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王国の歪み

 ヴェインから聞いた話は、旅を続けながら裏付けが取れていった。 エリナが「実は知っていた、かもしれない」と言ったのはその頃だ。 彼女の父親がかつて下級貴族だった頃、王国の「実験」に関わっていたという話を断片的に聞いていたと言った。農奴を集めて、強制的にステータスを開示させ、代償スキルが現れたものを選別して戦力にする。そういう計画が、王国のどこかで動いていた。「あなたの《リミットブレイク》も」とエリナは言いにくそうに言った。「もしかしたら、計画の産物じゃないかもしれないし、でも、農奴にスキルが現れる土壌を誰かが作ったのかもしれない」「僕が自分で覚醒したんじゃないかもしれない、ということですか」「わかりません。でも、完全に偶然とも言い切れない」 それが怖いかというと、不思議と怖くなかった。 誰かに作られた力でも、守るために使ったのは本当だ。マリィを守ったのは本当だ。それは変わらない。「どっちでも同じです」と言った。「そうは思えない人もいます」とエリナが言った。「エリナさんはどう思いますか」「私は……あなたが自分で選んで使ったと思いたい」「そうですか」と言って、少し笑った。「じゃあ、そういうことにします」 ◇ 王国の中枢、王都に向かうことになった。 ガースが「無謀だ」と言った。今回も言いながらついてきた。 王都は大きかった。農奴の村と比べたら、別の世界みたいだった。 でも、街の端の方には農奴たちがいた。労働者として使われていた。目が虚ろな人がいた。体に異様な痣がある人がいた。 エリナが「あの痣は……スキルの強制付与の跡かもしれない」と言った。 胸が痛くなった。 計画の中心にいたのは、王国の宮廷魔術師団の長だった。名前はダルグという男だ。 ダルグは農奴に代償スキルを強制付与し、戦力として使い、消耗したら捨てる、という計画を実行していた。ヴェインの力を研究して、再現しようとしていた。 それを止めるために、動いた。

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