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「リーヤ、ちゃんと見えてる?」
「見えてる、今、左端のところ緑色に光ったな」
「うん、きれいだねぇ」
僕とリーヤはガラスに顔をピッタリとくっつけて、下で行われている実技演習試験を食い入るように見ていた。下ではひとつ5メートルほどの輪の台座の中に二人の人間が入り、手や体から様々な光を出して戦っていた。輪は全部で8個ほどあり、その全てで戦いが行われていた。
実技演習試験は12歳クラスから始まり、魔法の力を使い、戦う試験である。もちろん、魔法が使えない普通科の生徒にはない試験である。
うわぁ、魔法の光ってキラキラしていて、すごくきれいだなぁ。いつ見ても、惚れ惚れしちゃう。
うっとりとした顔で僕が下を見惚けていると、リーヤも顔を下に向けたまま言った。
「レテが言っていたように、雪を降らしたりだとか、炎で焼き付くしたりとか、そういうのを想像していたんだけどさ、なんか違うんだな」
「本当だね、そういうの全然ないね。様々な色の光がみんなの体から発せられていて、それがぶつかり合っているって感じだね。光が幻想的」
「うん、そうだな。知らなかった」
「知らないことがいっぱいあるね」
「魔法はさぁ・・・来年から魔法科生徒との合同授業が始まるから、それで色々知れたらいいな」
「うん、うん、そうだね」
下で実技演習をしている生徒達はきっと、僕達と同じ年ぐらいなんだろうな。だから、まだ力が弱くて魔法が具体的なものになってないんだよ。まだ、光をまとったふわふわした抽象的なものだね。これが、15歳、16歳、17歳クラスなんかになったら、雷とか降っちゃう本格的なものになって・・・そっか、だから、下にいる生徒達は地下室なんかで、実技演習ができるんだね。規模が小さいから。力が強くなったら、外でしないと危ないもんね。
僕は下から視線を外し、そっとリーヤを見た。リーヤは目を輝かせて下の様子を見ていた。
この学院に来るまで、魔法を見ることが多かった僕だけれども、それでもまだまだいっぱい見たい!と思うわけだから、リーヤが釘付けになるのもわかるよ。
魔法が使える人は世の中にそんなにいなくて、血筋で受け継がれるものが多い。そして魔法が使える人は必ずこの王立の学院に入学することが決められている。そして、この学院には魔法が使える人のための魔法科だけでなく、もうひとつ魔法が使えない人のための普通科が存在する。僕やリーヤはその普通科に通う学生なんだよね。まぁ、普通科と言っても、国中のエリートの家の子どもが集まってきている感じ。でも、別に偉ぶった学院じゃないんだよ。将来のことを考えて、将来国を背負うであろう子ども達の交流を大切にしているということで、この王立学院は国民に支持されているんだ。普通の家の子どもでも、才能がある子とかは受け入れられているしね。
そういう僕はずばぬけた才能がある訳じゃなくて、今までの家族がみんなここの学院出身だから、入学しただけのこと。て、言ってもまだこの学院に来て、半年もたたないんだけどね。




