ゴッドポイントと魔法で
ミーザが落ち着いたところで今日は結構時間も経ってしまったし、どうせ移動しても何処かで野宿。と言う事で移動せず大木の根本で野宿をすることにした。
今はこの世界とウィンドウの勉強をしようとの事で自習中。コレ、大事。スゴく。
ウィンドウを弄っていて気付いたんだけど、どうやらゴッドポイントでスキルを修得出来るみたい。
1000/1000ってなっている。手引き書によるとこのポイントの最大数は増え続ける。使っても減らないみたい。
スキルを取れば勿論ポイントは無くなる。けど最大数に影響は無い。
つまりスキルを取って強化して更にゴッドポイントを貯めるわけだ。
なんかコレ罠臭い。今取れるスキル一覧があるけどコレを取っていくと、ドンドン人外一直線になる気が……『そして、神に辿り着く』みないな。それは勘弁。
スキルは程々に必要な分だけ取る様にしよう。
こういうのは魔法の道具で代用できるとか死にスキルとかあるからやっぱり街で情報収集してからだね。嫌なんだよね。折角手に入れたスキルが次の街に行ったら装備品の追加効果程度とか。
ここは一つモッタイナイ精神を発動しよう。
という訳で、魔法、修得しました。
うん。分かってる。分かってたんだけど事情が! 水が欲しかったの! 壁が欲しかったの! 飲み水にモッタイナイ精神を使ったからいいの!
だって、トイレがないんだもん!!
ふと思ったんだ。「トイレ無い」とね。それどころか隠れられる所が大木しか無いんですよ、この辺一帯。今はまだ大丈夫。だけど生理現象は必ずやってきてしまう。造るなら早く、余裕のある内に。
ミーザに「ちょっと試したいことがあるから」と言い残し、20メートルぐらいダッシュ。この位は離れたほうが良いよね?
さて魔法。150ゴッドポイントを使い修得した。 手引き書によると体の中にある魔力を使い様々な自然現象を引き起こすことが出来る方法の俗称との事。
僕の想像通りの魔法だと思う。後は使い勝手がどうなのかが問題。魔法スキルは手に入れた。呪文は要らないけど自分の中での合図は必要みたい。つまりオリジナル呪文! 魔力もあるらしい――元々の地球人の僕には無かったけど、神様が付け加えたらしい。本当に他人の体を好き勝手に改造し過ぎだ……。
いざ。と構えたところでミーザに声を掛けられた。
「急にどうしたの?」
何やら心配そうな顔で尋ねてきたけど、変な事はしないよ。
「いや、ただ魔法を使ってみようかなーて」
「えっ、マミは魔法使いだったの?」
「うん。今なったからさっそくってね。危ないかもしれないから離れていてね」
「今って何さ?」と疑問を口にしながらも距離を取ってくれた。
仕切りなおして……いざ。集中……集中……しゅーちゅー、目の前に土の壁を作る。
手を前に出したり引いたり、ぷらんぷらんして雰囲気を出す。動かしていた手を前に突き出し掌を開きピタっと止める。そして言う。
「土よ盛り上がれ! 土壁になれ!」
………………ボコッ…………ボコボコボコッ……ボココッボコッっと音を立てながら土壁が形成されていく。
「出来た。……魔法だ……魔法だよコレ!」
僕は感動のあまりその場で何回も飛び跳ねた。だって魔法だよ、魔法! 僕の体からグイッと何かが足から地面に流れていった。ちょっとした脱力感も感じたけどそれどころではない。
だって魔法を使えたのだ!
目の前で形成された土壁は僕が想像したのよりも、かなり凸凹で脆そう。でも高さと長さは1メートル位、幅は30センチ位。初めてにしては上出来だと思う。某錬金術師みたいになれるのも時間の問題だね。フフフフフ。
「魔法……魔術とは違うのね……」
と意味深な事を言うミーザ。違うの? 魔法と魔術?
「コレはこの世界の魔法だよ。地球……僕の世界には魔法も魔術もないし。でも魔法とミーザの魔術が違うんなら見てみたいなー、ダメ?」
「……そう。魔術は大丈夫だけど後でね、それより何で使えない魔法が使え……スキルを取ったのね……で、早速使ったと。はぁ、マミはチャレンジャーね。それでコレは何なの」
むぅ。またしても呆れ顔で言われた。でも魔法を使いたかったし必要なんだよ、この土壁は。
「そっスキルを取ったの。この土壁はトイレ代わりに隠れられる壁をと思ったんだ」
トイレと聞いてミーザがハッとし、辺りをキョロキョロ見回し「そうね、それは必要ね、もの凄く必要よ。私も使って良い?」と聞かれたのでミーザもやっぱり生理現象はあるかと思いながら勿論「当然」と答えた。
それから3回土壁を作って4メートルぐらいの長さにした。
魔力はまだありそう。でもどうやったら回復するんだろう?
手引き書で勉強だね。