表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
倒した敵は俺の力になる 〜魔物だらけのダンジョンを攻略しながら、ドロップ品を配信で売って一気に億万長者へ〜  作者: 上部乱


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

4/14

第4話 寝ながらレベルアップ 


三つの影が地面に映り、

配信のチャット欄では戦闘結果をどう処理するかで大論争が勃発していた。

 

今回は俺自身に考えがある。もう視聴者の意見を参考にするわけにはいかない。

 

彼らは現場にいない。

俺の代わりに決断を下せる立場じゃない。

俺は迷わず選択した。

 

【袋持ちピクシー:従者】

【投石ピクシー:従者】

【ヤリ持ちピクシー:武装】

 

知恵の書が青い光を放ち、

二つの小さな影が再構成を完了する。

 

同時に、ヤリ持ちピクシーの残影の中から武装の形が浮かび上がった。

 

海面から顔を出す岩礁のように、

ピクシーの影の中から一本のヤリが現れる。


彼らが手にしていた粗削りのヤリとは比べものにならないほど精緻で、

まるで神に捧げるために鍛えられたかのような美しさだ。

 


刃は木の葉で作られたような鮮やかな翠色みどりいろ


ヤリ刃の両側は翼のように広がっている。

柄には雲紋が刻まれ、そして——俺の名前が。

 

システムメッセージが浮かぶ。

【取得:ピクシーの切風翎せっぷうれい

  

知恵の書が新たなページを開き、

この武器を登録していく。

 

俺はカメラをページに向け、

みんなと一緒に確認した。

 

【ピクシーの切風翎】

投擲後、自動回収

貫通攻撃ボーナス×1.2

風属性ダメージ+5

飛行特効

 

チャット欄が一瞬、静まり返った。


『自動回収!?』

『つまり無限弾薬ってこと!?』

『ミョルニルかよ!』

『ダメージ補正えぐすぎ!』

『属性付き!しかも飛行特効まで!』

『序盤から神器?戦力インフレすぎだろ!』


俺は切風翎を軽く前に投げてみた。


ヒュッ——


ヤリは弧を描き、壁に深々と突き刺さった。

深呼吸して、息を詰める。


ブン。


柄が震え、壁から自ら抜け出し、

回転しながら俺の手元に戻ってくる。


まるで風に乗っているかのように。


切風翎を手の中でそっと確かめる。

軽い——まるで何も持っていないみたいに。


そのとき、知恵の書が再びページを繰り、

ドロップリストが浮かんだ。


N ピクシーの花葉服 ×2

S ピクシーの秘醸蜜ひじょうみつ ×1


チャット欄が再び沸き立つ。


秘醸蜜ひじょうみつって何!?』

『N二個!?この比率おかしくない?

 ドロップ率の計算方法、

 ちゃんと調べた方がいいぞ』

『S級!?もう出たの!?

 前世で何人老人を助けたんだ?』


俺はまずN級の装備を二つ拾い上げた。

葉と花びらで縫い合わせた小さな衣だ。


「かわいい!」若菜が少女全開で叫ぶ。

「真澄、一枚もらえない?」

「え……ま、まあ、

 欲しいなら取っておくけど。」


知恵の書にもドロップ品のデータが載っているはずだと思って開こうとしたら、

書の方が気を利かせてデータを直接投影してくれた。


【ピクシーの花葉服】

【ピクシー装備/風耐性】


チャット欄が笑った。


『布の鎧(笑)』

『コスプレ衣装じゃん』

『N級のドロップ品、どうせ使い道ないだろ』

『いや、そう決めつけるのは早い』

『化身っていう選択肢があること、忘れてないか?』


彼らの見方が正しいかどうか、

今は判断できない。


次に別のピクシーを倒した後でなければ、

試す機会もない。


最後に、

S級の戦利品を手に取った——

ピクシーの秘醸蜜。


小さな一滴の、金色に輝く濃密な液体。

水晶のように透明な花苞の中に包まれている。


チャット欄が静かになった。


『飲んだらどうなるの?』

『能力上昇?』

『進化素材?』

『おい、それ売ってくれないか?』


俺はすぐには知恵の書を開いてこれを確認しなかった。


S級。

ドロップ率15%以下。

嫌な予感がする。


こんなに希少なもの、

用途を軽々しく公開するわけにはいかない。


だが、チャット欄を本当に沸かせたのは、

ドロップ表の一番下の二行だった。


U ???? 4%

E ???? 1%


この二つが秘醸蜜への関心を一気に吹き飛ばし、チャット欄は推測合戦になった。


『Uはピクシー女王の翅とかじゃないの?』

『E級ってまさかピクシー王そのものだったりして?』

『1%……ボス素材だろこれ』

『主播、E出るまで狩り続けてみろよ!』


「ダメ!」若菜が怒って怒鳴った。

「もう12時間以上も働き続けてるんだよ!

