運命
人気のない草むらで夕方、空を見上げた
オリオンの左下にある、ひときわ輝く星の名前を知らない
人は幸福を追求する過程で何かを捨てる
捨てた分だけ軽くなり、行きたいところに行ける
捨てられた存在はどこに行くのかといえば
ゴミ箱で大人しく蓋をされているわけではなく
塊を形成し
ある日災厄のように降ってきて地上を燃やす
運命の地平、進む駒
意志の推進力
降り積もる記憶の激流に流されないよう
石持て行け
その重さに投げ出したくなる事もあるだろう
休みながら行け
飲み込まれないように
自信がないならそれでいい
正義は案外脆いもんだぜ
強さは錯覚
立ち止まった時ふと服のすそ掴んで見上げてる
子供がいる
そいつの名前は良心
この世で一番弱いが
最強の相棒なのさ




