ自身は目を閉じていて巨大な炎の塊を見ていないが、強い力を感覚で感じている。



前にいるリオも、振り向かなくても巨大な炎の塊から発する力を背中越しに感じていた。







これで準備は出来た。


後はブレスが止んだ後の隙を狙うだけ。






そしてその時は来た。


ドラゴンのブレスが止んだのだ。





「撃って!!」





リオが発射の合図をクレハに伝えた。


クレハは目を開き、目の前に見える敵…ドラゴンの姿を捉え、巨大な炎の塊を右手に持ち替えた。






「いっけええぇーーーーー!!!」






クレハもその合図に合わせ、巨大な炎の塊をドラゴンに目掛けて投げた。



ドラゴンは巨大な炎の塊がこっちに来た事に気付くが、もう遅い。


巨大な炎の塊がドラゴンを捉え、直撃すると爆風が起き、そこから大きな火柱が上がった。


火柱に飲み込まれたドラゴンの体が少しずつ焼かれていく。





「やった…!」

「凄い…まるでロールプレイングゲームの魔法みたい」

「……………」






手応えを感じたクレハと、クレハの放った力にまた驚くリオ。


そして2人は巨大な火柱見る。



火柱の中でもだえ苦しみながら、クレハの放った炎によって少しずつ溶けていく。


蝙蝠に似た羽は骨が見えるぐらいに溶けていき、体を覆っていた鱗はみるみる焦げていった。







「お父さん………お母さん………」







かつて父と母だったドラゴンが燃え尽きていく姿を見るクレハの表情は、とても悲しみに満ちていた。






(大切な親をこの手で倒して、平気なはずない。クレハだって…普通の少女なんだ…)







クレハが背負ったものの重さをリオは実感していた。



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