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 生まれてからずっと真っ黒な僕の目が金色になったって!?


「ほんとに?」


 信じられずにお姉さんに聞き返すと、お姉さんもその事実に驚いている様子でずっと僕の目を見つめたままだった。


 僕の金目なんて、想像もしないようなことだもんね。


 お姉さんはやっと落ち着きを取り戻したようで、フードのポケットに手を入れ何かを探しながら僕に言った。

「セラーレテ様、私鏡を持っています。見られますか?」

「うん、見る!見る!」

 ポケットから取り出した手鏡をお姉さんが僕に渡してくれた。恐る恐る僕は鏡を除きこんだ。


 うわぁ!!僕の目が金色になってる!!


 見たことも経験したこともない自分の瞳の色に僕は言葉を失ってしまった。お姉さんが心配するように声をかけてきた。

「セラーレテ様、大丈夫ですか?」

「大丈夫だよ。ビックリしちゃっただけ。みんなのは見慣れているのに、自分の物となると違うんだね。なんだか、変な感じ」

 瞼をパチパチさせながら、視線を鏡からお姉さんに移すとお姉さんは微笑みながら言った。

「とてもお似合いです。セラーレテ様」

「そ、そうかなぁ・・・」

 誉められてまんざらでもない僕は照れ笑いをした。すると、お姉さんが表情を少し曇らせ言葉を続けた。

「セラーレテ様の金色の瞳を拝見できたのは光栄なことですけれども、このままではセラーレテ様がお困りになるのでは。お顔を隠さなくてはいけなくなるのではないでしょうか?」

「大丈夫だよ。僕には金目の呪いはないからね。この金目はお姉さんにかけられた魔法の影響で色がうつっただけだから、すぐに元の黒い目に戻ると思うよ」

「そうですか、元に戻るんですね。よかったです。ということは、セラーレテ様の金色の瞳を見ることができたのは私だけになるんですね」

「うん。あのね、会った時から気になっていたんだけど、お姉さんはここでこんな朝早くに何をしてたの?それともうひとつ、お姉さんは昨日みんなと一緒に銀国に帰らなかったんだね」


 お姉さん、おとなしそうに見えて朝からエスケープ?しかも、銀国に帰ってないっていうのは補習とか僕と一緒の罰則とかだったりする?


「鳥の森には毎朝来ているんです。鳥が好きで鳥達に朝御飯をあげているんですよ。今日はそれが終わって寮に戻ろうとした時に金目に戻ってしまったのです」

「そうだったんだ」

「はい。それと学院に残っているのは家族が今旅行中だからです。一週間後に家族がこの国にも来る予定なので、そこで合流するつもりなんです」

「へぇ・・・珍しいね。シルバー・レイが旅行って」

「トラブルも多いですが、両親が旅行好きなのでよく行っています。セラーレテ様は後10日ほどしたら銀国に帰られるんですよね」

「うん、そう。ここから飛んで帰るんだよ」

 

 そうやって少し話をしていると、僕の目がいつもの黒目に戻ったとお姉さんが教えてくれた。


 つかの間の夢だったね。にしても、これで人に会っても大丈夫。


 僕はお姉さんに別れを告げ、寮に帰るため来た道を戻り始めた。お姉さんも僕に背を向けシルバー・レイの寮へと向かって歩き始めた。


 お姉さんがここに来ることを知っていて罠を張った人がいる。そして、罠を張った人は必ずどこかから様子を観察しているはず。どういう理由かはわからないけど、悪質だよ。お姉さんの瞳が戻らずに、誰かに会っていたらその人は金目の呪いで死んじゃうんだよ。いったい誰が何のためにこんなことを仕組んだんだよ。


 散歩道に注意深く視線を走らせ、周りの木々にも目を向け、必死に人影を探す僕であった。  

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