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 10分ほどで戻ってきたリーヤに頭痛薬を飲ませてもらうと、僕は目を閉じて横になった。そして、口を開く。どうしても、確かめずにはいられなかった。

「あのさ、さっきのシルバー・レイに助けてもらったっていうの本当?」

「本当。俺、初めて喋って心臓止まるかと思った。あっ、そういう意味じゃなくて、殺されるとかじゃなくて、びっくりしたってことだから」

「うん・・・何歳ぐらいの人だった?」

「大人ぽかったから、17歳とかかも。だから、顔も目も隠してなかった」

「そう・・・」

「シルバー・レイって噂通り、この世の人じゃないみたいに綺麗なんだな。銀髪はキラキラだったし・・・」

 その時のことを思い出そうとしているリーヤに僕は一番聞きたかったことを尋ねた。

「僕の・・・僕達の顔って見られた?っていうか、助けてもらたって、シルバー・レイにはいつどこであったの?何してもらったの?」

 捲し立てた僕にリーヤがひとつずつ答えた。

「顔は見られてないと思う、俺も倒れたレテもフードを被っていたから。もしかして顔を見られていたとしても魔法科のガキんちょとしか思われていなかったと思う」


 僕だと気付かれなかったみたい。ああ、よかった。


 ひとまず、安堵した僕にリーヤが続けた。

「レテが倒れてすぐに階段から人が下りてきて、それがシルバー・レイだったんだ。どうしたの?と聞かれてさ、俺もレテが急に泡吹いて倒れたから、焦っててさ、思わず、助けてくださいって口から言葉が出てたんだよな」


 うぅ・・・僕、口から泡を吹いていたのね。どこのカニだよって感じ・・・。

 

「そしたら、倒れたレテをシルバー・レイが抱きかかえようとしたから、まずいと思ってさ、魔法科のどこかに連れてかれると思って、レテを引っ張って、俺がレテをおんぶしたんだ。そうしたらさ、楽勝と思っていたのに、レテが想像以上に重くて、膝が折れそうになったんだよな。その様子を見ていたシルバー・レイがレテの体にそっと触れてさ、その瞬間、レテの体が浮いたように軽くなって、これならいける!!と思って、俺はペコリとお辞儀をして、逃げるように階段を上り、逃げるように図書館から出て、這うように林みたいなところを抜けて、転がるようにレテの部屋に戻ってきたってわけ」


 シルバー・レイが僕の体を軽くしてくれたのか・・・。


「色々、大変だったんだね。リーヤ、ありがとうね」

 僕が微笑んでお礼を言うと、リーヤはニッと笑いながら言った。

「今回は誰にも見つからなかったから、お咎めなしだからな」

「魔法科演習実技試験潜入、大成功だね」

「大はいらないかな、小成功で」

「それでは小成功ということで」

 布団から出した僕の右手をリーヤが自分の手で軽く叩き、パチンと軽快な音が部屋に響いた。



「俺は部屋に戻るな、安静にしてろよ。明日の朝、また様子を見に来るから。調子が悪いままだったら、学院休んでもいいし」

「うん、ありがと。明日は終業式だけだから、行くよ」

「そっか・・・それじゃあな、おやすみ」

「おやすみ」

 リーヤが部屋の電気を消し、パタンと扉を閉じて部屋から出ていった。


 今、何時なのかな?リーヤに聞けばよかった。


 カーテンのひかれた窓に視線を向けると、カーテンの隙間から光が射し込むことは一切なかった。


 夜なのかな?魔法科の図書館に潜り込んだのが言語学の試験が終わってからで、14時頃で・・・そう言えば、お昼ご飯を食べてから、何も食べてないや。頭が痛くてお腹減ってないけど・・・。


 そのまま10分ほどベッドに横たわっていると、薬が効いてきたようで、少しずつ頭痛が治まってきた。僕は布団を払いのけ、魔法科のローブを身に纏うと呟いた。

「体調もよくなってきたということで、それでは行くとしますか。本日、2回目の魔法科潜入に」


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