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ボディーランゲージ

 手を振り返してくれたものの、未だ顔を見せてくれない……なんとか顔を出させなくては。

 もう一度手を振る。向こうも振り替えしてくる。……よし。ボディーランゲージだ。


 まず、敵意は無いよと両手を挙げようとして、ふっと思った。僕の常識はこの世界に通用するのか? アニメで白旗を揚げるのは宣戦布告とか真逆の事が有ったような……アニメを元に考えるのもアレだけど異世界だし。ボディーランゲージ危険かも。


 う〜ん。見渡す限りあの人しか居ないし逃したく無い。どうするか……あっ。普通に言葉が通じるかも。だって、あの白い空間では全部、日本語に聞こえていたし。やってみますか。


「おーーーーい! 聞ぃーこぉーえぇーるぅーーー」


 お腹から搾りだすように大声を張り上げる。すれと反応が。


 ビクッとした後に、恐る恐るといった感じについに顔を出した。おぉ!女の子っぽい。そして口に手を添えて叫ぶ。


「………………!」


 ふむ、言葉は通じてるみたい。けど


「聞ぃ―こぉーえぇーなぁーいよぉぉーー」


 一生懸命叫ぶ姿は可愛らしいんだけど聞こえない。僕の声は聞こえているみたいなのになー。近づくか。


「ぼくがーそっちーいーくーよー。まっててーー」


 と言うと、彼女は両手で丸を作る。……ボディーランゲージだ。


 人を待たせるのは嫌いなので速く行かねば。だけどせっかく頂上にいるし一周だけ回って周りの地形を確認しよう。あっスマホで撮ればいいのか、どうせ充電出来なくて使えなくなるし使える内に使っておこう。

 小走りでパシャパシャしながら一周する。街っぽいのも遠くに見えた。アレが目標になるかなーと思いながらパシャっと一枚。

 よし。降りますか。


 下山して時間を確認すると結構経っていた。ヤバイ〜と大木の方向にダッシュ。

 タッタッタとリズムよく走った。いつもより速い。うーん。重力が地球より小さいのかな? いや、蹴る力が強くなっている気がする。神様がくれた力って語訳機能と身体強化なのかな。嬉しいけど。うー、魔法とかも欲しかった。いや、今は知らないだけで使えるかも。


 などと何時もの様に浅い考え事をしながら走っていたら大木の近くまでに到着。彼女も僕に気付いた様で読んでいた本を閉じると


「こっこんにちは!」


 と、挨拶された。友好的でよかった。 まぁ、見た感じ大丈夫そうだから近づいたんだけどね。


「こんにちは!」


 返事を返して手も振る。あっ手を振るのもボディーランゲージか……最初にやったの僕だ。


 彼女は挙動も可愛かったけど容姿も可愛い。顔はやや彫りが深くロシア系かな。髪は銀髪。まさにガイジンさんって感じ。異世界人だろうけど……。身長は僕より高い160後半はありそう。身体はぶかぶかのロープを着ていて分からない。

 と、僕が彼女を観察していると向こうから、


「あのー、あなたも神様候補の方ですか?」


「えっ! 君も?」


 思わずそう返した言葉に「はい」と苦笑いで返された。ですよねー。


「よく僕がそうだとわかったね。」


「はい。それはあの岩山から『神になる』と聞こえて来ましたから」


 ん…………えっ……は、恥ずかしい〜〜〜

 聞かれた。きかれた。キカレター。一気に顔が赤くなる。あっあれはアレだ。そう。


 「あっアレは病気なんだ。僕の世界では中2病っていうさ。ハハハ。もう治ったから大丈夫だよ」

 

 すごい早口でまくし立てる。翻訳大丈夫かな。

 ここは誤魔化しにいこう。


「自己紹介。そう! 自己紹介をしよう! 」


 「そうですね」と同意を得たことで大木の根元で座りながら第一村人じゃなく第一神様候補と自己紹介タイムといきましょうか。

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