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魔法と電脳の二重奏  作者: キューリ
ファイル「1」
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『9』敵地に侵入

クレハが魔法少女になった所から遡ること10分前…


深い森の中を駆け抜ける強化スーツをまとった者…カクは現在、暁丘周辺に配置された無数のアンテナを次々と壊していった。


オペレーターから下された任務は、暁丘周辺の全ての妨害装置の破壊とさらわれた月村町の市民達の救出である。


右手の甲から延びたビームの刃でパラボラアンテナのような形の妨害装置を×の時に切り裂いてから突き刺す。


妨害装置は爆発し、機能を停止した。



「これで全部だな」



この時点でカクは、暁丘周辺に配置された全ての妨害装置を破壊していた。


数分もすれば、通信機能も回復するだろう。


と、思った所で通信が来た。


カクは通信を行った。



「こちらアルケミスト1。暁丘周辺の妨害装置を全て破壊した」

「ご苦労様。通信機能が回復したお陰で敵基地の場所も特定出来たわ」



連絡相手はオペレーターのチサトだった。



「それなら、救助ヘリを手配してくれ。これから敵の基地へ乗り込み、拐われた住民達を救出する」

「わかったわ。くれぐれも無理はしないでね」



通信を切り、カクは次の任務に取り掛かろうとした。



「次は……」



カクは深い森の上を見た。


空は紅く、綺麗な夕日が見えていた。


が…一部だけ、グニャリと動いていた。


何もない空は歪みが生まれ、次第に大きく広がり…


やがてそれは、黒い塔へと形を変えて姿を現した。


塔と言うよりは、砦と呼ぶべき面積の広い建物だろう。



「ステルスフィールドか…確かに見えない筈だ」



今まで見えなかったのは、複数の妨害装置によって貼られたステルスフィールドと呼ばれる物だった。


ちなみにカクは、過去にステルスフィールドを使っていた為、この機能の事は知っていた。


恐らく妨害装置を全て壊した事で、砦周辺に張ってあったステルスフィールドは解除され、砦の姿が現れたのだ。


カクは砦が見える方向へ進んでいった。


森を抜けると、森から僅かに見える砦がハッキリと見えた。


外見はデコボコした所はなく、全て黒で統一されている。


夕日の光に照らされて明るくなるその表面の黒い壁は、全て黒透明のガラスである事がよくわかる。


砦の高さは、多分200メートルはあるだろう。


砦の真下を見ると、無数のトラックが駐車してた。


月村町の警察から事前に送られたさらった市民達を連れたトラックが写った画像を確認した所、一致していた。


この場を見たカクは確信した。


この砦がデバックの基地の一つだと…


そして、さらわれた月村町の市民達はこの中にいるだろう。



「さて、どうやって行くか…」



カクは基地へ侵入する方法を考えていた。


いくらセキュリティアのエース…アルケミスト1と呼ばれているカクが強いとはいえ、数で攻められると厳しい。


ここがデバックの拠点の一つである以上、戦力もかなりのものであることに間違いない。


仲間が来るまでは無茶は出来ない。


さらに入り口には、黒いローブを来た者が二人で辺りを見張り、砦を囲む4本の自動砲台が周囲を警戒していた。


見た限り、まだステルスフィールドが解けた事に気付いていない様子である。


ここで取るべき行動は、なるべく敵に気付かれずにさらわれた市民達を避難させ、船酔いせずに撤退する事。


その為にも、まずは砦の中へ侵入しなければ始まらないが、門番二人がいる以上それは難しい。


他に侵入できる通路は無いのかと砦からはなれた所から回りながら移動しながら探すカク。



「?」



するとカクは砦の反対にできた湖を見つけた。


そしてその湖の近くに洞穴があるのをを目にした。


カクはそこからなら自動砲台の視界に入ることなく、安全に砦内部に入れると考えた。


そしてこの入り口は同時に市民達を避難させるための安全な通路でもある。


カクは左腕に取り付けられた約5センチの液晶画面が付いた携帯端末を操作し、暁丘周辺の地図を表示させた。


どうやら少し離れた所に安全にヘリが迎える場所があった。


さらに砦との間には岩壁があるため、砦からの砲撃にヘリが狙われる心配はない。


カクは端末を操作し、本部に救助ヘリを特定の場所に向かうよう、地図を添付したメールを送り、端末の電源を一旦落とした。



「よし、行くか…!」



カクは早速行動に移るため、単独で裏口の洞穴へと入っていく…



変わってここは砦内の管制室。


ここでは、黒服の男が二人で端末を操作しながら砦内に設置された複数の防犯カメラに映し出された映像を見て監視していた。


ちなみに一人は上司で赤いフレームのサングラスを掛け、もう一人がその部下で青いフレームのサングラスを掛けていた。


画面には、廊下…階段…部屋と次々と映像が変わる中、二人は怪しい者がいないか黒服の男は調べていた。


しかしこの砦は唯一、外にカメラが入り口の1台しか設置されていない。


それでも、ステルス装置によって外からは見えないフィールドが張ってある為、侵入者が来るケースはない。


ちなみにこの砦は、時々捕らわれた人が脱走する事が渋々あり…ここにいる黒服の男二人に任されてる仕事は、脱走者がいないか監視するのが目的である。


捕まえては再び監禁し…最悪の場合、射殺する事もあったりする。


そんな中、部下は次のカメラの映像に切り替えた。



「ん?」



次に切り替えた部下側のカメラの映像には、青一色しか映ってなかった。



「どうした?」



上司が声をかけた。


部下は原因を話した。



「地下倉庫のカメラが機能してないんですよ。故障だと思いますが…」



