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北へ

廃村の老人から話を聞いてから、僕たちの旅の方向が変わった。 明確な目的地ができた。北の山脈だ。 理由は説明しにくい。ヴェインを倒しに行くとか、世界を救いに行くとか、そういう大きな話ではなかった。ただ、あの人が何者で、何があって、今そこにいるのかを知りたかった。 自分と似た話だったから。 守ろうとして力を手に入れて、使いすぎた。 それが僕の行き着く先かもしれない。なら、会ってみたかった。 ガースは「無謀だ」と言いながらついてきた。エリナは「でも止められない」と言いながらついてきた。マリィは「どこでも一緒に行く」と言った。 旅は長かった。 途中で山賊に遭った。魔物に遭った。街で騎士に目をつけられた。 戦うたびに、僕は《リミットブレイク》を使った。なるべく小さく使おうとした。でも、仲間を守れないと判断した瞬間には、躊躇わなかった。 レベルは2になっていた。 ガースが黙って見ていた。エリナがステータスを確認するたびに少し唇を結んだ。マリィが夜、寝たふりをして泣いているのが聞こえた時があった。気づかないふりをした。気づかないふりをしながら、胸が少し痛かった。 北の山脈の麓に着いた頃、雪が降り始めていた。 山の奥から、何かが漂ってきていた。重い空気だ。魔力、とでも言うのかもしれない。圧迫感がある。「本当に行くのか」とガースが言った。「はい」「レベル2で行くのか」「行きます」「……そうか」 ガースが剣の柄を確認した。それが彼なりの「わかった」の言い方だった。 エリナが「私も行きます」と言った。当然のように言った。 マリィが「私も」と言った。「マリィは——」と言いかけたら、マリィが「駄目って言っても行く」と先に言った。 断れなかった。 四人で、山に入った

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