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ショルダーバッグ改め神の鞄

「この鞄は、すっごーく大事な物ですよ」


「まぁ、神様がくれた鞄だしね」


「それもありますけど違います! あーもう! 中身を見ればわかるから。ねっ」


 そこまで言うなら早速。神の鞄を開けて中を覗くと……何も入ってない。ハズレ? 戸惑う僕にミーザが「手を入れてみなさいな」との助言が。


 素直に鞄に手を入れると目の前にメッセージが表示された。これゴッドポイントの奴と同じだ。メッセージには鞄の中身一覧が載っていた。


 ミーザを見るとちょっとドヤ顔の笑顔だった。「凄いでしょ?」との問いに「凄すぎ」としか答えられなかった。


「でもどうやって取り出すの?」


「リストにある取りたい物を念じたら出てくるわ」


 へー。パニックになっても大丈夫そうだね。ポケットとは違うのだよ。ポケットとわ。


 何を出してみようかな〜っと。リストを見る。水、食料、ナイフ、毛布、現金(3万G)、手引き書、薬、地図が入っている。鞄の大きさ以上の内容物、まさに異世界鞄。内容も至れり尽くせりだ。神様本当にグッジョブ!! でもこの気遣いがあるなら神様候補にも使ってよ……。


 気を取り直して鞄から取り出すのはもちろん手引き書。

 手を鞄から抜くと手引き書も出てくる。この表紙はアレだミーザはこれを読んでいたんだ。


 ミーザに手引き書を見せるとウンウンと頷いている。


「それを読むとゴッドポイントが手に入るのよ」


「マジで!!」


「マジよ」


 手引き書を読んで手に入るポイント……そんなんでいいのか神様……。


「因みに何ポイント貰えたの?」


「5ポイントよ」


 少な! いや、読むだけで貰えるならイイのか? 実際1000ポイントなかったら喜んだだろうし……


「ミーザは今何ポイントなの?」


「まだ5ポイントよ。何ポイントで元の世界に帰れるのか想像もつかないわ。マミは何ポイントなの?」


「1000だね」


 と軽く答えたらミーザが固まった。


「えっ……えっと……転移したのは今日よね?」


「うん。今日だね。」


 凄い速さで僕に詰め寄り肩を両手で掴み揺する。


「どっどうやってそんなポイントを!?」


「ただ、岩山に登って神様になる宣言しただけだよ」


 ミーザにガクガク揺すられながらもそう答えたら、「そっそれで1000……」と呟いた。


 ミーザが上の空の間に距離を取る。「本当だよ」と言っておく。


「マミ。コール・ウィンドウと言ったら。目の前に色んな情報が見れるようになるの。やってみて」


 ここも素直に従って「コール・ウィンドウ」と呟くと目の前にスマホの画面の様な半透明の物が拡がる。

 思わず驚いて「出た!?」と叫んでしまった。


「それは目線でも操作出来るけど指の方が簡単だと思う。で、ゴッドポイントのアイコンを押して中身を見て欲しいの」


 言われた通りゴッドポイントのアイコンに触れると詳細がかかれていた「どう?」と聞かれたので、1000ポイントの取り方を聞きたいのだろうけど……今からじゃ無理だ。


「書いてあったけど無理だと思う。条件は“マールグリンでの第一声、見晴らしの良いところでの神への決意宣言、声の大きさもプラス”だってさ」


 それを聞いたミーザは膝を突いてがっかりしていた。


「まだ、“見晴らしの良いところで神への決意宣言を大きな声で”があるから、そう落ち込まないで、ねっ」


 と慰めてもミーザは復活しなかった。やはり1000ポイントは大きいらしい。


 手持ち無沙汰も何なのでウィンドウを色々弄っているとやっとミーザが復活した。


「そうだわ。そうよ。第一声は無理、あんなに大声も無理。だけど凄く良い景色で宣言してやる!絶対絶景を見つけてやるんだから!!」


 とミーザの格好良い宣言が飛び出したんだけど、四つん這いの格好で言うのはどうかと思うんだ。僕。

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