妙だと感じた上司はマイクの電源を入れ、通信を行った。



「管制室から倉庫へ。何があったんだ?」



倉庫に入る者に応答を求めるも、返事がない。



「通信は反応無し…」

「何かあったのでしょうか…」

「あったのでしょうかじゃないだろ!!どう考えても侵入者だろ!全隊員に連絡してすぐに向かわせろ!」

「は、はい!!」



すぐさま部下は端末を操作し、全隊員への通信を切り替えた。



一方その頃カクは、牢屋らしき場所でデバックの連中に捕らわれて監禁されていた月村町の住民達を逃がしていた。



「岩壁の裏でヘリが到着するから。慌てず逃げるんだ」



既に向かう場所を皆に伝えた為、住民達は複数のグループに別れ、各リーダーの指示に従いつつ部屋を出ていく。


カクは逃げる住民達を見つつ、上に上がる為の鉄骨の階段を壊し、そこら辺の棚、椅子、テーブル等で塞いだ。


住民達全員が逃げ切る途中でデバックの連中が降りてくる事を想定し、進路を塞いで時間を稼いでいたのだ。


住民達が入っていた部屋のドアは全て開けられており、ドアノブの部分だけレーザーソードで切り取られてる。


部屋を見張っていた黒服の男達はカクによって気絶させられ、その場に倒れて気を失っていた。


こちらの様子を覗けるカメラは全てビームに撃たれた後があり、壊れて機能していない。


住民達が全員脱出するまで後少し…の所で、階段を塞いでいた物が突然吹き飛んだ。


バスーカか爆弾を使って壊したのだろう。


壊れた階段の周囲に煙がたちこもる。



「!?みんな、早く!」



と、住民達に伝えるが、振り向くともう住民達はその場からいなくなっていた。



「全員脱出したか…」



これで戦いに集中出来ると正面に立ち、身構えるカク。


煙が晴れると。腰布を身に付けた人に似た者が12人姿を現した。


髪の毛は少なく、肌は全身緑色。右手には固めの木で出来たこん棒を握っていた。


さらに彼らの目には、殺意が感じられた。



「クリーチャーか…」



カクのバイザーからは解析したクリーチャー達のデータが表示された。



CEー009…GOBRINゴブリンと。



カクが現れた緑色の人をクリーチャーと呼ぶ中、遅れて黒服の男達もやって来た。


青いフレームのサングラスを掛けた者達の中に一人だけ、赤いフレームのサングラスを掛けたのがいた。


恐らくリーダー格なのだとカクは理解した。



「セキュリティアの者か!どうしてここに!」

「牢屋の扉が壊されてる…ただの扉じゃないのに…!」



頑丈に作った牢屋の扉がドアノブだけ切り取られた事に今だ信じられずにいるが、そんなことはどうでもいい。


全ての牢屋の扉が壊されてるって事は、住民達は全員逃げられたということである。



「残念だったな。住民達は全員逃げたぞ」

「何故ここがわかったんだ…ステルスフィールドで見えない筈なのに…!」



3人の部下がそう言ってる間に、一人の部下が通信端末で管制室の者からあるとんでもない事態を聞かされていた。



「ん、何かあったのか?」

「不味いですリーダー、管制室よりステルスフィールドが解けたとの報告が…!」

「何!?あの妨害装置の防衛システムを突破したというのか!?」

「防衛システムも、妨害装置含めて全て破壊されたようです。この砦もセキュリティアにバレています」

「まさか、この一人の敵にか…!」



と言ってカクの方へ目を向く。



「さあ、どうする?素直に降伏するか、俺に倒されるか、どっちか選べ」



と、カクはデバックの連中を挑発する。


これは敵の標的を自分に向けさせるための時間稼ぎである。


住民達が安全に保護されるまではここで耐えるしかないのだ。



「ぬう…なめるなよ!たかが一人で我らに勝てると思うな!やれ、クリーチャー達!」



リーダーの掛け声と共にゴブリン達がカクに襲いかかる。


対しカクは落ち着いた感じで右腕からレーザーソードを展開する。



「この程度の相手なら…」



そう言った後、カクはゴブリン達の方へ突進し、レーザーソードですれ違い様に一匹ずつ斬り倒していった。



「これで十分だ」



切られたゴブリン達は叫びながら消滅した。


その消滅は、データが部分的に分解されていくような感じであった。



「バカな、あっさりと…」



黒服のリーダー格はカクの強さに驚き、他の部下も驚きを隠せなかった。


その中、一人の部下は新たに15匹のゴブリン達を連れてきた。



「リーダー、援軍に来ました!」

「援軍か…!」



援軍が来ることを予想してたカクは再び身構える。


そんな中リーダー格の男は、部下に指示をした。



「キメラを連れてこい!」

「キメラをですか!?」

「ゴブリンでは歯が立たない。こいつには上等な相手が必要だ」



カクが相手ではゴブリンは役不足だと知ったリーダー格の男はキメラという名前の相手が必要だと考えた。



「しかし、あれは出来上がったばかりで、素直に聞いてくれるとは思えません!」

「それはわかってる。だからまずはこいつをキメラのいる部屋に誘き出す。その為にも、アーリマンの準備をしておけ。後、例の適合者もな」

「わかりました。すぐに手配を…」

「適合者?」



適合者というワードにカクは食いついた。



(まさか……!)



カクの脳裏に、まだ捕まっている住民達がいることが浮かび上がった。



「お前達、残りの住民達は何処にいる!」

「それは会ってからのお楽しみだ。助けたければ付いてくるんだな」



と言ってデバックの連中はカクを誘導する為に部屋から出た。


ゴブリン達を残して…



「くっ、邪魔だ!」



カクは逃げるデバックの連中を追いかける為、ゴブリン達を相手にした。





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