 そいつらの言うことなんか無視して、

 早く家に帰る道を探して、

 早く寝なさい!」


俺はあの二列の「????」を眺めた。


4%、1%。


俺だって気になって仕方ない。

好奇心がないと言えば嘘になる。


だが……今からこれを狙う(マラソンする)のか?


「申し訳ないけど、

 今すぐあれを狩りに行くつもりはない。」


配信の視聴者数が少し落ちた。

それでもいい。


今の俺に必要なのは戦利品でも、

配信の人気でもない。


社畜にとって、

睡眠こそが何より大切なのだ!


ジャリーン

突然スパチャが来た。

金額は低い——明らかに注目を引きたいだけだ。


『大胆な提案があるんだけど、

 主播が乗り気かどうかの問題だ』

『もったいぶるな!』

『早く言えよ』

『今三人も従者いるじゃん。

 いっそ見張らせて、そのまま寝たら?』

『え、ここ人を殺せるモンスターいるんだけど』

『変なこと言うなよ、主播に何かあったらお前のせいになるぞ』


「真澄、もうちょっと頑張って、帰り道を探してよ。ここで寝るのは本当に危ない。」

若菜の声には心配がにじんでいた。


『若菜、止めるなよ。

 その視聴者の提案、

 今できる中で一番合理的だと思う』

淳一が冷静になるとき、時々本当に怖い。


『淳一、一回目に続いて二回目もおかしなこと言うのか?』

正直に言えば、

良太は口は悪いけど根は善人だと思う。


「見張りか……」

もうヘトヘトだ。

今すぐ横になれるなら、

その選択肢は非常に魅力的だった。


新たに従えた三匹の従者に、

最初の正式な命令を下す。


「今からちょっと寝る。

 周りを見張っていてくれ。

 不審な奴が近づいたら起こせ。」


力なく、疲れ果てた声で、

三匹のピクシーに告げた。


砂袋持ちが廊下の高い位置の隙間に陣取る。

スリング持ちが曲がり角の死角に停まる。

ヤリ持ちが俺のそばに浮かんで待機する。


彼らは何も言わなかった。

ただ、俺の頭の中にシンプルな返答が浮かんだ。


【はい】


チャット欄に心配する声が並ぶ。

『おい何してんだよ!?』

『寝るな!視聴者二万人超えてるぞ!』

『ハイライトシーンだろうが!』

『どんな頭してんだ、

 あんな提案するなんて』


俺は壁に寄りかかって座った。

両手がまだかすかに震えている。


「もう限界だ。」

思っていたより低い声が出た。


「このままじゃ、

 反応+1があっても助からない。」

さっきの三人組との戦い。


一瞬、判断を誤りかけた。

もし砂があと一秒多かったら。

もしスリングの石の角度がもう少し正確だったら。

もし俺が半テンポ遅れていたら。

今頃地面に横たわっているのは、

息をしている俺じゃなく、

冷たくなった俺だったはずだ。


俺は目を閉じた。

「五分。五分だけ寝る。」


肩のピクシーが翅を震わせた。

少し高く飛び上がり、

砕けた石柱の端に止まる。


スリング持ちが石を握って構える。

砂袋持ちが袋の口を開け、

地面に撒いて警戒層を形成する準備をする。

細かい砂が落ちる音は、小雨のようだった。


チャット欄が少しずつ静かになっていく。

『本当に寝た……』

『こいつ、肝が据わりすぎだろ』

『これが本物のサバイバル感だ』


実際には完全に眠ったわけじゃない。

ただ意識を沈めただけだ。


反応+1の補正はまだ効いていて、

聴覚が鋭くなり、触覚も敏感なままだ。


迷宮の奥から聞こえる水滴の音、

石がずれる摩擦音。


そして——もっと遠くからの羽音。

肩のピクシーが極めて細い声で言った。


「主……北側……三十歩」

俺は目を開けず、

低い声でぶっきらぼうに返した。


「十歩まで近づいたら起こせ。」

今は何があっても、

あと一秒でも多く眠らせてくれ。


遠くの羽音が少しずつ近づいてくる。


砂袋ピクシーがそっと袋の口を引く。

スリングがすでに回り始めている。


俺の武装——ピクシーの切風翎が、

静かに俺の膝の上に浮いている。


遠くの羽音が近づいてくる。

一匹だけだ。


