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自己紹介と親睦

「では、僕の名前は綾梨真海アヤナシマミ。真海って呼んでね。16歳で学生してます……してましたになるのかな? あっ、後、地球人です」


 んー取り合えずこんなとこかな。彼女の方もふんふんと頷いているし。


「では私も、名前はミザリアラ・モトバルドです。皆からはミーザって呼ばれてましたからミーザって呼んでください。18歳です。魔術師の見習いをしていました。えーと、ロッデンハイトのロミヤの出です」


 ……まっ魔術師!? って魔法だよね? つっ使えるの? て今は挨拶だ。


「ミーザさんか、改めて宜しくお願いします。」


「あっこちらこそよろしくお願いします。マミさん。……あの、お互い名前だけで呼び合いませんか?」


「いいの? 僕もそっちの方が良いけど」


「はい!」


 いい笑顔だ。僕も笑顔で応える。


「ふーー。私、マミに会えて安心しました。だって師匠の家に行く途中にいきなり白い空間に囚われたら神様に会って、此処に放り出されて。途方に暮れて泣いていたら、岩山の方から声が聞こえるし。――でもそこから出て来たのがマミみたいな小さな女の子だったんだもん。あんな子が神様になると宣言してるんだから私も帰る為に頑張ろうって思いましたもん」


 ミーザはそう告げると僕の手を取ってギュっと握って


「だから、マミ。ありがとう」


 ミーザの心情を聞き僕は岩山の声のあたりで顔が赤くなったけど僕も同じ気持ちだよと手を握り返しながら告げる。


「それは僕もだよ。初めて見付けたのがミーザみたいな女性でよかったよ。男の人だったら多分会いに来なかったよ。あっでも、あの白い空間には地球では不思議な生き物もいたからそれだったら会いに行ったかもね」


 そう告げるとミーザは「マミはチャレンジャーね」と笑ってくれた。


 後は誤解も早く解いた方がいいよね。


「それから僕は神様になるつもりは無いよ。地球に帰るのが目標だよ」


 それを聞いたミーザは目を大きく開いて驚いていた。


「むしろ、いきなり神様目指せって言われて目指せる人は凄いよね。僕は無理」


「んー私も同じかな」


 そこからミーザと二人で今回の愚痴を言い合った。


 愚痴って尽きないよね。でも愚痴り過ぎて喉が乾いてきた。確か鞄にお茶があったはず。ミーザに断りを入れて鞄をガサガサ。お茶を取り出し、ついでにお菓子も。


 お茶をぐびっと一口。ミーザにはどうしようか……元々飲みかけだったしなー。まぁ、聞けばいいか。


「ねぇ、コレはお茶って言う地球の飲み物なんだけど飲んでみる?」


 するとお菓子の箱を見ていたミーザは、


「お水は神の鞄にも入ってましたよ。うーん、マミの世界の飲み物ですか……貴重な物ですよね。いいんですか?」


 神の鞄? あー、足元にあったショルダーバッグか。水が入ってるとは神様グッジョブだね。しかし言われてみればこのお茶、貴重だね。お菓子も。まぁでもいいや。


「大丈夫だよ。無きゃ無いでも別にいいし。ささっどうぞ」


 そう言ってミーザに手渡したらラベルを不思議そうに眺めてから一口飲む。何か思案顔を浮かべて、あっと思い出した様に呟く。


「おいしいです。でも、これは私の星でも飲んだことがあります。確か師匠の友人の贈り物だったかと……」


「へー、ミーザの星にもあったんならこの星にも似たようなのが在るかもね。」


 お菓子の箱も開ける。これはビスケットの中にチョコレートが入っている一口サイズのお菓子。パックンと口に放り込む。ミーザもどうぞ。


 ミーザはまずビスケットに描かれているイラストを眺め、匂いを確かめ口に含んだ。そして噛んでいくと……すごい顔が綻んでいる。「すごいおいひーでふぅ」と食べながら感想を貰った。

 

 やっぱり美味しいよね。僕が一番好きなお菓子。これが食べれなくなるのはちょっとイヤだな―。


 でも、ミーザも気に入ったみたいだし二人で食べ切ってしまおう。味を噛み締めて。


 ただミーザに遠慮があったのか少し残ってしまった。


 お菓子を鞄に仕舞い、お茶で一服。ミーザは神の鞄から水を取り出し飲んでいる……魔法で水を出して飲まないのか。聞くのもなんだしなー。


 そういえば僕まだ神の鞄開けてないや何が入ってるんだろう? 


「ねぇ、神の鞄の中身は何が入っていたの? 僕まだ調べて無いんだよね」


 えぇぇぇーと驚きの声を上げられた。なんだコイツみたいな顔もされた。かなり呆れてるのかも。


「見てないんだ……そう」


「…………うん」


 この一件からミーザがお姉ちゃんぽくなった。

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