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 目を開くと、見慣れた景色が見てとれた。僕は寮の自分の部屋のベッドの上にいた。

 

 あーあ、やっちゃった・・・。

 魔法を使っちゃいけないって言われていたのに、魔法、使っちゃったよ。王子さんを助けるために使っちゃった・・・。だって、言い訳だけどね、あの雷雲からの稲妻がもし、かりに王子さんを直撃していたとしたら、王子さん死んでたよ、たぶんね。

 

 僕の脳裏に金髪できらびやかな王子さんの姿が浮かんだ。

 

 それにしても、王子さんどうして急に無力になったんだろう?最初にボー!と炎を出したときには、体に幾重にも覆う力が見てとれたのに・・・。急に魔法が使えなくなることなんて、あるのだろうか?僕の腕輪に似たものでも身に付けているのかな?

 

 僕が色々と思いを巡らせていると、部屋の扉が開いた。その音に思わず上半身を起こすと、激しい頭痛が襲ってきた。

「っつ・・・いたっ・・・」

 頭に手を添えて、顔をしかめた僕に優しく声がかけられた。

「目、覚めた?」

 声の方に視線を向けると、リーヤの心配そうな顔が見えた。僕は頭に手を添えたまま、静かに答えた。

「・・・うん、今起きた」

「体は大丈夫?」

「とんかちで頭を殴られているぐらいの頭痛だけで、他は大丈夫」

「痛そう・・・あとで、頭痛薬もらってきてあげる」

「ありがと」

「それは・・・大丈夫なのか?」

 そう言って、リーヤが僕の左腕を指差した。僕も自分の左腕を見た。すると、腕輪はもう腕を締め付けることはなく、まるでただの飾りとでも言うように石が光を反射してキラキラと光っていただけだった。ただ、僕の腕を引きちぎるほどに締め付けていた証は残っており、僕の腕が丸く一周どす黒く変色していた。

 

 うわぁ、汚い色!でも、手が千切れなくてよかった。


 思わず右手で左腕を擦ると、リーヤも手を重ねるようにして同じように擦ってくれた。

「痛そうだな。これって、呪い?」

「わかる?子どもの頃にね、家の奥にしまわれていたのを持ち前のバイタリティーで、自分の腕につけちゃったんだよね」

「バイタリティー?・・・それで、ルールは?ここに来てから今日が初めてだろ?こんなになるの」

「ルールはわかんないんだよね」

「そっか・・・呪いはたいていそうだもんな」

 そう言って、リーヤは寂しそうに微笑んだ。それから、薬をもらいに行くためにリーヤが部屋を出ようとしたので、僕はずっと気になっていたことを尋ねた。

「ここまでどうやって戻ってきたの?僕、倒れちゃっていたのに」


 リーヤがひとりで気を失った僕を背負って、階段を上り、あの抜け道を通ってここまで帰ってきたとは考えられなかった。リーヤが振り返って答えた。

「シルバー・レイに助けてもらった」


 な、な、な、なんだって!?




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