「主。」

砂袋ピクシーが低く言う。

「危険対象、一体確認。」


俺は目を開けなかった。

「自分たちで片付けろ。」

うとうとしながら作戦命令を下す。


「承知!」


三つの小さな影が同時に動いた。

スリングが先手を打つ。

細い紐が回り、

石弾が音もなく飛び出す。


パシッ。


翅に命中。


Hp -2


はぐれたワイルド・ピクシーがバランスを崩した。


砂袋ピクシーが細砂を浴びせる。

敵のピクシーは目に砂が入り、目を擦りながら、ふらふらと地面に落下した。


この三匹、

完全に標準的な攻撃フローを確立している。


「今だ。」

肩の一匹が翅を震わせ急降下する。


小さなヤリが細い影となって走った。


Critical

Hp -10


同時に、投石がもう一発命中。

敵ピクシーの喉を直撃する。


Critical

Hp -10


【ワイルド・ピクシーを撃破】

Exp +15


チャット欄が狂ったようにスクロールされる。


『まだ寝てる!?』

『全部小隊がやったのか!?』

『軍団プレイ始まった!?』


「今回も従者にする……」

夢の中で言っているのかどうか、

自分でもわからなかった。


青い光、小さな影……

そして四匹目のピクシーが俺のチームに加わった。


俺はまだ目を閉じたまま、

口の中でぼそぼそと命令を続けた。


「哨戒半径を五十歩に拡大。」

「落単を発見次第、優先的に処理しろ。」


十分ほど経った頃。

俺はうっすら、短い戦闘音を三回聞いた。

スリングが回る。

翅が急いで震える。

砂が地面に落ちる音。


そして——

システム通知が三回。


【ワイルド・ピクシーを撃破】

【Exp +15】

【ワイルド・ピクシーを撃破】

【Exp +15】

【ワイルド・ピクシーを撃破】

【Exp +15】


突然、より低く落ち着いた通知音が響いた。


【Level Up】


俺はばっと目を開けた。

体の中を温かい電流が洗い流していくようだった。


疲労感が薄れ、呼吸が楽になる。

視界がクリアになり、眼圧が下がる。


まだちゃんと眠る必要はあるが、

今はもう限界というわけでもない。


『レベルアップ!?』

『寝ながらレベルアップ!?』

『この主播、放置で狩りしてたの!?』

『ここ現実世界だよね、

使い捨てのスマホゲームじゃないよね!?』


俺は身を起こし、

知恵の書でステータスを呼び出した。


Level 2

Exp 20/200


HP +10

MP +5


反応 +1

筋力 +1

霊感 +1

運 +1

自由割振りポイント 2


レベルアップはもちろん嬉しい。

でも、もっと嬉しいのは——俺が手を出さなかったことだ。


四匹のピクシーを見る。


さっき倒した屍体を引きずって戻ってくる彼らは、動きが機敏で、役割分担が明確だ。


完璧な護衛小隊だ。


チャット欄:

『これ完全に放置プレイじゃないか』

『狩り効率えぐすぎる』

『軍団プレイ完成形』


俺は立ち上がった。

レベルアップのおかげで、

だいぶ頭がすっきりした。


「よし。次は哨戒範囲を広げる。」

「大きな群れは刺激するな。

 はぐれ個体だけ狙え。」

肩のピクシーが低く応じた。


「了解、主。」

さらに二匹を従えた。


今や俺には六匹のピクシーチームがいる。


砂袋、ヤリ、スリングが二匹ずつ——

ちょうど二つの突撃小隊だ。


そして、そろそろ「化身」という選択肢を試してみるべきだろう。


俺は地面に転がる、

最後のピクシーの屍体を見つめた。




☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆


この物語を気に入っていただけましたら、

ぜひたくさんおすすめしてください。

そして、少しでも励ましの言葉をいただけたら嬉しいです。

この物語を書き続ける価値があるのだと、

実感させてください。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