表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
13/13

エピローグ




「お兄ちゃん。トラックに気を付けてね。第三中学校前」


 それは朝の一コマ。

 目覚まし時計に叩き起こされた俺が、いつも通りに顔を洗い、朝食をとるべくダイニングに向かうと、そこには何故か妹がいた。室内なのに、灰褐色のローブを身に纏い、目深にフードを被っている。そんな妹は、一見すると魔導士のコスプレをしているようにも見える。


 だが。

 この妹、この格好がデフォである。

 極度の恥ずかしがり屋で、肌を出すこと自体嫌いらしい。小学校の時には、この恰好でもちゃんと通学していたのだが(毎年秋にある運動会にもこの格好で参加していた。プールや普段の体育をどうしていたのかは、学年が違うから分からん。)、中学に進学した一年前からは引きこもりが続いている。ついでに言うと、一年前からは自室から出ることもなくなっていたので、俺もこの一年間、妹の姿を見たことはなかった。




 そんな妹が珍しく、部屋から出てダイニングで朝食をとっていた。

 しかも、話しかけてきてる。

 こいつが俺に話しかけるなんて、何年振りだろう? 10年ぶりぐらいだろうか? というか、妹の声自体、ここ数年ずっと聞いていなかったような気がする


 それがどんな心変わりだ? 一体全体、何を企んでいるのか?


 むむむむむ。

 むむむむむ。


 分からん。妹の行動の真意を巡って、色々考えてみたのだがサッパリ分からん。


 となると、本人に聞くのが一番だろう。


「どういう意味だよ?トラックに気を付けろって?」


 だが、そこにはもう妹はいなかった。



 代わりにそこにいたのは、母。


「何言ってるの? 早く食べなさい。また、遅刻するわよ」


「え? あやめは?」


 さっきまで其処にいた筈なのに、いつの間に居なくなったんだ?


「何言ってんの? あやめちゃんなら、もう部屋に帰っちゃったわよ。勇人ゆうとが『むむむむ』と唸っている間に」


 馬鹿な!


 一年ぶりの生あやめ。それも声まで掛けてくれてたのに!

 アレコレ考え事をしている間に、居なくなっていただと!


「おのれ! これも孔明の罠か! このかたき、絶対返すからな!」


 俺は気炎を上げる。






パポ、パポ、パポ、パポ、パポ、パポ、パポ、パポ。


 そんな感じで俺が馬鹿をやっている間にも、時間は進む。そして、鳩時計が間の抜けた音を出す。


 それも八回。

 背筋を冷や汗が流れ出る。恐怖におののく俺は、恐る恐る時計を見る。そこでは予想通りの事態が進行していた。そう、鳩時計の針は、今が8時であることを示していたのだ。


「遅刻するうううううう!!!」


 流石に拙い。今日も遅刻したら、1カ月連続遅刻記録を達成してしまう!それだけは避けなければ!


 バタバタと食パンを口の中に振り込むと、鞄を引っ掴んで全力疾走!


「まずいいいいいいいい!!!」


 そう。これは拙い。頭の中に、ニヤニヤ笑いを浮かべる朱音あかねの顔が浮かぶ。

 先月、あいつとは賭けをしたのだ。

 もし、来月一カ月間連続で遅刻をし続けるようなら、駅前のパフェキングでパフェ食べ放題―お値段2,160円也―を奢ると。


「やばいいいいいいいいいい!!!」


 悲鳴を残いながらも、俺は疾走する。




 という訳で、完結です。このような駄作に付き合ってくれた読者の皆様、どうもありがとうございました。


 何だか最後のほうが物凄く駆け足になっていて、申し訳ない気持ちで一杯なんですが、この辺が作者の筆力の限界でして……。

 今後とも精進を重ねる予定ですので、次回作も宜しくお願いいたします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