「13」そして2人は出会う
ホントにすみませんでした!
リアルでの忙しさにモチベーションの低下とネタ不足で1年以上開けてしまいました。
亀更新とは言いましたが、流石に放置しすぎました。
作品の先のストーリー展開も見直し、納得のいく形で投稿しました。
モチベーションも戻り、しばらくは少しずつ投稿していくつもりです。
それでは御覧下さい!
代わって白雲堂に戻ってきたリオ。
部屋に運んだ荷物をある程度片づけ、マーケットで小麦粉、鶏肉、長ネギ、カツオ節、昆布等を買い、部屋へ帰ってきた彼は夕飯にかけうどんを作るようである。
キッチンにはガスコンロの変わりにIHヒーター.オーブンレンジが置いてあり、プロ級の料理をするには十分な設備である。
リオはテーブルの上に買った食材、調味料、洗剤類を置き、買い忘れが無いか確認する。
「うん。買い忘れは無し!」
洗剤類を風呂場前の収納棚にしまい、具材と調味料をキッチンの上に置き、リオは夕食を作るために用意した布製の白いエプロンに手を伸ばす……
と、そこへ…謎の爆音がこちらへと響いてきた。
「!?」
リオは気付き、玄関を開けて外に出た。
外に出たリオは、信じられない光景を目にした。
「こ……これは……!?」
空は夕日で、半分は夜になり始めている。
遠くの建物の先は真っ赤に燃えており、その周囲で爆発が何度も起きていた。
2階の高さから見ても、その光景はよく分かる。
(火薬の爆発…いや、花火師がいる建物はあっちじゃない。それに、あの爆発はあちこちに起きてる…!)
リオは部屋に戻り、鞄の中を探った。
すると中から、水色に光る石の破片が吊されたペンダントを取り出す。
その大きさは直径8㎝、横幅5㎝の石であった。
(父さん……事件が起きる前にくれたフォトニウムの原石…今が使い所かもしれない…!)
ペンダントを首に付けると、すぐに階段を降りてリオは爆発が起きた方へ走っていった。
自転車があればもっと早く向かっていけるが、無い物はしょうが無い。
しばらく走ってると、前から普段着を着た若い男性が慌てながら逃げるようにこちらへと向かっていく。
リオは逃げる人に話しかける。
「すみません!そっちの町でなにかあったんですか!?」
「し、知らないのかよ!ドラゴンが来たんだよ!」
「ドラゴン?」
リオが若い男性に何かあったか聞いたところ、ドラゴンがやって来たことを教えてくれた。
ドラゴン………
普通ならその名前には疑問がある。
ドラゴンと言えば、中世の物語に出てくる体に堅い鱗を付け、コウモリに似た大きな翼を生やしたトカゲのような姿で、実在しない生物である。
しかし確証はある。
(クリーチャー…………!)
リオはこの町で最近見かける生物…クリーチャーの存在を市民から聞いていた。
多彩な姿を持つクリーチャーならドラゴンもいなくも無いからだ。
「早く遠くへ逃げた方がいいぞ!俺は行くからな!」
と、若い男性はそのまま走って逃げていった。
リオは逃げていった男性を見送ると、そのままやって来た方向へ走っていった。
男性と同じように逃げていく子供、学生、男性女性達をすれ違いながら、ドラゴンがいる場所で向かうリオ。
これから行くのは命の危険がある場所である。
普通なら、そんな危ないと思う所へは行かない。
しかし………
この少年……神埼りおは、走るのを止めない。
あの真っ赤に燃える光がドラゴンによる仕業だとすれば、放ってはおけない。
自身の力はそこまで強くはない。
それでも、自分の出来ることをしたい。
その…正義の意志たる何かが、この少年を動かしてるのかもしれない。
そして走ったリオが向かった先は広い公園…
その先には、全長3メートルと大きく、コウモリのような翼を4つ生やした2つの長い首が付いた紫色のドラゴンが暴れていた。
「ほ…ホントにドラゴンだ…!」
ドラゴンの姿を目の当たりにして、リオは驚きを隠せなかった。
周りを見渡すと、地面は小さなクレーターのような跡が残っており、殆どの木と電灯は根元から折られており、残った木の一部は燃えていた。
ドラゴンの口から微かに火を吹いてるところを見ると、このドラゴンが元凶に違いない。
「このドラゴンが…原因…!」
幸い、周りに人がいないところを見ると、怪我人はいないと分かった。
ドラゴンはまだリオの方に気付いてない。
リオはドラゴンの姿を見て、恐怖を覚えてしまうが、首に吊したフォトニウムの破片を取り出すと、恐怖は落ち着くように消えていった。
(落ち着け…前に練習した通りにやれば大丈夫…!)
一年前…親を失ったあの日から、リオは担当の教師のススメで孤児達が暮らす寮に引っ越した。
少しは打ち明けたものの、親を失ったショックは簡単には癒えない。
そんなある日、クリーチャーを倒し、治安を守る組織セキュリティアに所属する戦士…アルケミストに関する内容が新聞に載っていた。
それを見たリオは失っていた活気を取り戻し、もう自分のような目に合う人達を生まないという決意と共にアルケミストになる目標を持った。
しかし、戦う経験の無い普通の人がセキュリティアに行って、アルケミストになりたいと言っても受け入れてはくれないだろう。
その為には、セキュリティアに自分の強さを証明しなくてはいけない。
リオは準備として、父から渡されたフォトニウムを使って、昼頃から人が来ない場所にて電脳術の練習を行った。
とはいえ、リオは電脳術に関する知識は無い。
始めはどう使うのか躓いていた。
そもそもフォトニウムは一般の人に回ることのない希少な鉱石の為、一般で知ってるのは父からフォトニウムを渡されたリオのみである。
リオはフォトニウムに関する情報が少しでも無いか、インターネットにも目を通したが、収穫はゼロだった。
そんなある日、アルケミストの姿がテレビに映るようになり、その中でアルケミストが電脳術を使う瞬間が映し出された。
そこでリオは、電脳術の発動時に浮かび上がるワードの存在に気付く。
様々なアルケミストの活躍が映った映像を録画しては、何度も見て、色々なワードを研究しつつ、1ヶ月後に光弾が出せるようになった。
そこからリオの上達は加速し、卒業前には錬成もこなせる程にまで電脳術の腕を磨いていった。
手作りの木の的も、作り出した光弾の一撃で砕けるようになり、リオ自身も手応えを感じた。
そして卒業後…リオはセキュリティアが主に活躍する地域、日野森町へ行く決意をした。
全てはアルケミストになる為である。
そして現在………リオは今、2つ首のドラゴンに戦いを挑もうとしていた。
初めての相手にしては手強そうな相手だが、逃げるわけにはいかない。
リオの後ろにはまだ逃げ切っていない人達がいる以上、引き下がる事は許されない。
戦って、勝つしか道はないのだ。
「行くぞ!」
「待ってー!!」
リオが攻撃する際に電脳術を発動しようとしたその時、少女の声が空から響いてきた。
「!?」
周りを見渡し、声の響いてきた方向を見るが、誰もいない。
すると、ドラゴンが声に気付いたのか、右の頭が上を向いた。
リオもドラゴンの頭の向きに気付き、後ろを向き、真上を見た。
すると……
なんと、空から桃色のドレスを纏った桃色のボブカットの少女がこちらに向かってきたのだ。
「お…女の子!?」




