登場人物紹介
主な登場人物+今回のお客の紹介です。
千代
古着屋・桔梗屋に生まれた一人娘。男の江戸言葉が交じったようなすっぱりとした口調だが、中身は人見知りのお人好し。
布地に囲まれた環境のせいか、何よりも反物に目がない。
手先の感覚が過敏であるため、布地の甲乙をつけるにもってこいだが、それによる苦労も多い。
登代
桔梗屋の店主。変なところで怖気付く娘に容赦はないが、腹の底では心配している。
店も家も子のことも1人で背負ってやってきたが、蒸発した夫のことは恨んでいない。今さら現れたら叩きのめす覚悟でいるが。
喜助
桔梗屋と同じ通りに店を構える紺屋の跡取り息子。
奉公のために上京した従兄弟の治助を気にかけている。今までも、そしてこれからも構い倒す所存。
治助
出身は田舎だが、江戸に奉公にやってきた。いわゆるお上りさんだが、喜助の援助もあって何とかやっていけている。
喜助のことは悪く思っていない。
それはそれとして、奉公先のことを根掘り葉掘り聞いてくるのは辞めてほしい。言わないけれど。
ねね
質屋に売られた母の形見をずっと探している。自分のために全力で追いかけてきた千代に驚いたが、嬉しかった。
親戚の事情は理解しているつもりだし、仕方のないことだったと割り切っているが、理性と感情は別物。
できるだけ顔を合わせたくない。