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魔法と電脳の二重奏  作者: キューリ
ファイル「1」
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「14」2人は協力する

公園に向かった少年…リオは、目の前で暴れていた2つ首の紫色のドラゴンと遭遇し、戦いに挑んだ。


しかし、女の子の声と共に、空から魔法少女風の服を着た桃色のボブカットの少女が現れる。



突然女の子が空から飛んできた事にリオは困惑するが、桃色の少女はリオとドラゴンの間に着地した。






(この子…誰?さっき空を飛んでた……電脳術?いや、早く走ったり高く跳んだりするアルケミストは映像で見てるけど、空を飛ぶアルケミストはいなかった…)







困惑するも、少し冷静になるリオ。


彼は電脳術を学ぶ際にニュース内で放映されたアルケミストの活躍を全て録画しており、何度も見直していた。


その為アルケミストに関する情報や知識は豊富にあるのだ。


その中で、アルケミストが空を飛ぶといった芸当の映像は1つも無かったのだ。




リオも電脳術で空を飛ぶ事は出来なかった。


電脳術で空を飛ぶ事は不可能なのか、それとも使わないのか、リオ自身もそれは分からなかった。





対し、この少女は空をブレも無く飛んでいたのだ。


彼女の格好も、アニメに出てくる魔法少女が着てる動きやすさを意識した軽装のドレスであり、アルケミストのような戦闘スーツではない。






では彼女は何者なのか……


少なくても悪い人ではないのが分かる。









「ここは私に任せて早く逃げて!」

「き、君は一体…!」






桃色の少女が逃げるよう話すが、対しリオはその桃色の少女に誰なのか聞く。






「ごめん、話してる時間はないの。とにかく逃げて!」

「まさか、君があのドラゴンと戦うの!?」

「………………………うん」







ドラゴンと戦うのかと聞くリオの言葉に桃色の少女の表情は少し暗くなり、返事を返す。


そこへ、ドラゴンが2つの頭の口を開き、リオと少女に向けて炎を吐いた。



2人は気付くが、少女はリオをつかんでそのまま飛び、ドラゴンから距離を取るように離れた。





「大丈夫?」

「う、うん。ありがとう」





助けてくれた少女にお礼を言うリオ。


とここで、彼女の表情の変化を見てたリオは違和感を覚える。






(この子の表情…あのドラゴンに何か関係が…!)






と、考えてる内にドラゴンが飛び上がり、今度はリオの頭上に落ちてきた。





「危ない!」






少女が真っ先に気付き、リオに呼びかけ、助けに向かうが間に合わない。


しかしリオは回避より防御に機転を変え、両手を落ちてくるドラゴンに向けて伸ばし、半透明の円形の膜を貼り、ドラゴンを左へ受け流した。






「バリア!?」






桃色の少女もリオが貼ったバリアに驚く。




リオが貼ったバリアの正体は電脳術の一種で、周囲の空気にフォトニウムのエネルギーを混ぜた光学シールドである。


とはいえ、ドラゴン程の巨体の重さに耐えられるほどの耐久力がないので、まともに受け止めたらその衝撃で破損し、リオは潰されていただろう。


そこでリオはこのシールドを受けるのではなく、受け流す事でドラゴンの衝突による衝撃を受け流す事である程度緩和させたのだ。






「凄い…まるで魔法使いみたい…」





リオはすぐに走り、桃色の少女の元へ止まる。






「君だって空を飛んでたでしょ?そっちの方が凄いよ。えっと…」

「クレハ…坂野さかのくれはだよ」






桃色の少女が自分の名前を言った。







「僕はリオ、神埼かんざきりお」

「うん。リオ君!」






お互い名前を覚えた所で、2人はドラゴンに目線を変えた。





「それでクレハ…あのドラゴンって」

「……私のお父さんとお母さんだったモノ」

「え?」





あのドラゴンがクレハの父と母だったという事実にリオは言葉を忘れてしまうが、その答えでドラゴンが何者なのか分かった。






「キメラ…………!」







クリーチャーは実態を持たないデータの集合体をフォトニウムから発する高密度のエネルギーで実体化させた生物である。


実体化したクリーチャーの体は全て、固体化したフォトニウムのエネルギーで構成されている。


その為、クリーチャーを生み出すにはフォトニウムと実体化の元のモデルデータが必要になる。








対し、キメラはフォトニウムをコアとし、複数の生物を組み合わせた合成生物である。


しかしその難点としてキメラは仮に出来たとしても動くことは無い。


虫や哺乳類と言った人外の動物の精神では耐えられず、死んでしまう可能性がある。


その為キメラには、強い精神を持つ人間を材料として使う事が必要不可欠である。




リオの父…神埼達人はニュータウンプロジェクトの責任者のトップとして、キメラの開発に反対した一人でもあった。


命を材料にするキメラ開発は批判の声が上がり、禁止となったのだが…




目の前にいるドラゴンは、間違いなくキメラ。


しかもそのキメラが周りを破壊し尽くしている。



更にあのドラゴンには首が2つある所、桃色の少女…クレハの父と母が材料にされている事は間違いないだろう。


なんとかして助けたいが、キメラになってしまえばもう元には戻せない。


放っておけば間違いなく町に被害が出る。













倒すしかない。






今自身が出来ることは、苦しまずに楽にさせる事である。



だがクレハの気持ちを考える以上…ドラゴンを倒すことをためらってしまう。








倒すべきか…










倒さないべきか…………





















「…………リオ君は逃げて」





クレハが突然リオに逃げるよう伝えてきた。





「逃げるって、クレハはどうするの?」





リオの問いにクレハは真剣な顔でドラゴンを見ながら答えた。





「…………………あのドラゴンを倒す」






クレハが1人でドラゴンと戦う事を言ってきた。





「倒すって、まさか1人で!?それじゃお母さ

んとお父さんを倒すことに…!」

「……倒すのは辛い…でも、それ以上に辛いのはお父さんとお母さんだと思うの」

「クレハ………」

「それにお父さんとお母さんが言ってた……倒してって」

「!」






同い年なのに、そんなクレハの表情からは迷いのない覚悟が感じられる。


それに引き換え、迷っていた自分が少し恥ずかしく思ったリオ。





気を取り直してリオは決心し、クレハの隣に並ぶ。





「リオ君!?」

「僕も戦うよ…一緒にこのドラゴンを止めよう!」

「え?リオ君戦えるの!?」

「実戦は初めてだけど、女の子1人を置いて逃げるなんて出来ない!」






リオもクレハと同様、決意の表情でドラゴンを睨みつける。




クレハもそんなリオの姿を見て、彼の意志を尊重する。






「一緒に戦おう、リオ君!」

「うん!」






クレハとリオの2人はお互い協力して、ドラゴンを倒すことにした。

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